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 2ヶ月ぶりに福島県飯舘村に行きました。
 かつて6200人いた村は、ほとんどの住民が今避難をして、牛は一頭もいず、田んぼや畑も雑草だらけの風景に変わっていました。
雑草の大地


 これは記事にする予定なので、ここであまり詳しく書けませんが、概略だけ書きます。

 毎時113マイクロシーベルト。
113μsV

 通常の2200倍もの放射線を測定したのは、飯舘村のなかでもっとも放射線が高いとされている長泥地区、その長泥の中でももっとも放射線が高い曲田(まがた)地区です。

 測定したのは、雨が落ちてくる軒先下の地面です。

 飯舘村のこのスーパーホットスポットに住むのは、このブログでも紹介した酪農家の田中一正さん。

 田中さんはかつて40頭の乳牛を飼っていましたが、原発事故で村が放射能汚染され、牛乳が出荷停止されると経営難に陥り、5月末までに、若牛などは一時的に預かってくれる施設に預け、成牛などは屠場に送りました。
 そして本人は、6月いっぱいは栃木県のある牧場でアルバイトをしていたのですが、アルバイトが終わると、自宅の様子を見に飯舘村に戻っていたのです。

 今、田中さんは決めていることがあります。

「これまでの10年間は一人で40頭の牛を育ててきたけど、近い将来は、有志で共同経営するような牧場を作りたい。ええ、福島県にです。ただ、飯舘以外の土地で。だって牛乳を作ったって『あの飯舘のかあ』と業界にも消費者にも相手にされませんから」

 事故から3ヵ月半たってもまだこれだけの放射線を測定できるということは、半減期30年のセシウムが残っていることです。30年経ってもまだホットスポットはあるのかもしれません。

 もちろん、この113マイクロシーベルトの同地点での高さ1メートルでの測定では12マイクロシーベルトにまで下がります。それでも通常の240倍ですが。
 飯舘村役場の前に設置されている放射線測定器でも、7月5日で4.8マイクロシーベルトを記録しています。年約40ミリシーベルトにもなるから、今騒がれている20ミリシーベルトの倍を凌ぐ環境に村は包まれています。

 しかし、菅野典雄村長は「2年で村を再興する」と決めています。
 以下、この決断の背景を整理してみます。

●村は、無人になったわけではない。

 1.9事業所が営業を続けている。

  年20ミリシーベルトを超える怖れがあるため、全村避難を国から促されたが、村長は逆にここに目をつけました。「屋内なら放射線量は低くなる。20ミリにはいかないはず。ある程度の規模で屋内作業中心の事業者なら残せるのでは」
 そして国との折衝の結果、9事業所が営業を継続できるようになったのです。

 ただし、住民は村に住み続けてはいけないので「通勤」するのです。この人数は約550人です。


 2.通勤するためには県内避難しかない。
  
  4月11日に国から「計画的避難区域」の指定を受け、22日から被災証明書を発行してきた村ですが、住民の避難先はとにかく「県内」にこだわってきました。
  なぜか? 答えは簡単で、時々は自宅の様子を見に帰ることができるように、車で1時間の距離に避難させるため。
 そして、上記9つの事業所に通勤できるためです。
 

 3.「飯舘村見守り隊」の発足。

  村では国から予算をもらい、「飯舘村見守り隊」なる、空き家となった家々に不審者が入っていないかなどのパトロールや、今も村に残る120人ほどの高齢者への声がけなどの仕事をする、村の臨時職員を約400人雇用しました。
  これは3交替、24時間体制で村を見回るのですが、放射線を必要以上に浴びないように、4時間は見回り、4時間は事務作業に宛てているようです。

 つまり、9事業所と見守り隊だけで村には約1000人が働いていることになります。
 これに村を去らないと決めている高齢者も合わせると1100人強。

 この3つの政策で「ゴーストビレッジ」は避けたというのが、村の声です。
 そして、9事業所を残したことで、村の基盤を維持し、放射線量が下がっていく今後、2年をメドに住民を戻したいと考えているようです。

 では住民はどう考えているのか?


●事業所は200以上もある!

 6月30日、菅野村長は東京で講演会(主催は構想日本)を行いました。これはニコニコ動画でも生中継され、そこで村長は上記の政策を語ったのですが、これを見ていた飯舘村の住民は「とてもいい話だ」と前置きしながらも、「では、なぜ今まで僕たちときちんと話し合ってこなかったのか。それが悔しい」と語ります。
 Sさんもある事業を営んでいましたが、屋外事業ということで営業継続は認められず、休業と相成りました。
「200以上の事業所がどうなるかですか? わかりません。とりあえずは、義捐金、東電からの仮払金などで食いつないでいる人がほとんどです」
 
 では2年後に帰れると思うのか? これを尋ねるとSさんは「僕は帰らない。20代の僕は放射線には敏感です。まだ半減期30年のセシウムがたっぷりと残っている土地には帰りたくても帰れない」ときっぱりと決めています。

「それに若い人は、さっさと次の仕事を決めると思うんです。そうなるとそこに住み着いてしまうと思います。9事業所だけが残っても村の再興になるのかどうか。また200以上の事業所もどれだけ戻るのか。まったくわかりません」

 とはいえ、Sさんは決めています。
「僕は今福島市内に住んでいるけど、やっとわかったことがあります。村での生活がなんと贅沢なものであったかということです。庭先では毎晩友人とバーベキューして酔っ払う。本当に楽しかった。僕たち若者グループは毎月話し合いを持ちます。そして、これからどうやって絆をつなぎとめるかの方針を出していきます」


●牛はどうなる?

 田中さんのような酪農家は村に11軒ありましたが、今回の件で8軒が見切りをつけ廃業となりました。残りは3軒。田中さんはこの3軒で将来の共同経営ができないかを模索していきます。
 「飯舘牛」で有名な畜産農家の数は今手元に数字がありませんが、一部の牛だけは村外で預かってもらっているようですが、2年後に戻ってくるのかは誰にも分かりません。

 おそらくですが、放射線量が下がったとしても、風評はまだ続いているかと思います。飯舘牛は違う土地での再開となるかもしれません。


●除染できるのか?

 これには二つの課題があります。
 1.田んぼや畑の土の表土を取り除けても、山の土は取れない。どうしても放射線汚染地区は残る。
 2.田んぼや畑の土を除染したとしても、その取り除いた土をどこにもっていくのか? 今の下水汚泥と同様に持って   いく場所がない。

  また、これは私だけではなく関係者が予測することですが、2年後において、福島第一原発は処理の収束どころか、ようやく解体や廃炉が始まるかどうかのときだと思います。

 
 私たちはたいへんな時代を生きることになったとしかいいようがありません。ただ、世の中のすべてのできごとは、そのときどきの経済、地域の活動、政治体制、人の心の変化でどうにでも動きます。
 できることは必ずあるはずです。田中さんやSさんこそたいへんな目に遭っても前へ行こうとしているのです。

 最後にSさんの言葉を紹介します。
「よく、東京の人から『私たちにできることはありますか?』って聞かれるんです。考えても答えは出てこないけど、ただ一つだけある。それは『福島で起こったことを、飯舘で起こったことを忘れないでほしい』ということです」

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2011/07/06 11:34 福島原発 TB(0) コメント(0)
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