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 前回の続きです。

 私は、原発反対もそうですが、「原発計画」にも反対しています。

 なぜなら、「原発ができるぞー」との情報が地域に入ってきたその日から地域が割れるからです。

 管首相が浜岡原発の停止を要求したとき、御前崎市の市長が「市民と原発とは共栄共存している」と強い不満を露にしました。
 これは半分は本当で、半分はウソです。
 共栄共存してきた市民とは、あくまでも原発を推進する側に立っているか、傍観しているか、言いたいことはあるけど言えない市民、いずれにせよ、原発を「是」としている市民だからです。

 はっきりと原発に「NO!」を言ったら最後、その人は地域から排除されます。仕事も回されなくなります。昨日まで仲のよかった人からは挨拶もされなくなります。

 この件で私が覚えているのが、中部電力が三重県の南島町(現・南伊勢町)の芦浜地区に建設計画していた「芦浜原発」計画です。中部電力がその計画を発表したのは1964年。

 この地域は漁業が盛んで、当初はどこの漁協も原発に猛反対をしました。
 
 ところが、1994年、南島町に7つある漁協のうちの一つ「古和浦漁協」が、それまでの「反対決議」から一転、中部電力の海洋調査の受け入れに同意します。
 
 何があったのでしょう? この後、中部電力は「古和浦漁協」と元々推進派だった、紀勢町の「錦漁協」に、「損害補償金」及び「協力金」の名目で15億円(古和浦漁協が6億5000万円、錦漁協が8億5000万円)を支払います。漁協から個々の組合員には、およそ200万とも300万とも言われるカネが分配されました(古和浦は当時、正組合員が215人)。

 つまり、反対決議を翻したからカネが入ったのではなく、カネが入るから反対決議を翻したのです。

 もっと正確に書けば、前年の1993年12月16日、中部電力は、まだ反対派だった古和浦漁協に「原発調査実害保証金」の「前払い金」2億円を預託し、これを希望する正組合員は一人100万円受け取っています。

 とはいえ、この原発計画は、県民81万2335人の反対署名を集めるほどに反対の機運が高く(県民の53%、南島町民の86%が原発に反対。南島町も自治体として一貫して反対)、ついには北川正恭知事が、2000年2月22日の県議会で「計画を白紙に戻すべき」と事実上の反対を表明し、実に36年も経ってようやく建設中止が決まったのです。

 ところが、これでメデタシ、メデタシとはなりませんでした。

 推進派に転じた古和浦漁協ですが、ここには、一貫して原発計画に反対し、カネを受け取らない組合員もまた数多くいたのです。

 この反対派の身に何が起きたのか? 1995年頃、ここを訪問した私は、反対派の人たちから「ここは地獄です」というのを聞きました。

 夜中に何十回も繰り返される無言電話(当時は今のように電話機の着信音量の調整ができなかった)、道で子どもが転んでも、まず反対派か推進派のどちらの子かを確認してから助け起こす、学校の運動会も保護者の席は推進派と反対派に分かれてしまった、仕事が回ってこなくなった…。差出人のない手紙には「今度はお前の番だぞ」との脅迫文、注文もしていない高級ベッドや絵画が毎日届けられる。
 中部電力は視察と称して、住民を豪華温泉旅行にご招待し懐柔することの繰り返し。

 あるキリスト教系の機関紙「京都教区時報1994年10月号」に以下の証言が掲載されています。これが心を打ちます。


●「わしらはもう、われながら人間とは思えんもんになってしもた。人の死ぬのを喜ぶようになったらもう人間とは言えんやろ」。古和浦の漁師さんは言う。
 一貫して反対してきた古和浦漁協は近年金の力で切り崩され、原発推進派に寝返る者が増えた。ついに今年(94年)の漁協総会では30年間守り続けてきた「芦原原発反対決議」は撤回された。

 漁協組合員の一票をめぐって、反対派が死ねば推進派が喜び、推進派が死ねば反対派が喜ぶ。「こんな中で暮らすのは地獄や。人が死んだて聞いたら知らん人でも、ああ気の毒やなあと思うんが人間や。ここでは濃い薄いはあってもみんな親類どうしやのに」。

 芦浜に漁業権を持つのは古和浦と紀勢町錦の両漁協である。古和浦には集中的に金がばらまかれた。連日ただ酒を飲ませる、結婚式、葬式があると金を持ってくる。「原発視察」という名目の招待旅行。漁協総会での票の売買(最近では1票10万といわれている)。

 こうして中部電力は徐々に推進派を増やしていった。飛躍的に増えたのは養殖ハマチの値が暴落した後である。経済的苦境に立たされた漁師が保証金をめあてに次々と推進勢力に呑み込まれていった。推進派と反対派が拮抗するようになると村は二分され、争い憎みあい、兄弟、親せき、友人関係はズタズタに断ち切られてしまった。

 原発計画が来る前は村は平和だったと皆が言う。漁村というものは一つの生活共同体であり、その結束力は非常に強い。誰でも顔を合わせたら声をかけ冗談をいう。そんな仲のよい元気な村であった。

 しかし、今では人々の心は荒廃してしまった。推進派は原発が来ればなんとかなると思っているから真面目に働かなくなり、昼間から酒を飲んでいる者が増えた。祭りも結婚式も葬式も心を一つにできなくて白けたものになってしまった。

 原発は人間ばかりか生物全体と共存できないものであることを反対派の漁師達は見抜いている。
「わしらは昔からこの海で生きてきた。でも海はわしらのもんやない。先祖から受け継いで子孫に残すもんや。わしらに海を売る権利はない。子孫に災いを残してはいかん」。
___________________________________________________


 私は「原発計画」に反対します。結果として原発建設が見送られても、計画をめぐり、人間の弱いところ(借金、跡継ぎがいない、資金繰りの悪化など)をつくように切り崩し策が横行し、仲のよかった住民同士が憎しみ合う。
 これが、青森でも、御前崎市でも、福島県でも起こってきたのです。

 電力会社が新しい発電所を建てるときは、その地域に「電源3法交付金」という、「建設に協力していただきありがとうございます」といった主旨のカネが何年間か落ちてきます。

電源三法とは「電源開発促進税法」「特別会計に関する法律」(旧 電源開発促進対策特別会計法)「発電用施設周辺地域整備法」の3つの法律を指しますが、簡単に書けば、電力会社から徴収した税金を特別会計にプールし、そのカネを発電所を受け入れた自治体に落とすという仕組みです。

 ところが、このカネ、火力発電所や水力発電所ではあまり使われず、ほとんどが原発関連で使われているのです。1995年~2007年の33年間の累計でいうと、9138億円の交付金が使われていますが、うち、原発関連が6251億円と68%も占めています。
 ついで、火力発電所は2499億円と27.3%。水力発電所は353億円と3.9%を占めるだけです。

 小さな町に、ときには町の予算の半分にも匹敵するカネが落ちてくる。ここに目がくらみ、原発を推進する自治体、それを「是」とする住民が現れます。
 民間企業が行う原発建設に「交付金」の名目で、元々は私たちの電気料金が「税金」に姿を変えて使われるのは腑に落ちない話です。

 ともあれ、原発計画を巡り、各地のコミュニティで何が起こったのか。これを今後調べてみたいと思います。

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2011/07/03 23:10 福島原発 TB(0) コメント(0)
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