●リニア裁判、静岡で始まる 1月15日。静岡地方裁判所で、県民が中心となった107人の原告が「県内のリニア工事差し止め」を求めた裁判の第1回口頭弁論が開催された。

←入廷行動
原告団の共同代表の2人が意見陳述に立ったが、茶葉とオリーブを栽培する大石和央さんも、稲作と畑作を手掛ける桜井和好さんも「大井川の水があるから農業を維持できている。もし、JRのリニア工事で水源である大井川の水が1秒に2トンも減ったら死活問題だ」と訴えた。
特にお茶農家ではスプリンクラーや農薬散布に水が必要となるために、各地に200以上の農業用水槽を設置している。その水槽の水も100%大井川の水であるとの説明には説得力があった。

←裁判後の報告集会。向かって左から、大石さん、桜井さん、西ヶ谷弁護士。
私は後日、大石さん宅を訪問。大石さんがなぜ原告になるに至ったかについて、運営する茶畑、管理する農業用水槽などを視察して、近隣農家が大井川の水に生かされているその背景についてを尋ねた。
66歳の大石さんは30歳のときから、「地産地消」と「健康な食べ物」を実現しようと無農薬茶畑と平飼いの養鶏などを営んでいる。だが、10年前の福島第一原発の爆発で静岡県の茶畑にも放射性物質が降り注ぎ、長年の固定客も離れ、同時に、収穫していた茶葉も泣く泣く廃棄した。脱原発運動をしていた大石さん自身がその被害者になったことで、より一層「環境は守らなければならない」と決意。

←平飼いの鶏から採った卵。

←大石さんは茶畑を無農薬で営んでいる。
私はこの訪問で、大石さんが裁判で訴えていた「茶葉栽培農家が経営できるのは、各地に設置された200以上もの農業用水槽があるから」を確認したかった。これを頼むと、大石さんは二つ返事で案内してくれた。
それぞれの農業用水槽には用水組合があり、たまたま大石さんが組合長(持ち回り制)をしていたことで入口の鍵をもっていたのはラッキーだった。

←農業用水槽
水槽はちょっとしたプールくらいの大きさがあり、なおかつ深い時には深さ5メートルもあるという。相当な量が貯められる。
もしJR東海の工事で大井川の水が減ることがあれば、それはこの水槽の水量にもじかに響く。
それを確認できた取材だった。
詳しくはネット記事に書いたので、そちらも読んでください。
https://hbol.jp/238139

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