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残念だった国土交通委員会(衆議院)での審議。
ーー「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」法の改正を巡って。ーー

●これが審議か・・。
 10月26日。朝9時半から衆議院国土交通委員会において、JR東海に3兆円もの融資を可能にする「独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下、機構)」法の改正に関する審議が行われました。
 私のブログでもこれまでこの問題に触れてきましたが、簡単に説明すれば、これまで「融資」という事業をしたことがない機構に、JR東海のリニア事業に3兆円もの融資をする実務を持たせるためだけに、機構法を改正しようとするものです。

 午前中は、4人の参考人が自身の意見を10分ずつ述べ、その後、各政党から参考人への質疑応答。午後は、国土交通省や財務省の職員への各政党からの質疑応答で、終了が16時40分。
 予想通りとはいえ、最後は、共産党の二人(本村伸子議員、清水忠史議員)を除いての全員起立で法案はあっさりと可決されました。
 私がこれを傍聴して、なんとも残念だったのは、共産党以外、ほとんど誰もリニア計画やその問題点を勉強していないまま質疑を行っていたことです。
 各自の質問項目は、こちらで 閲覧できます。とはいえ、これに載っていない質問も当然あります。

 たとえば、午後のトップバッターで質疑に立った中谷真一議員(自民)は以下のようにのたまうた。
「私は(山梨県)甲府選挙区です。リニアは県民の夢です。今まで1時間半かかっていた甲府・新宿が15分で移動できます。これは革命であります。7500万人が一時間圏内に住むことになると、北京、ロンドン、パリなどと闘っていける都市圏が出来上がります。(中略)甲府からのリクエストですが、東京オリンピックが開催される2020年までに品川・甲府のリニア部分開通をしてもらいたい。前回の東京オリンピックでは、東海道新幹線も間に合ったのです」
 これに対する国土交通省鉄道局長の回答は、さすがに「難しいです」。当たり前だ。

中川康洋議員(公明)はこうのたまうた。
「地元は三重県です。私は県のリニア中央新幹線建設促進議員連盟に属していました。(中略)リニアとは関係ないが、交通ICカードのキタカとスイカとの双方利用の不可区間がある。ご検討いただきたい
 関係ない!

 伊佐進一議員(公明)。
私は科学少年でした。少年のころ、リニア新幹線を本で見ていた。いよいよリニアが実現する。実現への苦労は何だったでしょうか?」
 子どもじゃないんだから…。

 この審議は近日中に全文が衆議院のHPにアップされるので、ここでその詳細は書きません。
 私が残念に思うのは、推進なら推進で、その理由を明確にしての質疑であるべきだということです。ところが質疑は、本当に「何も知らないから教えてください」という基本的な質問ばかりで、それへの回答も答弁書に従うマニュアル的なものばかりでした。

 あと、北海道出身の私としては、北海道から選出された堀井学議員(自民。元・スピードスケートの五輪選手)が腕を組んだまま寝ている様を見ると「この人は、リニア問題のリの字も知らないまま、関心もないまま、ここにいるのだな」と思ったものです。
 おそらく、あの場にいたほぼ全員がリニア問題の基本の基も知らないまま採決に臨んでいたのです。某自民党議員も机にスマホを置いたまま操作に時間を費やしていたし。
 勉強したうえでの疑問点を明確にしていたのが、唯一、共産党の二人だけだったのは本当に残念なことです。

●それでもわかったこと
 共産党以外の政党はおおむね何の勉強もしていない。これはこれら国会議員へのロビー活動(情報を共有する意味での)をしてこなかった市民運動の課題でもあります。
 とはいえ、基本的な質問への回答でも、なかなか関心深いものもありました。列記します。

★本村賢太郎議員(民進)
質問「私はリニア中間駅ができる相模原市が地元。地元では「リニア工事での建設残土が膨大になることや、リニア走行に74万キロワットもの電気を使うことでの二酸化炭素の排出増が問題視されていますが」

参考人の森地茂氏(政策研究大学院大学政策研究センター所長)の回答
「残土処分は頭が痛い問題です。東京の外郭環状道路の工事でも残土からヒ素が検出され、埋め立て地も不足しています。ただ、今回のリニアではある程度の土捨て場は確保されております」

 これに対して、共産党の清水忠史議員が「残土は26%しか処分地が決まっていません。リニア工事がもたらす負の部分は何でしょうか?」と質問したことに、同じ参考人の橋山禮治郎アラバマ大学名誉教授はこう述べています。
「残土処分は全都県が困っています。元々、JR東海が全部『自分でやる』と始めたプロジェクトなのに、今、各自治体に『やってよ』と言っている。これが公共事業ならアリだが、民間事業者が公共団体に対して『やってよ』は考えにくいです」

 事実は事実としてだけで発言すべきです。森地参考人はいったいどこで「ある程度の土捨て場は確保」などというガセネタを仕入れたのでしょう。

★椎木保議員(維新)の質問
「リニアによる東京以外の地域への影響は?」

 参考人の竹内健蔵氏(東京女子大学・現代教養学部国際社会学科経済学専攻教授)の回答。
「ストロー効果は否定しません。だからリニアをやめたほうがいいとは言えない。東京・名古屋・大阪が一体化して国力を増して、経済効果を上げれば、他地域に恩恵あるはず」

 う~ん…。

★中谷真一議員(自民)の質問
「リニア大阪延伸を8年前倒しでの経済効果は?」

 国交省鉄道局長の回答。
「名古屋までの開通だと年間で5200億円の経済効果が生まれると試算。大阪までの開通だと8800億円。その差は3600億円。大阪延伸を18年待つのと10年待つのとでは、8年前倒しで3600x8=2兆8800億円もの経済効果が増える」

★同議員の質問
「これまで財政投融資で融資した資金を回収できなかったケースは?

 財務省理財局次長の回答
貸し倒れの事例はありません
 これは正しくありません。
 確かに貸し倒れはないかもしれない。だが、旧国鉄は28兆円もの負債のうち15兆5000億円が財政投融資からのもの。この負債は周知のとおり、今、国民の税金で返しています。旧国鉄は貸し倒れではなく民営化しております。
 また「国有林野事業特別会計」という1947年に設置された特殊法人は、国土の約2割を占める国有林を管理・経営するのが業務でしたが、財政投融資からの融資を返済できず、累積負債3兆8000億円のうち2兆8000億円をやはり税金が肩代わりしました。
 そして同特別会計は「廃止」されます。
 さらには、民営化前の「日本道路公団」も約25兆円の負債を抱え、「都市基盤整備公団」(現在の『UR都市機構』)も税金補てんしながらの経営でした。
 
 もしかしたら、国土交通委員会の議員たちは、こんなことも知らないのかもしれない。堀井議員は間違いなく知らないと推測します。

★中川康洋議員(公明)の質問
「3兆円の根拠は?」

 鉄道局長の回答は
「品川・名古屋にかかる5・5兆円の建設費のうち、2・5兆円はJR東海の自己資金で賄えるから(東海道新幹線の収益を充てるということでしょう)」

★黒岩宇洋(たかひろ)議員(民進)
「機構の財務能力は? 現在の人員では、同じ財投機関の『日本政策投資銀行』からの人員配置もある?」

 財務省理財局次長の回答
「機構にも一定能力もつ人はいるが、そういう人(政策投資銀行)もお手伝いいただく」

 財投機関にはもともと「日本政策投資銀行」という金融機関があります。では、なぜ財政投融資を扱える金融機関が、そもそもJR東海に融資を行えないのか? これは以前も本ブログで紹介しましたが、今回の参考人の一人、橋山禮治郎氏はかつては、その前身の「日本開発銀行」に在籍していました。その橋山氏が言うには「政策投資銀行の基本は、民間銀行との協調融資。つまり、担保が必要です。ところが、JR東海にはそもそも3兆円もの融資を受けるのに必要な担保がない。だから、どうしても政策投資銀行では融資ができません。また、政策投資銀行はこれまで一度も兆単位の融資を行っていません。審査も厳しく、融資にも慎重なのです」とのこと。
 つまり、機構を経由して融資すれば、おそらく担保は必要ない、もしくは融資額の一部に相当すればいいということになるのでしょうか。
 いずれにせよ、機構がJR東海に融資するにせよ、その実務の実態は派遣されてくるであろう政策投資銀行の職員が担うかと思われます。

●付帯決議

 これら質疑はじきに全文が衆議院HPに公開されるのでそちらを見てください。
 さて、共産党の2名の議員を除いて全会一致で可決されたわけですが、最後に、4党(自民、公明、民進、維新)による付帯決議が述べられこれも可決されました。
 ちょっと長いですが、全文を引用します。

一 政府は、中央新幹線が民間企業によって推進されるプロジェクトであることを踏まえ、外部からの働きかけによってJR東海における「経営の自主性」が損なわれないよう十分配慮すること。

 →政府の公的資金を融資するのに、それを利用する事業者の事業の在り方に政府は意見をするなということ。過度な介入はあってはならないが、コントロールはすべきだ。

二 政府は、JR東海が独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下「機構」という。)が貸し付ける資金を活用し、中央新幹線における東京・大阪間の開業年度前倒しに向けて積極的に建設を推進できるよう必要な環境整備に努めること。

三 機構は、JR東海が、定められた融資条件に基づき、責任を持って着実に財政投融資資金の償還を行うよう適切に管理すること。

四 政府は、国鉄時代に経営上の重要事項について政治的解決が図られることがあり、その結果として、一部の財政投融資が採算性が不確実な路線の建設等に用いられた過去の教訓を踏まえつつ、インフラ整備に対する財政投融資の活用に際しては、政策的必要性や対象となる事業の採算性を十分考慮すること。

→これは旧国鉄で東北新幹線と上越新幹線の建設に財政投融資を利用したことで旧国鉄の債務が膨らんだことを意味していると思います。ここまで書くのであれば、まずリニア、もしくはリニア+東海道新幹線とで採算が採れるのかの検証が必要です。国会でその検証はなされていない。

五 全国新幹線鉄道整備法に基づく建設主体は、引き続き労働災害の防止をはじめ、工事作業の安全性が十分確保されるよう万全を期すとともに、適宜施工状況の把握に努めつつ、実行可能な工事実施計画の履行に努めること。また、政府は計画の推進に関して、建設主体の安全性確保に係る判断を最大限に尊重しつつ、環境の保全や、安全かつ確実な施工に努めるよう指導・監督すること。

→指導・監督。ここ数年のリニア計画を巡るJR東海の「丁寧ではない」説明に対して国土交通省は指導も監督も怠っていた。大丈夫か。

●11月28日に融資?
 今回、午前中に参考人への質疑応答と、午後が政府への質疑応答を行い、即採決したわけですが、なぜこんなにも急ぐのか。
 伝え聞く情報によると、政府としては、11月28日には機構への融資を行いたいとのこと。そこで逆算すれば、改正法の可決から施行までは最短で1週間はかかることから、11月18日に参議院の国土交通委員会でこの件に関する審議が行われるとのこと。

 でも、機構に融資を行う原資となる今年度分の1兆5000億円の「財投債」はどうなる? 財投債とは、そういう名前の国債があるわけではなく、あくまでも、「xx年国債」といった国債を金融機関(ゆうちょ銀行や市中銀行など)が購入することで財務省が調達した資金から、財投機関(政府系の特殊法人)が必要とする資金を融資してから、後付けで「財投債」を発行したと記録するだけ。つまり、これからすぐに施行しても、財務省の手元に1兆5000億円もを機構に融資可能なのか? 調べる必要があります。

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