●盛り上がった日本人妻たちのオフミーティング。 5月8日。「夫(仮放免者)の在留資格を求める日本人配偶者の会」の4人の日本人妻たちが会合を開いた。といっても、私の取材が許可されたのはその2次会。でも2次会でも女性たちの本音や悩みが、ときに皆で頷き、笑い、「それ私も!」と共感したりで充分に盛り上がった。

そのうち、日本人配偶者のことを記事にするが、これを取材しようと思ったのは、在留資格のない外国人の場合、妻が日本人で、さらに子どもがいれば「積極要素」として、在留資格を得る可能性が高まるはずなのに、実際には在留資格を与えられない人たちが多い。結局は、入管は、それら『積極要素』があったにしても、在留資格を与える気がない…ことをあぶりだしたいのと、こんな私の記事でも世間が少しでも関心を向けることで、入管に「この問題は無視できない」との意識づけをしたいから。
●非正規社員にならざるを得ない 妻たちにはいくつかの共通点がある。
昨日の4人以外にも数人に合っているが、ほとんどすべてが非正規社員であることだ。

特に、夫がある日突然に収容されてしまうと、そうならざるを得ない。なぜなら、収容されると、面会日は平日の日中に限られるからだ。仮に週に一度の面会でも、1年間なら50回を超える。そんなに多くの有給休暇は取れるものではない。妻たちは仕方なく、時間のやりとりに融通の利く、だが収入が半減する非正規職員に身を置くことになる。
もう一つの共通点は、会社の社員や友人の誰に話しても、在留資格のない夫がいる現実を理解してもらえないことだ。その多くは「国際結婚したら自動的にビザがもらえるんじゃないの」「ダンナは何か悪いことをしたのか」というものだ。誰にも理解されない。
これが同じ在留資格のない、例えば、クルド人なら川口市や蕨市などにコミュニティがあり、互いを理解し支え合うことができるが、日本人妻は日本にいるのに無理解の壁に囲まれ、孤独の日々を過ごしていた。なかには親から勘当される人もいる(もちろん、その逆に、夫の優しさに感激して、応援するお母さんもいる)。
生活は厳しい。借金が膨れる人、ダブルワークをする人、仮放免は就労禁止=「夫婦共働きではない」ので子どもが保育園に入れない人…。
なかにはそろそろ年齢的に大台に乗る人もいて、在留資格を訴えながら、生活維持のためにギリギリまで働きながら、夫をいつまで支えらえるかの不安を抱く人もいる。
問題は思った以上に深刻だ。
だが、会ができたことで、思う存分に話し合える仲間ができたことは一歩前進だ。これをあと二歩も三歩も前に行くのか。長い目でつきあいたい。
←ジャーナリスト志葉玲さんが今年2月に出版した、在留資格なき人々を巡るルポ。
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