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●早川・芦安連絡道路の建設が1割だけ始まる。

もう4月の時点での新聞報道ですが・・

 山梨県早川町。
 山梨県側で南アルプスを掘削する起点となる町です。ここからは約329万立米の残土が排出され、評価書によると、その半分に当たる160万立米が町北部と南アルプス市とを結ぶ県道「早川・芦安連絡道路」の建設に使われます。

早川・芦安連絡道路 ←このイラストでいえば、オレンジ色の線が『早川・芦安連絡道路』です。


 つまり、この道路建設が始まらない限り、トンネル掘削も始められない。

 この件、4月1日の山梨日日新聞は以下のように報道しています(概要)。

「山梨県は、4月をめどに着工を決めた。道路の盛り土区間には、11月ごろから残土の運搬が始まる予定。4キロの道路のうち、早川町内の約400メートルの区間で、リニア残土約120万立方メートルを使って盛り土をする。盛り土工事に関する費用約67億円はJR東海が全額負担する。県は4月をめどに、木の伐採など準備工事を始める。今後は約3.5キロのトンネル区間の詳細設計などを進め、総事業費や完成時期を検討する。また、残土を載せたトラックが通る南アルプス公園線は、橋の補強工事も実施する」

 やや、もやもやが残る報道内容だったので、県道路整備課に尋ねてみました。

ーー1月に電話したときは、「測量をしているところ」とのご回答でした。もう測量は終わったのですか?
「はい、終わりました?」

ーー予定ルートに民有地はなかったのですか?
「一件だけありました。補償金を払って用地買収させていただきました」

ーー以前の情報なら、「早川・芦安連絡道路」の事業費は80億円の想定でした。しかし、今回は、早川町側の400メートル区間だけで67億円となっております。残り3・6キロの南アルプス市側の測量と設計と予算はどうなっているのですか?
「じつは、芦安側で予定していたトンネル出口が当初の計画通りにいかないことが判明しました。そこで今、トンネル出口の設計変更をしなければなりません。ですので、測量もまた一から始めていて、どれくらいの事業費がかかるのかも調査中です」

 400メートルの盛土区間で67億円。
 その9倍の3・6キロのトンネル区間ではいくらになるのか。おそらく、合計で80億円を超える? 
 当初は、80億円のうち、県はJR東海の30億円負担を望んでいたようですが、どういう話し合いだったのか、早川側の67億円についてはJR東海の全額負担となりました。

 ともあれ、11月から120万立米の残土が搬入されるにしても、山梨県全体で排出される676万立米の2割。残り8割は、120万立米を搬出している間に順次決めていくのかな。JR東海もこのあたりは全力で急ぐはずですが、そもそも、もしこれが国の公共事業であれば、国が残土の最終処分地を指定して事業にゴーサインが出ますが、民間事業のリニアではそうはならなかった。

 結局最後まで「残土処分については、都県を窓口にします」だけで手続きを乗り切り、事業認可を受けた。
 民間事業であれ、こういった大型事業に対しては、残土処分を確定させてからの事業認可を考えるべきと思うところです。


●拡幅はしません

 どうしても気になるのが、残土を早川・芦安連絡道路の建設予定地に運ぶにしても、そのルートは県道37号線しかありません。この道が北上するほどに細くなる。

早川町の狭い道


 現在、砂防ダム建設などに携わるダンプカーは、無線交信しながら県道の一部膨らんでいる待機所で停車して相手をやり過ごすことで交互通行を可能にしているのです。

 それを今後、一日最大時で930台(往復)ものダンプカーが残土運搬のために走る。

 県道路整備部道路管理課によれば、37号線は、14トン規制しかない22の橋梁を補強するだけで、拡幅の予定は「ありません」といいます。あの狭い道を一日930台ものダンプ通行は可能なのか。
 早川町北部の閑静な山間地には数軒からなる温泉街がありますが、ある旅館の主人はこう憤っています。
37号線を拡幅しなければ、一日中ダンプの渋滞が続き、この静かな環境を目当てに逗留するお客様はもう来てくれない。今、温泉旅館の経営者数人で対策協議会を開催するよう村に要請していますが、まったく相手にされません。このままでは死活問題です

 この早川町には、リニア問題に取り組む住民組織はない。個人的にひそかに外部に向かって声をあげる人はいるが、横のつながりも細い。外部の市民団体も、サポートに入ろうにも入れない。

 以前も書きましたが、早川町は、子育て世代にはありがたい自治体です。教科書はもちろん無料ですが、中学校までの、その教材費、給食費、修学旅行費、医療費はすべて無料。
 その一方、JR東海が事業認可前に開催した住民説明会については町の広報では一切周知しなかった。住民が計画の概要を知ったのは、事業認可後の事業説明会。もう今更声をあげようにもあげられないという背景もあったようです。

 南アルプスの対岸にある長野県大鹿村では、全村的な住民運動はやはりないにせよ、立ち上がっている個人や組織はあるし、道路の拡幅についてはJR東海と幾度もやりとりを交わし、実際、今、拡幅は始まっております。外部の市民団体や地方議員、国会議員も幾度も訪問している。

 今のままでは、どんなに深刻な被害(騒音、振動、排気ガス、粉塵、はたまた交通事故)が起こっても、それでも早川町民は黙っているのかな・・?

 ある意味、不安を覚える地区ではあります。

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