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 7月14日19時。
 東京・台東区の「モンベル御徒町店」で、「リニアで南アルプスを壊さないで~登山者大集合」と題した集会が開催されました。
 主催は「リニア新幹線を考える登山者の会」で、昨年5月も「モンベル渋谷店」で旗揚げ集会を行いました。

登山者集会143人←用意した椅子は70脚。その倍の143人が訪れた。

 あのときは110人の参加だったけど、今回は143人。増えている。
 2時間の集会内容のすべてを報告はできませんが、かいつまんで書けば以下のことになります。

●「登山者の会」の目的は、「リニアが南アルプスの自然を壊す」という一点で建設に反対することにある。
 立ち上げ人の一人である宗像充さんは、数少ないリニア中央新幹線計画について記事を書くジャーナリストの一人であり、自身も登山者であることから、2012年にリニアの取材を始めたころから「なぜ登山者が、山の雑誌が、山小屋が、山用品屋が、この問題に声を上げないのか」という疑問から、実際に会を立ち上げたということです。

●「けれど反対と言い切れない」との意見も
 今回の集会では、ゲストスピーカーの発言がなかなか考えさせてくれました。
 「サバイバル登山」(極力装備をもちこまず、食料も自給しながらの登山)の第一人者である服部文祥さんはこう発言したのです。
「個人的にはリニアには大反対。でも、複雑な気持ちをもつ。登山家だって林道やトンネルを利用しながら登山している。その利便性を享受しているのに、リニアには反対と周囲に言い切れない」

服部文祥さん←立って発言する服部文祥さん。

 登山者の会は、南アルプスを開発することへの反対署名を集めていますが、実際その署名を集めてわざわざ長野県からこの集会のために上京してきたという男性は、「(有名な)文祥さんの発言を、長野で待っている仲間たちにどう伝えようかと困ってしまいました」と発言。
 ただし、どんな問題でもそうですが、異なる意見は自分の考えを鍛えてくれる材料という側面も有しています。文祥さんは、ひょっとしたら、意識的にこれを発言した?
 だが、私もリニアを取材してきて感じたのは、じつは従来の新幹線にだって騒音や振動、立ち退き問題などがあった。どの大型公共事業に伴うトンネル工事でも水枯れや異常出水はある。リニアを問題視するのなら、それら問題に関われなくてもせめて関心だけは保有すべきではないのかということです。

 それでも、、こう考えます。
 「利便性を享受しているから」といった文明論にからめとられる必要性はない。確かに、文明は(登山の世界でなら、たとえば、重機を使ってのトンネルや林道建設など)生活を便利にしてきたのは事実だし、それを享受している自分もいるわけです。しかし一方で、何かを犠牲にして、何かを奪ってきたのも事実。要はそれらのプラス・マイナスを総合的に考えて、自分なりの結論を出すことだと思います。
 また、この国が近代国家となってからの開発行為の多くは、国と企業とが主導していて、私たちはそこから与えられる利便性をただ享受していました。同時にデメリットも受けてきました。いずれにせよ、私たちは積極的にそれら利便性とそれらデメリットを求めたわけではない。結果として受け取る立場にいるだけだ。
 そして、大型の公共事業の計画自体に住民が参画するなんてことは近年まであまりなかったことです。実際、住民が大型公共事業のアセスに関して形だけでも参画できるようになったのは、環境影響評価法(いわゆるアセス法)が施行された1997年からというほんの20年前からです。
  そして、ある程度のインフラも整った今、手つかずの自然が残り少なくなってきた今、これからは計画段階でも住民が賛成だ、反対だを自由に積極的に議論して方向性を見出す時代に入らなければと感じています。

 文祥さんは、利便性を受けている一人としての後めたさをやや感じすぎているのかなとも思います。

●黙っていられない!

 そして、文祥さんの次に発言したのは服部隆さんで、南アルプスに根を下ろしている登山家であり、同時に、市民団体「南アルプスとリニアを考える市民ネットワーク静岡」のメンバーでもあります。隆さんは、まさしく、そのプラス・マイナスから考え、自分のホームグラウンドの問題だけに、リニアには個人的にも大反対だし、その主張の拡散にも努めている人です。

服部隆さん←服部隆さん。南アルプスの地図を前に熱演。

★リニアのトンネル工事で、JR東海は大井川の流量が毎秒最大2トン減流するが、JR東海はトンネル内での出水を導水路を使って11キロ下流まで放流しようとしている。では、その11キロの間の水が流れない部分はどうするのか。
★二軒小屋は標高1200メートルだが、1900メートルの乗鞍岳と比較しても空気がきれいな場所。だが、南アルプスを一日400台のダンプが走ることで大気汚染が起こる。山麓の二軒小屋の二酸化炭素濃度は0.001ppmだが、JR東海の工事中の濃度予測は0.015ppmと15倍も高くなっている。

服部隆さん、大気汚染の値←大気汚染について説明する服部隆さん。後ろにいるのが登山者の会の立ち上げ人の宗像さん。

★ここに住む生き物たちには異議申し立てを訴える術がない。その代弁者たちは私たちしかいない。
★JR東海は、大井川減流の燕(つばくろ)沢に360万立米もの残土を捨てようとしている(計画では高さ70メートル×幅300メートル×長さ500メートル)。JR東海にすればゴミ捨て場に過ぎないが、僕らは「山を愛している」だけに承服できない。

 私が同調したのはここです。
 というのは、多くの登山者が愛しているのは、じつは「登山」であり、「山」ではない・・と感じているからです。
 南アルプスに限らず、山の開発に関して、反対の声や、行政や企業との話し合いの声を上げるのは、どちらかというと、登山者よりもいわゆる市民団体です。日本には、自分の人生を豊かにしてくれている山そのものを愛する人は少ないのか。

 リニアに関しても、登山者として堂々と反対や疑問の声を上げたのは、静岡県の山岳4団体(県山岳連盟、静岡市山岳連盟、県勤労者山岳連盟、日本山岳会静岡支部)くらいなものでしょうか? 4団体は、2013年9月10日、「リニア工事で大井川の流量を低下させないこと、大井川源流や稜線に残土を投棄しないよう県知事がJR東海に指導するよう求める」との要望書を県に提出しました。2016年6月にも知事に「残土に含まれる自然由来の重金属などをJR東海がどう処理するのか」といった質問状を提出しています。
 日本勤労者山岳連盟会長の西本武志さんは、今回の集会でこう発言。
「8月11日は『山の日』という(今年から設定された)祝日です。でも、山の日を決めた人たちが山を大切に思っているでしょうか。8月11日、上高地で山の日のイベントに行きますが、その場で、リニアで南アルプスを壊すなという人がいるでしょうか? いないでしょう。私は発言をさせてもらえません」

 勤労者山岳連盟(労山)のHPには以下のことが書かれています。
「労山は早い時期から、日本の山岳自然の各種の「開発」による自然破壊に反対し、30年前から、入山者によるゴミで汚れた山の清掃運動を強力にすすめてきましたが、労山の「クリーンハイク」の愛称は国民的規模で定着しています。例えば99年6月の全国一斉「クリーンハイク」には1万人前後の登山者が参加し、約10トンのゴミを山からおろしました。労山は、新しい視点から、21世紀に向けての課題は「登山と自然との共存・共生」にあるとして、有限な山岳自然を損なわない登山のあり方を探求しようとしています。急増する中高年の山岳遭難や山岳自然破壊など、日本の登山界にはさまざまな問題が山積しており、これらの解決には、山岳団体が課題毎に一致して協力して対応する必要があります。労山はこれまでも多くの課題で、JMA、JAC、HAJ、HAT-Jなどと強力してきましたが、今後も各課題でいっそう緊密な協力と共同が必要で、労山も誠実・真剣に努力してゆきます」

 山の世界をよく知る人に聞いても、「労山は昔から闘う登山者が集まっている」と言いますが、それがよく判る文章です。
 逆に言うなら、同じ山の世界でも煙ったがられている存在かも。だからこそ、上高地でも発言させてもらえないのかもしれません。

 ただし、労山でもこうやって毅然たる態度を示したのは静岡県だけ。今後、他の支部の動向が気になります。
 登山ではなく、「山」そのものを愛する、いやもっと言えば、自然破壊に対して毅然と対峙する登山者はもっと現れてもいいのです。

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