取材しても、記事にできる情報は1割未満。しかし捨てた9割にも、伝えられるべきものがあります。ボツになった企画も数知れず。そんなネタを紹介します。なお、本ブログの文章と写真の無断転載はお断りします。ご利用希望者合はご一報下さい。
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●リニアで登山者の聖地・南アルプスを壊さないで! 記者会見

 4月10日、「リニアを考える登山者の会」の主催で上記会合が開かれました。
 これについては、リニア関連のサイトのあちこちですでに報道されているので、今回はそれに甘えます。
 この集会のとき、隣に座っていた「リニア新幹線沿線住民ネットワーク」共同代表の天野捷一さんが、すぐにレポートを作成したので、それを以下に共有いたします。

170410南アルプスを壊さないで

この日の報告の目玉となったのは、短期間で「南アルプスを壊さないで」を求める署名が3912筆も集まったことです。組織的動員もなく、これだけの数が集まるのはそうないことらしい。

登山者の会プラカード


●本格着工はまだまだ先。だが大鹿村では既に実害が出ている。

 記者会見のあと、私は、大鹿村からやってきた宗像充・前島久美夫妻から短時間話を聞きました。いくつか確かめたかったことがあるからです。
 前島久美さんは大鹿村で生まれ育ち、一時期東京やニューヨークで暮らした後、自分の村でいろいろなチャレンジができると、現在、実家の旅館業を手伝い、かつ、持続可能な地域社会を村で実現するためのグループ『大鹿の100年先を育む会』のメンバーとしても活動し、そのなかに「リニア検証部」を設置し、リニアの問題の勉強と情報発信を続けている。また、『大鹿の100年先を育む会』として、村の各界が集ってリニア問題を話し合う「リニア対策委員会」にも加わり、その審議に関わってきた。
 

 本ブログでも何度か書いているように、リニアの本格的着工(トンネル掘削)はまだ先の話です。

 ただ、測量やら資材や機器類の搬入やら宿舎の建設やらで、工事車両が走り始めているのは事実。それが一日何台かはわからないにしても、すでに実害が起きているのだろうか?

前島久美さん


 この質問に久美さんは

「あります」と答えました。

「場所によってはダンプが通るすぐ両脇に民家があります。そういうところでは、すでに粉塵で洗濯物が外に干せず、家が振動することも起きています」

 
●迂回路予定地となる前島家の土地はどうなるのか?

 そして、私がもう一つ知りたかったのは、以下のことです。

 JR東海の予測によれば、大鹿村では一日最大で1736台もの工事用車両(主に残土運搬車両)が村を走るのですが、住民からは絶対に保育園や小学校の前だけは通るなとの強い要望が出されています。

 そこで、JR東海は小渋川左岸に迂回路を建設してそれを乗り切ろうと計画しています。

 ところが、その迂回路予定地には前島家の土地があり、この件に関しての交渉担当は前島家では久美さんということになっています。

小渋川左岸←小渋川左岸の歩道

 前島家が驚いたのは昨年10月。

 JR東海が村と交わした工事に関する確認書のなかに、迂回路建設については「地権者と締結する」と書かれていたことです。
 前島家には事前に何の相談もありません。前島家が、馬鹿にしているのかと思うのは当然のことでした。

 もちろん、久美さんに、迂回路のために土地を提供する意思はありません。ただ、私が心配するのは、JR東海から、村から、そして住民から「あなたが土地を提供しないから迂回路ができない。だから、ダンプは小学校や保育園の前を通るしかなくなったじゃないか!」との不満をぶつけられないかです。

 だがこの件に関して、久美さんは土地を提供するつもりはありません。

「なぜなら、本格着工されていない今ですら、既に実害が出ているんですよ。そんな状態で土地を提供する意味がありません」

 元々、迂回路は、河川敷のなかに道路を造るのではとの案が有力視されていました。
 だが、もし前島家がこのままNOを言い続けるのであれば、そちらにまたシフトするかもしれません。

 久美さんが言った言葉で気になるのは「着工されてから、もう『反対』と言えない空気が村にある」ということ。
 田舎の場合は確かにそれはある。

 前島家と村のやりとり2←前島久美さんと大鹿村の村長とがこの件で交わしている文書の一部。村長の手紙からは何が何でも前島家の土地が欲しい気持ちが伺える。


●土地は売らない!

 本ブログで書きたいことがたまっております。中には3月上旬に訪ねた阿智村の後編もあるのに、まだ整理できていない。
 まずいとは思いつつ、本日は、リニアの車両基地が建設予定の神奈川県相模原市緑区鳥屋の近況を。

パーティーのお知らせ


 4月8日、鳥屋の某地区で、市民団体「リニア新幹線を考える相模原連絡会」の主催で「花見パーティ―」がありました。
 とはいえ、当日はあいにくの小雨。 テントを設営して、リニアに関心を寄せる有志のギター演奏やバンドのライブ、はたまたリニアの替え歌などが披露され、なかなか楽しめるものでした。

ロス・アルパカス←非常口ができる相模原市藤野区でバンド活動を続ける「ロス・アルパカス」。

 このパーティ会場となったのが、そこに住むKさんの敷地です。
 敷地と言っても、そのとちはまさしく見渡す限り。
 そして、この敷地に車両基地建設予定地がかぶると予想されています。

見渡す限りKさんの土地 鳥屋のKさん←見渡す限りKさんの土地。といっても、実際はこの10倍以上もある。写真の奥に車両基地が建設される。

 このパーティーには、鳥屋ですでに土地トラストを始めた栗原晟さんも来ていましたが、Kさんが鳥屋での二人目のトラスト運動を始めるかどうかはまだ定かではありません。

 ただし、Kさんは私にこう語ってくれました。

「ここは私の大切な土地です。茶畑だってあります。小学校の子どもが体験学習に来るほどに大切な場所。私は誰が来ようと、土地を売るためのハンコは押しませんから」

 どんな開発行動にも、必ず少数であれ、それに異議を唱える人が出てくるものです。
 ただし、少数がゆえに、ここの場合は、土地収用を担う神奈川県、鳥屋でJR東海と協議をしてきた鳥屋地域振興協議会、そしてたった一軒がハンコを押さないがために、なかなか進まない開発にいら立ちを覚える地域の人たちと、Kさんは対峙することでしょう。 その精神的支援のためにも、相模原連絡会のように外部からの支援者は必要な存在です。


●栗原晃さんの話

 鳥屋で土地トラスト運動を展開する栗原晟さんについて、このブログに登場した初期は、匿名Aさんで記事を書きました。
 そのなかで、以下のことを書いています。(Aを栗原に書き換えます)

ーーここからーー

 (山林を所有する)栗原さんは数年前に、神奈川県に「この山を『水源協定林』として契約できないだろうか」と相談にいきます。
 神奈川県では、手入れの行き届かない森林に対して、水源かん養機能を図るために、県(または市町村、森林組合等)が森林所有者と森林の整備を目的として契約をする事業があります。
 その一つが、「水源林整備協定」であり、これは、所有者から土地を借りて県が森林整備を行うというもの。しかも、面積に応じた賃借料が毎年支払われるので、地主にとっては悪い話ではありません。
 鳥屋は神奈川県の水がめでもある宮ケ瀬ダムのすぐ近くに位置することから、大切な水源地であることは間違いなく、栗原さんはこの話がすぐにでもまとまると予想していました。
 ところが、栗原さんの土地の地下をリニアが通過するかもしれないと知った県は、契約を締結しないことをAさんに告げます。
 つまりは、リニアが地下を通過することで、水源の涵養機能は失われる可能性が高い以上、協定は結べないし、逆に言えば、協定を結べば、水源を枯渇させる恐れのあるリニア計画の推進にブレーキがかかる。おそらく、県は後者の理由を意識したのでしょう。

ーーここまでーー

 さて、4月8日のパーティで栗原さんはその件で以下のように、もう少し詳しく話してくれました。

「水源林整備協定の申請で、県の合同事務所に行って、私は『リニアはこの森林造りとそぐわないけど、どうするのですか?』と尋ねました。すると担当者はあっさりと、『公共事業が優先されます』と答えました。その後、自宅に『リニア計画に該当する地域での水源林整備協定は中止します』との通知が来ました」

 その通知、見たい。ということで、見つかれば拝見させてもらえることに。


●外からの支援は大切だ。

 それにしても、私が知りたいのは、同じ車両基地ができる岐阜県中津川市では、何かしらの異議を唱える住民が現れているかどうかです。2月の時点では、懸念は示しているが、それを行動に移す住民はいないとの情報は得ています。

 リニア計画を巡って「懸念」を示す住民はそれこそたくさんいます。
 でも、懸念を示す住民のほとんどは懸念の表明だけで終わり、自ら行動することや、もしくは外部の組織がその意向を汲んで共に活動することはほとんどありません。
 このあたりはリニアを巡る市民運動の課題です。
 
いずれ、Kさんにはゆっくりと話を聞きに伺う予定です。

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●二つの事実誤認のお知らせ

 事実誤認をしておりました。
 ここに訂正をしなければなりません。

  私はたまにリニア中央新幹線計画についての講演を行い、そのたびに最新情報を盛り込んだレジメを作ります。
  そこで絶対に外さない情報の一つが、山梨実験線における「水枯れ」の事実です。その最初に登場するのが、

山梨県大月市の朝日小沢地区の簡易水道の水源が枯れた事例です。

 こう書いてきました。

★1999年9月に枯れた。JR東海は代替水源として井戸を掘り、水をくみ上げる電気代30年分を補償した。

 ところが、最近、1990年代後半に山梨放送がリニア問題についてシリーズで放映していた「浮上10センチの未来」を見直してみると、2つの点でそれが間違いと気づきました。正しくは以下の情報です。

▲枯れたのは1994年9月。
▲JR東海が行った補償は「20年分」の電気代。


 なぜ、こんな間違いをしたかというと、私がこのビデオを見たのが1999年であり、その年号がいつの間にか頭に刷り込まれていたことと、JR東海が補償の拠り所としている国土交通省の通知「公共事業に係る工事の施工に起因する水枯渇等により生ずる損害等に係る事務処理要領の制定について」に、

★①生活用水の場合
 (補償期間は)おおむね30(年)を限度とするが、将来の水道等の整備計画が見込まれる地域にあっては、当該整備計画等を考慮した年数とする。


 と書かれているように、その「30」という数字だけにとらわれていたからです。
 この補償期間は30年間ではない。「最長で30年間」ということです。

 こんな基本情報を今まで見逃していたことを反省するとともに、ここに訂正としてお知らせいたします。

●朝日小沢地区は今どうしているのか?

 と、ここで当然抱く疑問は、朝日小沢地区は今どうしてるのかということです。
 1994年に水枯れして、補償期間が20年であれば、もう3年も前の2014年から住民は自分たちで水の確保をしなければならなくなっています。
 どうしているのか?

 1999年に山梨県を取材したときに関係者から集めていた連絡先などを整理した資料を漁ると、この朝日小沢地区の住民の一人だけ電話番号が分かりました。

 名前は出さないとのお約束なので、仮にAさんとしておきます。私との電話のやり取りを中心に、現状を説明します。

 朝日小沢地区では、近くの九鬼山でリニアのトンネル工事がある前に、JR東海から地区に事前説明として「沢に影響があるかもしれない」との情報は得ていました。ただし「枯れる」とまでは説明していなかったようです。
 ところが、1994年6月に九鬼山のトンネルが貫通すると、8月から水源の沢の流量が徐々に減り始め、9月にはまったく枯れてしまいました。これに当然、朝日小沢地区(16世帯)は驚くわけです。
 
Aさん「JR東海の職員は理屈っぽくって、現状を知ろうとしない。全然現場に来もしないで、最初は『そんな水枯れなんてありませんよ!』と言っていた。俺らの沢が枯れると、当然、俺らはJR東海の事務所に行って『とにかく現場に来い!』と言ったら『水は枯れないはずですが』と返してくるので、『そんなこと言ったって、飲み水がないんだから、とにかく行ってみろ!』とけしかけたんだ。そして、実際に現場で水枯れを見たら、JR東海は泡を食っていたね」

――それでJR東海はどう行動したのですか?

「人間、水がないと生きられない。JR東海は、応急措置として、タンクローリーで水を運んだ。それから、本格的な補償として沢に5本くらいの井戸を掘って、地下水を電気でくみ上げるために5馬力の水中ポンプを設置した。そして、20年分の電気代として、1000万円を地区に払った」

――補償は20年分ということですね。

「そう。俺らはその金を大切に使おうと、貯金して、その利子でやりくりしようとしたが、金利が低くて無理。そして、井戸から貯水タンクまでは600メートルも離れていて、高度差も110メートルあって、なかなか水が上がってこなかった。電気代だけで月に5,6万円かかった。そのうち、ポンプがいかれ、5年もたたずに使い物にならなくなった」

――そこでJR東海に何かの要請は?

「1000万円もらった時点で補償は完了。あとは自分たちでやらなければならない。JR東海に何かを頼むことはもうできません」

――では、5年目くらいから、自分たちで策を考えたのですね。

「だから俺らは必死に考えた。水なきゃ生きれないから。で、まだ貯金があるうちに、元々水が出ていた山の高いところに自分たちで井戸を掘って、新しい1馬力のポンプを買って、それで水を確保した。幸いにも技術の進歩で、今は設備がいいからね。貯水タンクがいっぱいになれば電源が自動的にオフになり、水が1メートル低くなれば、自動的にオンになって汲み上げを開始するので、今では、電気代は1カ月で4000円から5000円で済んでいる。ここの地区は16世帯なので、1世帯あたり月に300円ちょっとの出費で済んでいるのが何よりだ」

 上記、国交省の通知を読み返すと、「(補償期間は)おおむね30(年)を限度とするが、将来の水道等の整備計画が見込まれる地域にあっては、当該整備計画等を考慮した年数とする」とあります。さて、朝日小沢地区が、この「将来の水道等の整備計画が見込まれる地域」であったのか? 私は簡単な質問をしてみました。

――水が枯れた当時、大月市は朝日小沢地区に上水道を敷く案とかはもっていなかったのですか?

「ここは山奥なので、市の上水道は敷いてくれません。本来なら簡易水道にも市がいくらか補助してくれるのに、それもしてくれない。申請しても、水道組合が16世帯しかないので、小さすぎるからとの理由でだめなんだ」

 そもそも、なぜ朝日小沢地区で補償期間が『30年』ではなく「20年」という数字が割り出されたのか。そこは今後知りたいところです。

――今、枯れた沢はどうなっているのですか?

「枯れた沢は何本もある。なかには、時間が経って流量が復活した沢もあれば、未だに復活しない沢もある。復活といっても流量ははるかに少ないですけどね」

 ついでながら、話が、先日に本ブログで書いた実験線での残土に及ぶと、大月市内の山間の土地を残土で埋め立てて田んぼにした農地では、そこそこのコメの収穫があることから、それだけはメリットだとAさんは評価しています。
 そういった「有効利用」のデータの一つ一つは入手したいところです。それで初めて、残土全体の何%が有効利用されたかが分かりますので。


●そういえば補償期間は「30年」との説明だったろうか?

 JR東海の環境影響評価書には、水枯れの場合の補償期間は「30年」と書いていません。ただ、「万が一補償が必要な場合は、(上記、国交省の通知の)『公共事業に係る工事の施工に起因する水枯渇等により生ずる損害等に係る事務処理要領について』に基づいて補償を行う」と書いているだけです。
 30年はあくまでも「最長」の場合です。
 そういえば、住民説明会では、JR東海はこの件で「30年」と言っていたかな? それとも、やはり、「補償は、『公共事業に係る工事の施工に起因する水枯渇等により生ずる損害等に係る事務処理要領について』に基づいて行います」との説明だったかな? 取材ノートを見ればいいのだけれど、後者だとすれば、水枯れへの補償は『30年』ではなく『20年』にもそれ以下にもなる可能性があるということです。

 今後、リニア工事が本格化すれば、多くの地域で否が応でも直面するのが水枯れです。
 今一度、そうなった場合の補償期間をJR東海から具体的に確認するのが必要かと思います。

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●フリージャーナリストはつらいよ、その2

 先日、ある週刊誌(仮に週刊A)に「貴誌には、今のままの条件ではもう書きません」と伝えました。
 週刊Aは、毎週、社会問題、政治問題、環境問題、人権問題と正面からガツンと特集を組み、読者からの評判もなかなかいい媒体です。
 私は1989年からフリージャーナリストをしていますが、以来、取材を基にした執筆だけで食べています。しかし、発表の媒体が徐々になくなっていきました。休刊した雑誌だけでも、講談社の月刊「現代」、朝日新聞社の「朝日ジャーナル」、読売新聞社の「週刊読売」、集英社の「月刊プレイボーイ」等々がありました。
 加えて、週刊誌や月刊誌の売り上げが落ちるにつれ、どの雑誌もできるだけ多くの記事を入れようとする結果、それまで4~5ページ載せてくれた標準掲載ページが2~3ページとなる、高齢者のために文字を大きくする(文字数が減る)、雑誌によっては基本的に経費が出なくなるなどの条件に変わるなど、ますます条件は厳しくなっています。
 そこで採るべき方法はただ一つで、土日も夜もひたすら働くことしかありません。私はここ何年間、テレビでプロ野球の試合を見たこともなければ、友人と飲みに行くことも激減しています。
 それでも自分の伝えたいことを多くの人に伝えてくれる媒体に書くことは必要でありました。しかし、もう限界だと思いました。

 週刊Aは、原稿料がだいたい3万円前後。
 私の取材は、9割がた、私が出した企画が通ってから、取材経費を出してもらい取材に出るというものですが、週刊Aは、どちらかというと、向こうから「書いてほしい」との依頼が多いです。年に6回くらいは書かせてもらったでしょうか。
 しかし、仮に、1泊か2泊を要する取材なら、事前の資料集め、取材後の事後情報収集、下書き、編集部とのやり取り、清書と、印刷に回るまでざっと4,5日はかかる計算です。
 5日かけて3万円。
 原稿料には以下の三つがあります。

1.生活に余裕のできる原稿料。
2.なんとか食いつなげる原稿料。
3.やればやるほどに赤字になる原稿料。

 週刊Aは「3」です。
 そして、週刊Aに留まらず、環境問題や社会問題をタブーなしとして掲載する媒体はそこそこにあるのですが、じつは、そういった問題に敏感な雑誌ほど、ライターへの支払いは安すぎる。 週刊Aに留まらず、市民運動では有名な週刊Bもやはり、そうです。
 問題は、それら媒体が、自分たちが内包するブラック企業的な側面を実感していないことです。

 私は、週刊Aに「ギャラを倍に上げるか、掲載ページ数を増やさない限り、もう書きません」と担当編集者に伝えたら、編集者からは、記事を組むときは、編集部よりもっと上の部署が全体の予算を組み、そこから制作に必要な経費(旅費、デザイン会社への支払いなど)が確定し、ライターへの支払いはその残った額で払うとの制度になっている、との説明がありました。つまり、原稿料は「引き算」で決まっていたことが分かりました。
 ブラック企業では、社員への人件費は「節減すべき経費」です。
 出版社にしても、外部ライターへの原稿料は、やはり「経費」の一つに過ぎないのです。
 しかし少なくとも、人権や社会正義を訴える媒体であれば、媒体を支える外部ライターの原稿料も「最低でもこれだけ払う」という予算を組み、全体の予算を工夫すべきですが、その意思がない以上、週刊Aと関わるのはよそうと決めました。

 雑誌が売れない時代に、わがままをいうなとの声も聞こえてきそうです。だが引っかかるのが、売れない売れないと言いながらも、出版社の社員にはベースアップがあるのに、外部のライターには実質の賃下げを強いていることです。
 ただ、日本の風土なのか、こういったお金にまつわることは、編集部からも説明がないし、ライター側も「尋ねてはいけない」といった一種の奥ゆかしさでもって、説明を求めません。
 これもよくない。今後は安い原稿料には「安い。それでは生きていけません」と声をあげるしかないと思っています。

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2017/04/15 11:11 未分類 TB(0) コメント(0)
 
 一昨日発売の週刊女性に、マイナンバー制度の発足から1年が経って、果たして役に立っているのかを検証する記事を出しました。このなかでもっとも読んでもらいたいのが、行政手続きのスリム化と謳われながら、結局は税金の無駄使いになっている事実です。

 文中では、福島県いわき市の狩野光昭市議会議員のコメントを使わせていただいた。こう書きました。

「今年2月、議会でマイナンバーへの反対討論を行った。いわき市での個人番号カードの公布率は6・6%にすぎません。17年度いわき市一般会計予算でのマイナンバー関連事業費は約1億円(うち、市の一般財源からの支出は約4000万円)。このうち、個人番号カードによるコンビニでの証明書交付事業費は約2836万円(同、約2300万円)です。そのコンビニでの証明書発行枚数は本年1月末現在で470件なので、1枚あたり6万340円となります」
 これは誰が見ても、行政の手続きの簡素化以前に、税金の無駄遣いだ。だから狩野議員はこう強調する。
「マイナンバーの関連財源を、市民が求める、医療・介護・教育・福祉サービス等の社会関係サービスに配分する必要あると考えます」

 おそらく、他の自治体も似たり寄ったりなので、自治体の議員で同様のデータをもっている方は是非情報提供をしてほしいと願います。

 また、いわき市は個人番号カードの公布率が6・6%だが、全国平均でもやはり8%と極めて低い数字です。
 このままでは、あの「住基カード」の二の舞になるのは間違いなし。

 そこで、政府が今、無理やりにでも私たちに「個人番号カード」をもたせようとしている策は、「健康保険証」と一体化することです。
 個人番号カードの所持は義務ではないけど、これをやられると、さすがにたいていの人はもちますね。私も。

 健康保険証と一体化するということは、私たちの医事情報(隠しておきたい病歴や治療歴やカルテ等々)を保管している医事コンピュータとマイナンバーがつながるかもしれないことを意味するだけに、もっと関心をもたれてもいいのに、1年も経てばなかなか慣れてしまったというか、関心が薄れているのが実態ですね。

 記事のなかでは、では、個人番号が社会の隅々まで徹底されている韓国で何が起こったかの一例も書きました。
 書店に売られている最中で、さすがにその情報は出せないので、よければ立ち読みを!



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2017/04/13 12:29 マイナンバー TB(0) コメント(0)
リニア取材のカンパのお願い
 リニア中央新幹線の取材範囲は、東京都から愛知県までと広範囲で、多大な取材経費を要することから、数十組もいる会うべき人たち・組織の多くに会えないでいます。また、リニアに関する記事を書こうにも、ほとんどの雑誌はJR東海が広告主であるため、記事を掲載できず、取材するほどに資金力が落ちる状態が続いています。今後は、再び単行本の発行を目指しますが、私のリニア中央新幹線に関する取材へのご寄付をお願いできないでしょうか?  カンパをしてくださった方には ★ブログに記事を掲載する際のお知らせ。 ★雑誌に記事を載せる場合の、掲載誌送付。 ★単行本を出した際の、一冊謹呈。  など、せめてもの特典を用意いたします。  なお、いただいたカンパは以下の用途に限定します。 ★取材地までの往復交通費。 ★取材地での宿泊費。 ★リニア中央新幹線に係る資料代。  食費は自己負担としますが、使用明細は公開します。  ご協力いただける方は以下の口座への入金をお願いいたします。  みずほ銀行・虎ノ門支店・普通・1502881 カシダヒデキ  ご入金に際し、ご住所や連絡先などを教えていただけたら助かります。どうぞよろしくお願いいたします。
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必要か、リニア新幹線
リニア中央新幹線の問題点を『環境性』『技術性』『採算性』の3点から理論的、実証的に解説した一冊。リニア計画の入門書。
リニア新幹線 巨大プロジェクトの「真実」
リニア中央新幹線を巡る問題を語らせては、その理論に一部のすきも見せない橋山禮治郎氏の第2弾。このままでは,リニア計画とJR東海という会社は共倒れになることを、感情ではなく、豊富なデータを駆使して予測している。必読の書。
自爆営業
国会で問題にされても一向に改まらない郵便局の自爆営業。年賀状1万枚、かもめーる700枚、ふるさと小包便30個等々のノルマはほぼ達成不可能だから、ほとんどの職員が自腹で買い取る。昇進をちらつかせるパワハラや機能しない労組。いったい何がどうなっているのか?他業種の自腹買取も描いている。
アキモトのパンの缶詰12缶セット
スペースシャトルの宇宙食にもなった。保存期間は3年。しっとりおいしい奇跡の缶詰。24缶セットもある。
共通番号の危険な使われ方
今年10月に全国民に通知され、来年1月から運用が始まるマイナンバーという名の国民背番号制度。その危険性を日本一解かり易く解説した書。著者の一人の白石孝さんは全国での講演と国会議員へのアドバイスと飛び回っている。
マグネシウム文明論
日本にも100%自給できるエネルギー源がある。海に溶けているマグネシウムだ。海水からローテクでマグネシウムを取り出し、リチウムイオン電池の10倍ももつマグネシウム電池を使えば、スマホは一か月もつし、電気自動車も1000キロ走る。公害を起こさないリサイクルシステムも矢部氏は考えている。脱原発派は必見だ。