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樫田秀樹

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●Aさんからの連絡ーー集落の集会に失望

 どこの地域かはまだ明かせませんが、リニア工事における残土問題に直面している某県の某集落に住むAさんから連絡がありました。

 リニア計画においては、地方自治体の立場は弱い。リニア通過予定の都府県(静岡県を除く)は1979年からリニア推進組織「中央新幹線建設促進期成同盟会」(現・リニア中央新幹線建設促進期成同盟会)の構成メンバーであり、各都府県の市町村もその下部組織として組み込まれていたため(自治体によっては形だけかもしれませんが)、自治体とすれば、積極的にリニア推進するか、リニアを快く思わなくても今さら正面からNOを言えないかの立場でしかありえません。
 とはいえ、リニアに反対はできないけれど、住民の生活を守る義務はある以上、リニア建設工事や営業後のリニア走行から予測できる諸問題については厳しい条件を突きつける自治体があるのもまた事実です。

 一方、住民レベルで見てみると、リニア計画に対して疑念や懸念をはっきりと表明するのは、いわゆるIターン者やUターン者に散見される傾向はあります。

 今回連絡をくれたAさんもIターンの一人。家族で自然のなかでのびのびと暮らそうと数年前に移住してきました。ところがその豊かな自然環境で、もしかしたら、非常口建設により一日最大で数百台ものダンプが10年間も走ることになる。
 当然、地域の関心は高いのかと思いきや「失望」した・・という連絡でした。
 以下、その連絡の概要です。

「先日のリニアに関する集落の集会は、一言で言って『失望』。事態の進展に一縷の望みをかけて発言しましたが、私の思いは何も伝わらなかったみたいです。委員に危機感がなさすぎて呆れました
 私が話したのは、
・長野県大鹿村での説明会を見ると、JR東海が強硬姿勢になっている。
・私たちの村も、時期が来ればJRが工事説明会を開いて「住民理解が進んだ」と判断され、着工されてしまうのではないかという危機感を抱いている。
・私が住む集落では、公の場ではリニアに関して話し合いがされてきているけれど、日常生活の場では話題に挙がることさえない。触れてはいけない問題なのか、関心がないのか。
・工事説明会が行なわれる前に、集落がリニア工事とどう向き合うのか、『これだけは譲れない』という一線を確認しておく必要があるのではないか。

 と訴えましたが、会長が『まだそこまでするには話し合いの材料が少なすぎる』と、結局住民レベルでの話し合いの場がもたれることはなさそうです。この集会の委員は、区長、自治会正副会長、商工会長、住民グループ代表、公募の数名等々で構成されています。子育て世代は私を含めた数人だけで、あとは現役を退いた世代がほとんどです。
 村全体としては集落を置き去りにして、『集落以外の地域に被害がなければ、それで良し』との姿勢がはっきりしてきました。何が何でも残土は非常口からすぐ上流(集落に属する地域)で処理したいようです〔樫田注:そうすれば、残土を下流方向の集落の道路→県道や国道→残土置き場・・へと遠くまで運ぶ必要もなく、それら道々で渋滞問題も起こらず、狭い集落の道の拡幅なども不要となる〕。この状況でなぜ住民たちがもっと怒らないのか不思議ですが、そもそもこれだけ話が進んでいるのに、住民には周知されていないという問題もあります。村が出す情報は、村にとって有利に事が運ぶような形でしか出されないので、地元の当事者なのに新聞報道で成り行きを知らされることが多いです」

 これを読む限りは、集落としての行き詰まり感を覚えます。
 もちろん、先日書いた長野県豊丘村小園地区のように、まとまった住民運動で残土埋め立て計画をJR東海に撤回させた事例はありますが、それは稀有な事例です。

 市民運動と住民運動については、本ブログでも何度か書いていますが、少々整理をすると

●反対運動は、その地域の大多数が反対の場合のみに起こせる。
●だがほとんどの地区では、賛成派も反対派もいる。田舎での近所付き合いの維持のためには、反対運動は起こせない。
●でも賛成派のなかには、じつは何もわかっちゃいないのに周囲に合わせて賛成する人も少なくない。
●Aさんの連絡でもわかるように、問題は、
・正確な情報が届いていないこと。マスコミからも、市民団体からも。
・だから住民が行動をとる以前に怒ることすらできない。

 私はジャーナリストという立場上、紙媒体に記事を書き、ブログを書き、請われれば講演もやります。逆に取材を受けることもあります。
 やはり、まず「知る」ことが第一だと思うから。
 でも、一介のジャーナリストの力はごく限られています。
 
 村や集落に情報を伝えるのは、地域の枠を超えて活動している市民団体の役割だと私は考えます。大雑把に言えばその役割は、
・正しい情報を伝えること(頭で理解する)
・その情報を基に生活がどう変わるかのイメージづけを行う(肌で理解する)
・住民の行動を側面支援する。

だがリニア沿線でこれをどの市民団体がどの程度やっているかは深いところまでは知りません。

●市民運動と集落の住民とをつないだkさんのアナログ活動

 私は神奈川県在住なので、どうしても、神奈川県で活動する市民団体、たとえば、「リニア新幹線を考える相模原連絡会」(神奈川県相模原市)などの動向を気にしています。
 同連絡会は、車両基地の建設予定地の相模原市鳥屋に何度も通い、住民と情報共有を行い、そこで懇意になった住民と共同で土地トラスト運動を実現しました。

 その連絡会の活動で感銘を受けたことがあります。

 それは、鳥屋の近くの寸沢嵐(すわらし)地区。ここは、狭い生活道路を、リニア工事から排出される残土を運ぶダンプが一日数百台も走る予定となっているのですが、2015年夏、住民の一人に話を聞きにいったときのこと。

 住民の多くは、一日数百台のダンプ走行は頭では分かっている。でも、それがもたらす生活破壊をイメージできないでいます。そのイメージづけに一役買おうと頑張っていたのが連絡会のメンバーでした。イメージが持てればリニア計画への姿勢も生まれる。
 その日、私は偶然にも、連絡会の女性メンバーKさんが寸沢嵐の全家屋の一軒一軒にリニアに関するチラシ投函をするのを見ました。地区外の人間がチラシ投函なんかをするのを見られたら、田舎では絶対に「ヘンな人が歩いている」とすぐ噂になります。さらに、うだるような暑さに加え、地区内の他の集落まで数百メートルも離れているような広い地区を黙々と汗だらけになりながらポスティングしていたKさんの姿にはただ敬服しました。
 
 こういう極めてアナログで泥臭い活動が案外と実を結びます。
 リニア問題を完全に理解できないまでも、住民のなかには、チラシを見て、集落外でリニア問題と対峙する人々がいることを知り、たとえば、連絡会が主催する「リニアカフェ」(リニアの問題をざっくばらんに話し合う茶話会)に「チラシを見てきたんですが…」と参加する人もいるのです。そして付き合いが始まり、それがやがて地域の運動へとつながる。
(もちろん活動にはデジタル戦略も必要ですが、それはここでは書きません)

●大切なのは地域
 ただし、リニア計画は、その地域で生きる人たちにとっては、重要課題ではありますが、最重要課題ではありません。
 最重要課題は「生涯、地域の人たちとわだかまりなく仲良く暮らすこと」に尽きます。
 じつは、Aさんも、今の集落が「大好き」と断言しています。Iターン者でも暖かく迎え入れてくれる優しさにあふれた地域だと。だから離れないと。
 だからこそ、もし、集落の狭い道路を10年間も残土運搬のトラックが走ることになれば、一人一人の住み心地、そしてご近所付き合いはどうなるのか。生活環境を劣化させる工事と暖かな日常とが折り合いをつけられるのかは集落の共通課題とすべきなのに、そうはならないことにAさんは多少の失望を味わったわけです。
 
 おそらくは、リニア反対ではなく、Aさんが主張したように「ここだけは譲れない」の一点で地域がまとまるしかないのかなとは思います。
 それが小園のように住民だけでできるのか、はたまた市民運動の助力が必要なのか。
 そもそも、市民団体がAさんの集落と関わりをもつかがなんともわからないところです。

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