リニア、山梨県で南アルプストンネルの掘削が始まる。ということは、掘り出された残土はどこに行くのか？早川町住民に尋ねてみた

●南アルプス・トンネルの掘削が始まる

　3月14日、ＪＲ東海は南アルプストンネル（山梨県側）の掘削を開始したと発表しました。
　以下、その新聞記事。



●早川町民からの連絡

　そこで気になるのが、今後発生する膨大な建設発生土（残土）をどこにもっていくのかということです。
　それについては、本ブログの2017年11月6日号で簡単な報告をしております。

　そこでは、もう数日以内に残土運搬が始まるとの現地からの情報を書きましたが、その後、計画は1カ月延びて、残土運搬は12月からということになったようです。
　で、今回のいよいよの本丸であるトンネル掘削です。
　ここから発生する残土は約３３０万立米。
　このうち、１２０万立米が、早川町北部と隣の南アルプス市とをわずか5キロでむすぶ「早川・芦安連絡道路」の建設に使われます。

　情報を今一度整理すると

★掘削現場から「連絡道路」建設現場までは、車のすれ違いができない狭い県道37号線を北上するしかない。
★リニア関連の工事車両の一日の最大通行量は９３０台になる。
★宿泊業界（温泉業）は「旅館前で何百台ものダンプに走られては廃業だ」と強い懸念を示している。
★だから、ＪＲ東海は、県道３７号線と並行して流れる早川の河川敷に簡易な舗装道路を建設する。

　そこで、知り合いの早川町住民に、現在、どういう交通事情になっているのかを尋ねてみました。
　以下、その回答です。

ーーここからーー
　リニア関係のダンプカーすごいです。10ｋｍほど車で走ると10台すれ違います。
2年後のピーク時はこの4倍になると思うとぞっとします。私の職場前をダムの砂利
運搬ダンプも走っているので、その数を加えると約20台、県道のあちこちアスファ
ルトはひびだらけ穴だらけです。
　（中略）
　旅館の客の反応が一番心配なのですが、今のところ工事が多いね、ダンプカーが
多いね、程度で胸をなでおろしていますが心配はつきません。
　河川敷の道路はまだ許可が下りないとかで県道を走っています。来月からにな
りそうです。
ーーここまでーー

　現地の変化を捉えるという意味では、こういう情報が入った以上は、その来月当たりにまた現地に行かねばなりそうですが、どうしようか決めかねております。
　早川町は山梨県のなかでも本当に奥に位置していて、私が住む隣の神奈川県から高速道路を使っても片道４時間。昨年１１月３日（祝日）に行ったときは片道８時間かかりました。(:_;)　かといって、この話題を取り上げてくれるメディアはおそらくゼロ。費用もばかにならない。だからこそ、リニアについての再びの単行本も考えてはいるのですが。
　
　南アルプスの掘削の拠点でありながら、そこをウォッチする市民団体もなければ地元住民による住民組織もない。わずかに、計画に懸念を示す数人の住民が私と情報のやりとりをしているだけです。
　もし非定期的にでも同町をウォッチする団体があれば情報の共有も即時的に広範囲にできるのですが、早川町だけではなく、リニア計画沿線には、市民団体でもカバーできない町や村、集落がたくさんあります。
　それぞれの市民団体も頑張ってはいますが、何せ、リニア計画がカバーする範囲が広すぎるからすべての事象をとらえきれないのが現実です。
　だからこそ、私のような者が動き回っているのですが。

●じつは、先日も、長野県中川村にて残土の学習会に参加したり、リニアと同じような大深度工事が始まる「東京外郭環状道路」計画での民事訴訟を傍聴したり、リニア路線から外れているけれど、隣接していることで地下水枯渇を恐れる神奈川県座間市からコメントを取ったりしているのですが、今それをブログに書く時間がありません。
　明日、明後日と締め切りも入っているため、これらについて書くのは来週以降を目標とします。

増補悪夢の超特急
←拙著「悪夢の超特急　リニア中央新幹線」。

リニア新幹線が不可能な７つの理由


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