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●『財投機関』には金融機関もある

 昨日のブログで書いたように、財政投融資はあくまでも、政府系の特殊法人である「財投機関」のみに活用される制度です。
 つまり、素朴に解釈すれば、JR東海はこの制度を使えません。

 だが、待てよ。ここを経由すれば、あり得るかな…?

 ということで、財政投融資の管轄官庁である財務省理財局財政投融資総括課総括係に電話をしてみました。

ーー財政投融資が「財投機関」以外に活用されることはあるのですか?
「基本的にはありません」

ーーしかし、今月末に「骨太の方針」に、リニアのため財政投融資の活用を検討するとの方針が盛り込まれます。ということは、「財投機関」でなくても、財政投融資を使える手口があり得ることを示唆しています。
「そうですね。たとえば、財投機関には、政府系の金融機関である『日本政策金融公庫』や『日本政策投資銀行』などがあります。これらの機関は、財政投融資で政府から得た資金(財政融資資金と呼ぶ)を『財投機関』ではない一般国民や一般企業に貸します。可能性の一つとしては、これら機関を経由することは考えられます」

 そこで、財政投融資の2015年度の融資実績を見ると、

★日本政策金融公庫は 2兆8303億円(ただし、そのほとんどは『一般国民』+『中小企業』+『農林水産業者』への融資)
★日本政策投資銀行は   3000億円(その融資先はこちらを参照)

 ちなみに、整備新幹線を建設する「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」は 511億円。

 となっています。

 どちらの金融機関がやるにしても、「名古屋・大阪」間でJR東海が見積もる建設費約3兆6000億円のうち、兆単位の金を本当に融資できるのかは、素人の私には判断しかねるところです。


●財投債だけではないかもしれない

 また、これは本ブログでも書いたことですが、

 自民党の「超電導リニア鉄道に関する特別委員会」(委員長;竹本直一衆院議員。近畿比例ブロック)が2014年4月24日、「超電導リニア新幹線(東京~名古屋~大阪)全線の建設・同時開業に関する決議」を提案し、即日、「東京・名古屋・大阪間で同時開業させるのに必要な財源を国が負担する」ことを決議しています。
 つまり、堂々と「国税」投入を打ち出したということです。

 同委員会は、名古屋・大阪間の建設費3兆6000億円を

▲1 国が無利子融資する。
▲2 併せて、鉄道建設・運輸施設整備支援機構が財投機関債を発行して資金を調達する。国は利子補給をする。
▲3 同機構が名古屋・大阪間の建設をする。
▲4 完成後、機構がその路線をJR東海に引き渡す。
▲5 JR東海が資金の元本部分のみを分割で返済する。返済方法は15年据え置きの20年払い。

 との案をもっていました。
 この案が今も生きているかはわかりませんが、

 ▲1の「国の無利子融資」とは、国税投入そのもの。

 ▲2の「財投機関債」とは、「財投債」とはまた別物でして、財投機関自らが発行する債券のことです。一般企業で言うところの「社債」です。
 財投機関債の発行状況を見てみると、、

 支援機構の2014年度の発行額は「1630億円」。

 そして、

 ▲3では、「機構が名古屋・大阪間の建設をする」と書かれていますが、国交省は、品川・大阪間の建設主体は「JR東海」と定めているので、この説明には整合性が必要かと思われます。

 
 これ以外にも、あれやこれやの方策を自民党や政府は考えているのかもしれない。

 おそらく、具体的なことが分かるのは参議院選以後かと思います。『無利子融資』、『財投債』『財投機関債』でそれぞれいくらの金を工面するのか。JR東海も、銀行、社債をどれだけ発行するのか。

 難しい調整になるはずです。

 だが、いかにリニアが安倍首相の肝いりだからと言って、財務省が兆単位の無利子融資に応じるだろうか? 単年度で1630億円の「財投機関債」(14年度)しか発行していない支援機構が、いったいいくらの財投機関債をリニアのために発行するのだろうか? そもそも買い手がいてこそ成り立つ国債市場なのに、もしかしたら、債券の引き受け手もあらかじめ用意する?(これは単なる憶測です)

 もし、このまま、名古屋・大阪の同時開業への動きが始まったら、国民からも、予定路線周辺の住民からも、省庁内でも、政府内でも、異論が出るような予感を覚えます。
 
 そもそも、JR東海もこれを望んでいるのかもわかりません。
 どちらかというと、自民党と関西経済界が盛り上がっている印象を受けるのです。

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2016/05/26 22:16 未分類 TB(0) コメント(1)
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