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樫田秀樹

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●大林組への家宅捜査
 12月8日から9日にかけて、リニア中央新幹線の工事において、大林組が不正入札をしたとの嫌疑で東京地検の捜索を受けた。
 私が詳細を語れる立場にない以上、詳細は地検の捜査結果を待つしかないが、ここでは、すでに報道されたが、多くの人の記憶から消え去った事実を整理したい。

●初めは「入札不調」だった
 『週刊ダイヤモンド』2015年6月13日号に、リニア中央新幹線の品川駅建設工事の入札に関する記事が出た。
 
 入札不調。
 
 リニアの始発駅(終着駅でもある)となるJR品川駅の真下に建設するリニア品川駅の入札には、ゼネコンや準ゼネコンが応札したが、いずれもJR東海の予定価格よりも、各社の提示価格が上回った。という内容だ。

●そして、大林組JVが落札

 そして、そのリニア品川駅(南工区)の入札が決まったのが、2016年10月21日。「リニア品川駅(南工区)」を『大林組』『東亜建設工業』『熊谷組』JVが建設事業者と決まった。
 これは、リニア計画沿線のほとんどどこでもそうだが、入札額は「非公開」。

 週刊東洋経済2015年11月26日号の特集「ここがおかしい!日本の鉄道」では、この契約金額非公表について、ゼネコン関係者の、工区ごとに発注することで「ほかの工区への影響がないようにしている」とのコメントを紹介している。

 ところが一方で、2015年3月27日、JR東海はリニア建設の一部区間(3カ所、延長計約58キロ)の建設事業を独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」に委託し、その基本協定を締結した。
 そして支援機構は、たとえば、2016年8月に「中央アルプストンネル」工区(岐阜県と長野県にまたがる。本線トンネル4・7Km、非常口トンネル0.3Km)の工事に入札をかけ、応札の結果、鹿島建設・日本国土開発・吉川建設JVが建設業者に決まった。契約金額は「137億9599万円」。支援機構は、きちんと契約金額を公表している。

●「リニア計画には参画しません」
 この2015年の11月、私はある準ゼネコンのベテラン社員に会った。
 その社員は「弊社はリニア計画には参画しない。ペイしないから」と語った。
 当時、JR東海の公の表明は「自己資金でリニアを建設する」だった。
 品川から名古屋までの286キロで建設費5兆5000億円を自己資金で賄うのだと。
 だが、この準ゼネコン社員が恐れたのは「5兆5000億円では絶対に建設費は不足ずる。JR東海が払ってくれる契約金額だけでは、その工事を請けおう会社がペイしなくなる可能性がある」とのことだった。
 だから、難しくない工事なら引き受けるが、トンネル工事や、品川や名古屋駅の地下に新たな駅を作るような難工事には間違っても参画しないとその社員は言い切った。

 そしてこう言った。

「おそらく、ゼネコンは、あらゆる手を使って国から金を引き出す方策を練っているはず。彼らもまたJR東海だけのカネで十分なカネがもらえるとは思っていないから」

●そして財政投融資
 そして2016年6月1日、安倍首相が品川・名古屋のリニア建設に3兆円の財政投融資の投入を表明。そして、金融機関でもない「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」にJR東海への融資機能を持たせるための法改正案についての審議を衆参両院の国土交通委員会で行ったのが2016年10月26日と11月10日。本会議でも法改正案が通り、11月に法改正が成立、そして11月下旬に第1回目の融資が行われ、2017年7月までに3兆円がJR東海に融資された。
 
 2017年2月時点で、18カ所の工区でJR東海と支援機構はゼネコンと工事契約を結んでいるが、このうちの13カ所が2016年6月の安倍首相の表明以来の契約だ。
 今回話題となった大林組でいえば、リニア品川駅の工事業者に決定したのは2016年10月21日。衆議院予算委員会で、「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」からJR東海への融資を可能にする法改正が話し合われていたわずか5日前だ。

 ゼネコンの動きは、カネが無尽蔵に投入可能な財政投融資の導入に安心しての流れなのだろうか? 憶測は書くべきではない。やはり、ここは東京地検の捜査結果を待ちたい。

リニア新幹線が不可能な7つの理由


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2017/12/10 00:29 未分類 TB(0) コメント(0)
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