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樫田秀樹

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●「長期収用」よりも過酷な「終身収容」?
 本人のパスポートで正式入国したのに、「他人だ」とのことで、このままでは生涯、茨城県牛久市にある法務省の「東日本入国管理センター」に収容されそうなスリランカ人がいる。
 同センターの現状については、このFBでも伝えてきたが、21月21日に会ったスリランカ人ダヌカさんのケースは極めて特異だ。

 本人のパスポートで入国したのに、それが出入国管理法違反に問われ、2年間の刑務所暮らしを強いられ、次に入国管理センターに身柄を移され、いつ出られるかまったく判らない状態に置かれている。。
 今まで書いてきたように、管理センターの被収容者には「長期収用」という問題がつきまとう。だが、へたすればダヌカさんは「終身収容」の可能性があるだけに放っておけないケースだ。

 もう少し具体的に説明すると。

●ダヌカさんの半生

●1998年 スリランカ人のダヌカさんは、16歳のとき、Pなる偽名のパスポートで日本に入国。そのままオーバーステイして、10年間働く。
●2008年、オーバーステイと不法就労が発覚し、強制送還される。
 だが強制送還されるにもパスポートが必要だ。
 ダヌカさん曰く「東京入国管理局は不法入国したときのパスポートを真正なものであると前提して」、在日スリランカ大使館が発行したPさん名義の一時帰国用パスポートで送還される。
●つまり、この時点で、日本政府にとっては、ダヌカさんの本名はPさんになった、ということだ。
●2010年。ダヌカさんは、ある会社との打ち合わせのために再来日。このときは、本国で発行してもらった本人のダヌカ名義の正式パスポートで入国した。
 ところが、入国の3週間後、ダヌカさんは警察に連行され、その後、東京入国管理局へと連行される。
 つまり、日本国にすれば、Pさんであるはずの人間がダヌカ名義のパスポートで入国したということだ。
●2011年4月 ダヌカさんは帰国したい一心で入管職員の勧めで裁判を受けたが、結局、「他人のパスポートで入国した」とのことで懲役2年の判決を受ける。そして横浜刑務所に服役。この間、自分の身を守るために日本語を必死で勉強する。
●2012年 スリランカ大使館が、ダヌカさんの身元が確かにダヌカ本人であるとの証明書を出す。だが、
●2013年3月、出所と同時に、ダヌカさんは東京入国管理局に移送され収容される。
●2013年11月 仮放免される。
 「仮放免」とはとりあえず社会のなかで生活はできるが、「在留資格」がないから、いつかは送還されることが前提となる身分を言う。
 ダヌカさんの場合は、本人のダヌカ名義であるパスポートは、日本政府にすれば偽パスポートだから出国に使えない。そして、

●2017年7月 ダヌカさんはPさんとして再収容される。
●2017年8月 ダヌカさんは自身が負った「無実の罪での2年間の服役、入管への収容」という人権侵害から、自分がダヌカであることを証明するための裁判(人身保護請求)を起こす。
●だが、敗訴。

 現在もダヌカさんは「東日本入国管理センター」に収容されたままだ。
 ここで決定的に理不尽なのは

●日本政府のミスを認めたくないからの措置?

●日本がダヌカさんを強制送還しようとしても、それはPなる人物での送還になる。だが、ダヌカさんをダヌカだと証明しているスリランカ大使館がわざわざ偽物のP名義のパスポートを作るはずがない。仮にP名義のパスポートで出国できたとしても、スリランカ側では他人名義のパスポートをもつ人物は入国させない。Pなる人物はスリランカに実在しているから、なおさらだ。

 つまり、ダヌカさんは強制送還すらされない状態に置かれている以上、このままでは「一生」収容書暮らしが待っている。これは、いつかは終わりにしなければならない。
 1月になったら、彼のことを日本でもっとも支える人物に会う予定。
 おそらくは、ここでダヌカさんをダヌカ名義のパスポートで送還したら、それは最初の強制送還(P名義で送還させた)が「日本政府の間違いだった」ことになる。それを認めたくないがゆえの措置なのか? すごいケースだ…。

 ダヌカさんに面会するために面会申請用紙にダヌカさんの名前を書いたら、センターの職員にはこう言われた。
「この人はいるけど、この名前ではありません。別の名前があるはずです」
 私はPさんの名前を追記。そして面会が実現したのだ。

●裁判か?
 
 これまで同センターでは、私は20人弱の被収容者と面会をしてきたが、そのなかでもダヌカさんの日本語はダントツにうまい。
 漢字の読み書きもできる。とにかく、自分を守るために、相当熱心に日本語を勉強してきたのだろう。
 面会室にも民法など法律に関する本をもちこんできたほどだ。
 今、考えられる措置は「裁判のやり直し」、すなわち再審請求だという。
 ダヌカはダヌカである。それさえ証明できれば、ダヌカさんはスリランカに帰れる。
 おそらく、来年あたりに何かしらの動きがある。見放せない。

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2018/12/23 21:55 人権 TB(0) コメント(0)
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