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樫田秀樹

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北海道新幹線は有害残土だらけ。加えて度重なる情報隠と工事中断

 11月8日と9日。北海道新幹線の取材に出かけた。これで2回目。
①2年前、札幌市の手稲地区で、急斜面での要対策土(有害残土)の盛土計画に反対する住民への取材。
②今回は、トンネル(斜坑と本坑)の掘削で実際に排出された要対策土の環境汚染問題の取材。取材地は、函館市の近くの北斗市と八雲町。
 2日間で約10工区を回った。北海道新幹線の残土問題は以下のように整理できる。

 1.度重なる要対策土(環境基準値超えの残土)の排出。
 2.要対策土のなかでも飛び抜けて有害度の高い「条件不適土」の排出。
 3.それら情報が住民に隠されているという不透明性。


 北海道新幹線の工事実施計画(新函館北斗駅~札幌駅間)が認可されたのは2012年。以後、函館に近い北斗市や八雲町でトンネル(斜坑と本坑)掘削が始まった。
 2013年11月22日。新幹線を建設する独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」(以下、機構)は北斗市と「北斗市村山地区土捨に関する協定書」を締結。
 これは北斗市の村山地区の民有地(採石場)にトンネル掘削で排出される残土を置くことについてのルールをまとめた協定書だ。埋め立て予定量は約45万立米。(その後、16年8月に93万立米に変更)
 問題はここからだ。
北海道新幹線 北斗市と八雲町の工区地図

●市民への秘匿
★16年6月16日。渡島トンネルからヒ素(環境基準値0.01mg/ℓを超える0.015mg)が検出され、これを機構は市に伝えたが、市は市民にも市議会にも説明しなかった
★17年6月1日。機構と市は「北斗市村山地区要対策土土捨に関する協定書」を締結した。これは村山に、環境基準値超えの「要対策土」を入れるとの協定だ。ところが、これも市民にも議会にも説明しなかった
★18年10月には、北斗市の台場山工区、天狗工区、南鶉工区で条件不適土」が検出された。環境基準値の270倍の2.7mgのヒ素が検出されたのだ。ところが、この事実を住民が知ることになったのは、それから2年後の20年11月12日だった。それまでの2年間、以下のことがあった。
211109北海道新幹線 上ノ湯工区 濁水←八雲町の上ノ湯工区。坑内では少し離れたトンネル現場から白濁した水が流れていた。水はこの下にある沈砂池に溜まり濁水処理されて河川に放流される。ブルーシートの下には要対策土。もしかしたら「条件不適土」かもしれない。

●突然の「要対策土」の受け入れ表明
★19年6月25日。北斗市長が「八雲町で19万立米の要対策土が出ている。八雲でその処分先を確保するまでの間、村山での受け入れを検討したい」と説明。これで議会は初めて、村山処分場に要対策土が運び込まれることを知る。
 しかし、市長は、「条件不適土」の出土については説明しなかった

★9月25日。これを機に、市民団体「新幹線トンネル有害残土を考える北斗市民の会」が発足する。

★10月25日。市と機構は、一般市民を含め約60人への説明会を開催し、要対策土については説明したが、依然、条件不適土の存在を隠した。住民の「要対策土対策が安全と言うなら、八雲の残土は八雲で処理すべき」、「全市民を対象にした住民説明会を開催すべき」と主張したが、機構は「おおむね理解が得られた」として、八雲町からの要対策土受け入れを表明した。

●市民独自の水質検査で基準値超! 機構の調査でもギリギリ値が出たが…。
★20年5月26日。市民の会が村山処分場周辺の5カ所の水と泥を採取し、分析機関に依頼したところ、環境基準値の1.5倍(0.015mg)のヒ素を検出した。この一帯の水系で農業用水でもある大野川へとつながる。これを受け、市民の会は北海道渡島総合振興局に調査を要請。振興局は市に対して調査に要請すると、それを受けた市は機構に調査を要請。機構が9カ所で調査を実施したところ「基準値以下」だった。ところが、そのうちの2か所は基準値ぎりぎりの0.01mgだった。これは問題視されなかった…。
 ちなみに、機構の調査地点は、市民の調査地点とは別の場所で、しかも、市民団体に周知することなく、つまり立ち合いもなく実施された。この姿勢はいかがなものか。

211108北海道新幹線 村山処分場←村山処分場。採石場であるが、おそらく掘り下げた土地の「埋め戻し」ということで要対策土を搬入している。だが水の力に負けたのか、白い残土山の一部は陥没している。その強度はいかほどのものか。

211109北海道新幹線 祭礼工区 条件不適土?←八雲町の祭礼工区。「対策土」との看板がある。

●「条件不適土が出ました」→「それって何ですか?」→「公表できない」→「え?」
★20年8月下旬。南鶉工区で「条件不適土」の出土を機構は確認した。それは「要対策土」のなかでもとりわけ有害性の強い残土を意味する。
★20年9月17日。ここに来て、市はようやく「条件不適土」の存在を公表した。だがーー。
機構が「条件不適土が出土し、天狗工区の仮置き場が4万立米の満杯になるので、新たな仮置き場を設置するまで、トンネル工事を一時ストップさせる必要がある」と説明。だが! 前田治市議(共産党)ら複数の議員が「条件不適土とは何か」と説明を求めたが「第3者委員会で対策を協議しているので、公表できない」と回答拒否
★この後、日本共産党北海道委員会が機構北海道新幹線建設局を訪れ「条件不適土」とは何かの説明を求めたことで、11月12日、機構は市議会でようやく「条件不適土」とは「現在の受入地の基準値の100倍超えのヒ素を含み、溶出量は環境基準の270倍超えという残土(溶出の仕方も異なる貫入岩)」であることを明かし、2年も前から掘り出していたことを認めた。
211109北海道新幹線 上ノ湯工区 条件不適土か?←八雲町の上ノ湯工区で野積みされている残土。

★今、天狗降雨区には、約0.87トンのヒ素(溶出量基準値の270倍)が仮置きされている。約4万立米(満杯)。ヒ素は空気に触れて、雨水にさらされると、「亜ヒ酸」となり、わずか0.1mgで人を死に至らす。つまり、0.87トンとは870万人の死に至らしめる量だ。
211108北海道新幹線 天狗工区 条件不適土←木々に邪魔されて判りにくいが、ブルーシートに覆われているのが、870万人を致死させるだけのヒ素が混じる「条件不適土」

★21年3月 北斗市は市有地である「柳沢」に「条件不適土」の仮置き場を設置し、最終処分地が決まるまでの2~5年ほどとの限定で、受け入れを開始した。
北海道新幹線 柳沢に条件不適土の新聞記事

211108北海道新幹線 柳沢処分場 条件不適土


211108北海道新幹線 柳沢処分場 条件不適土2←北海道新幹線の線路脇にある柳沢地区。これは本当に「仮」置き場なのだろうか。

●工事中断は3回。

 北海道新幹線の北斗市での工区は、これまで3回の工事中断を強いられている。すべて、環境基準値超の重金属が検出されたことが原因だ。
★①20年9月17日に、機構が「条件不適土」の存在を公表すると、それを受け、10月15日から21年3月まで掘削工事は中断。
★②21年5月。機構が村山処分場近くの7地点での地下水調査で、環境基準値0.01mgのセレンが、その1.1倍の0.011mg検出。6月1日から村山処分場への、6月9日からは柳沢仮置き場への残土搬入を中断した。台場山工区と南鶉工区の掘削も中断。
 村山には、溶出基準値の2.7倍超のヒ素や6.1倍超のセレンを含む要対策土を積み上げているが、8万立米をもちこんだところでの検出だった。
★③21年9月22日。再び、村山で1.1倍のセレンを検出。残土搬入も掘削工事も、雪解けの22年春まで中断と予測されている。
 市はこれまで、「専門知識を有する第三者委員会が安全かつ適正との評価をしている。水質検査の値が環境基準を超えることはない」と安全を断言してきたが、それが崩れた結果と言える。

●危険な村山処分場。
 北斗市の村山処分場は、地元のY社が運営する採石場だ。
 採石場は、採石の結果、土地を掘り下げてしまった場合は、場内にある土砂で埋め戻さねばならないのだが、そういう土砂がなければ、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の適用を受け、外部から土砂をもちこむことが一般的だ。だが問題は、閉山後の土砂管理だ。採石法では、採取場の閉山後は、2年間は、調整池などの貯水・排水施設を維持管理しなければならないと定めているが、これは逆に言えば、2年間だけ管理すれば、あとは放置してもいいということだ。

 これと共通する動きがあるのが、リニア中央新幹線の神奈川県の工区で排出される残土のうち約127万立米を閉山間際の鉱山の斜面に積み上げる現場だ。目的は採石場に上のほうに残っているわずか1.3万立米の岩石を採取するために、リニア残土を高さ60mに積み上げて作業路を作るというのだ。それについて書いたブログはこちらです。

 59万立米もの要対策土は、2年間の管理だけで、周辺環境を汚染しないのだろうか?

●八雲町での環境汚染
 これについては後日書く。
 ただし、今回の取材のガイドを務めてくれた市民団体「流域の自然を考えるネットワーク」のメンバーの稗田一俊さんの経験を書き留めておきたい。
 稗田さんは魚や動物の撮影を専門とするプロのカメラマンだ(どうりで、流域ネットワークの写真が素晴らしいわけだ)。初めは八雲町の自然にほれ込んで本州から移住したが、今は、その自然の驚異となっている北海道新幹線の残土問題と対峙している。
 今年6月22日朝6時。稗田宅に釣り人が「山崎川が濁っている」と来訪してきた。稗田さんがすぐに現場に直行すると、確かに川に白濁した水が流れ込んでいる。
 稗田さんは、これはトンネル残土に雨水などがしみ込み、出てくる白濁した汚染水を処理しないままで川に流しているのではないかと疑い、すぐに現場を管轄する新幹線の建設現場に直行。「未処理の可能性がある。中の施設を見せてください」と直談判した。対応に当たった職員が電話で責任者を呼んで、果たして、濁水処理施設を稼働していないという信じられないミスを犯していたことが発覚。稗田さんの訴えに北海道渡島総合振興局も機構を指導したことで、その後濁水処理は為されている。
210612北海道新幹線 山崎川 稗田さん撮影←清流にトンネル現場からの濁水が未処理のまま流れている。稗田一俊さん撮影。

 70代の稗田さんの行動力には学ぶべき点が多い。
 正面からの撮影が無理なら、ヒグマが出そうな山道をかき分けてでも現場にたどり着き、シャッターを押す。ドローンも駆使して上空からの撮影をする。そして、工事現場でも、入ってはいけないぎりぎりまで足を踏み入れるが、職員とは決して敵対しない。
 今回の取材で、露骨に嫌な態度をとる職員は一人だけだったが、他の現場では、警備員も、わざわざ説明に出てきてくれた現場担当者も言葉使いや対応は丁寧だった。
 首都圏では、ゲート正面からの写真撮影も許してくれない警備員もいるので、地域性もあるかもしれないが、私は改めて「敵を作らない」運動の大切さを学んだ。
 稗田さん、そして「新幹線トンネル有害残土を考える北斗市民の会」などが心がけているのは、とにかく運動を「科学的」に行うことだ。
 感情論の反対を訴えるのではなく、水質検査など、実地に基づいたウソのない数字を出すこと、現場を定点観測的に撮影し、記録を整理しておくこと。
 今回は問題の初歩を学んだ取材だったが、雪解けのあとにでもまた行きたいと思う。

211109北海道新幹線 野田追北工区 要対策土の山に事務所八雲町の野田追北工区。要対策土。この残土山ができて5.6年になるというが、残土山の中に事務所なのかプレハブハウスが建っていた。

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2021/11/22 01:47 北海道新幹線 TB(0) コメント(0)
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