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●山梨県早川町の住民に会う

 いよいよ、実験線を除いては、初めてリニア営業本線が着工される。
 1月27日、南アルプスの東端に位置する山梨県早川町でその起工式が行われました。

 その数日前、私は早川町のある住民と南アルプス市で会っていました。仮にAさんとします。
 じつは、あとお一人と会うはずでしたが、その方が住んでいるのが、南北に38キロも長い行政区をもつ早川町のなかでも最北部の山岳地帯で、運悪くその前日の降雪のため車で行くのが無理になり、今回の面会は延期となりました。

 お会いした方の実名や、本人と特定される話は「今の時点では」書きません。そういう約束です。
 ただ、ある程度は公になっている話をここで整理します。

 早川町は今年の元旦時点で、639世帯、1124人の人口を有しています。
 対して、同じ南アルプスの西端に位置する大鹿村は、2015年5月1日時点で1024人と、ほぼ同程度の規模です。

 このリニアの南アルプスルートの入り口と出口とにあたる両方の村の違いは、リニア計画に対する反対や慎重の声を上げる人がいるかいないかです。
 もちろん、だからといって大鹿村の住民が一丸となっての闘いを展開している・・とは言えませんが、少なくとも大鹿村では、JR東海が開催してきた住民説明会では多くの住民が計画への反対や懸念を表明し、現地の工事事務所には、意見のある住民が随時訪れています。
 また、大鹿村のリニア対策委員会もリニア建設を前提とした委員会ではありますが、JR東海には、なかなかハードルの高い条件を提示し(道路の改築、新築、車両通行ルートの要望等々)、簡単に着工できない状況にあることだけは間違いありません。

 だが、早川町では、「そういうものはなかった」とAさんは語りました。

 早川町では、2011年10月14日に「環境影響評価方法書」の説明会が早川町民会館において、13年10月11日に「環境影響評価準備書」の説明会が同会場で行われましたが、Aさんが言うには「住民にはその説明会のことが知らされず、出席したのは町会長とか議員とか当て職の人ばかりだった」とのこと。本当だとしたら、とんでもないことです。つまり、「住民に知らせず」に推進のための手続きをJR東海に踏ませていたことになるからです。
 ただし、Aさんのお話だけでの断定も避けたいところなので、この件は早川町の住民、あと数人に確認をとりたいと思います。


●事業説明会での懸念
 しかし、早川町でまったく懸念がないのかというと、そうだとは言えません。
 早川町民のブログと推測しますが、「親爺日記」というブログには、昨年11月5日に早川町で開催されたJR東海による事業説明会の記録が公開されています。町内住民の質問と回答を中心に抜粋します。

ーーここからーー

1人目
Q1. 発生土の決定量と有効利用量とに差があるのは、どのような理由からか?
A1. まだ受け入れが決まっていない建設発生土もある。民間から受け入れ申し出もあり、検討段階である。

Q2. 甲府市 大津の駅周辺での発生土の利用予定が45万m3あるが、いつ頃から搬出可能か?
A2. 山梨県駅周辺の整備等は山梨県の管轄なので山梨県の予定次第。

Q3. 町内には生活道路である県道が1本しかないが、この県道を通行するダンプの量はどの程度か?
A3. 1日最大で450台である。あくまでも最大であるが1分間に1台ということになる。また、発生土の搬出は
早川下流だけでなく、上流側から建設予定の芦安-奈良田間の道路を利用して搬出する。これは3つの坑口
から同時に搬出した場合の予測であり、少なくするような考慮をおこなうつもりだ。このようなことから、説明に
ある通行量よりも少なくなる見込みである。


2人目(町内男性)
Q1. 早川への水質汚染に関してはどのような対策をおこなうのか?
A1. 坑口内の水漏れ対策を万全におこなうため問題ない。

Q2. 早川の橋梁部はリニアがみえるようにして欲しい。
A2. 橋梁部は防音壁を設置する予定である。なお、フードを透明にするのは技術的に難しい。

Q3. 早川町内の県道は唯一の生活道路であるが、いま現在でも砂利採取などのダンプが多く、これ以上通行量が増えることは不安だ。
A3. 運転手への運転マナーなどの教育を徹底しておこなうので大丈夫。

Q4. 中央道の恵那山トンネル建設の際には温泉が出たため地元の観光資源となったが、もし同じような事があった場合どのようになるのか?
A4. 温泉が出た場合は権利がある山梨県に伝えるようにする。


3人目(町内男性)
Q1. 工事用車両はどのように通るかはっきりさせて欲しい。特に奈良田-芦安を通る場合、西山温泉周辺は
ダンプが通行することは無理ではないか。また、西山温泉は静かに自然を楽しむ高級宿が売りだが、ダンプがひっきりなしに通った場合、商売にはならない。
A1. 待避所を設置するなど今後さまざまな検討をおこなう。なお、ダンプの通行量は片道分である。
(注):JR東海担当者は片道と回答したが、評価書を見る限り往復である。JR担当者の回答が誤りである。


4人目(町内男性)
Q1. ダンプの通行量はいつから増えるのか? また運行時間はいつか、通勤時間と重なった場合相当な影響があるが。
A1. 工事開始は5~7年目がピークである。運行時間は坑口出発時間で朝8時から夕方5時である。運行は月~土曜日で祝日も作業を行う。運行に関しては住民への影響を出来る限り少なくしたい。

Q2. 冬期の通行は大丈夫なのか?
A2. 融雪剤を撒くことで対策をおこなう。


5人目(町内男性)
Q1. 地区単位の説明会はいつやるのか?
A1. これから早川町と相談して決める。


8人目(町内男性)
Q1. 道路の改修についてはおこなうつもりはあるのか?
A1. 待避所を設けるなどの対策をおこなうことで問題ないと考えている。現在のところ道路改修をおこなう予定はない。


9人目(町外男性)
Q1. 工事の前に協定文書を交わす予定はあるのか?
A1. ・・・・。 
注:町長から是非交わしましょうとコメント有り。


●残土 --登山者用の駐車場にも100万㎥ーー
 ここで注目したいのは、3人目の質問者の「(工事用車両が)奈良田-芦安を通る」との発言です。
 これは、下の図を見ていただくと分りやすいですが、早来町最北部の「奈良田」地区と隣町の南アルプス市の「芦安」地区とを結ぼうとする県道「早川・芦安連絡道路」計画のことです。図では、①の「奈良田」-「(芦安地区の)桃の木(温泉)」をむすぶオレンジ色の部分です。

 これまで両地区の移動には「U」の字型にグルッと約80キロも移動しなければなりませんでしたが、この連絡道路でわずか5キロで結ばれることになります(うち4キロがトンネル)。時間にしても2時間も短縮されることになる。早川町によると「長年の悲願」です。

早川・芦安連絡道路

 ところが、この「早川・芦安連絡道路」の建設に使われるのが早川町から排出されるリニア建設からの建設残土です。
 早川町からは、3カ所の非常口からこれまた大鹿村のにも匹敵する約326万立米もの膨大な残土が排出されますが、JR東海の「環境影響評価書」山梨県版の「環18-1-3」では、その用途は以下のように記載されています。

★発生土置き場     早川町大原野塩島地区         4.1万立米
★早川・芦安連絡道路  早川町奈良田
             南アルプス市芦安 約160万立米
★リニア駅周辺基盤整備 甲府市大津町周辺  約45万立米

 加えて、山梨県は、上記「早川・芦安連絡道路」の芦安地区に登山者用の300台分の駐車場を造成するために、リニア残土を          約100万立米使用する意向をもっています。

 つまり、この4目的の合計で              約309万立米 の残土が使われる。

 これは、早川町から出る残土326万立米の約95%にも達します。

 となると、一つの疑問は、大鹿村では約300万立米もの残土が出て、最大時で一日1736台もの工事車両が村を通過すると予測されているのに、ほぼ同じ量が排出される早川町では、JR東海は上記説明会で一人目の質問者に対して「一日最大で450台」と回答している。 それは片道分だから、往復だと約900台。大鹿村の約半分だ。

 この差はなんだ?

 これは、『早川・芦安連絡道路』と『駐車場』はあくまでも山梨県の事業なので、それに使うリニア残土も山梨県が運ぶということなのだろうか? だからそれに使われる残土の運搬に必要な工事車両をカウントしていないということ?

 これを連絡道路を建設する山梨県の道路整備課地方道担当に尋ねると

「連絡道路に使われる建設発生土はすべてJRさんが運びます」。

 JR東海の山梨工事事務所とやりとりしたという知人からの情報によると、やはり

弊社(JR東海)が全量運びます

 との回答をもらっている。
 
 ならば、大鹿村とほぼ同量の残土が排出される以上、この奈良田温泉や芦安温泉にも、大鹿村の「最大時で一日1736台」にも匹敵するその工事車両が通行しないのなぜか? う~ん、判らない。

 早川・芦安連絡道路の始点と終点である早川町の『奈良田』とは奈良田温泉のことで、「芦安」もいくつもの温泉を擁する芦安温泉地であり、どちらも町の最奥地にある秘湯で、その静寂な環境にそれなりの数の観光客が訪れています。
 
 ところが、もし「早川・芦安連絡道路」と「登山者用の駐車場」にリニア残土が使われるとすると、この静寂な環境は失われます。。

 ということで、雪が解けたら、奈良田温泉方面への取材に向かいます。

 一つだけ強調したい。登山者は、この問題に関して声を上げるだろうか? 声をあげてほしい。


●JRは30億円を出す?

 ここで知るべきは、排出される残土のうち相当量がこの道路建設に使われますが、山梨県は、約80億円を要すると言われるこの道路建設費のうち、

・32億5000万円を国費から
・17億5000万円を県費から、そして
・30億円をJR東海に負担してもらおうとの要請を出していることです。
 
 山梨県は、早川・芦安連絡道路でリニアの残土を引き受ける代わりに、一部建設費を負担せよとJR東海に要請しているということ?  山梨県道路整備課に電話をしてみました。

ーーJR東海が30億円を出すのはもう決定事項なのですか?
「いえ、まだです。これからJRさんとの協議を重ねて、具体的にいくら出していただくかを決める予定です。私たちも現在、道路の設計中なので、具体的な協議はそれが終わってからです」
ーー早川・芦安道路の着工はいつになるのでしょう?
「早くて来年度末、つまり、2017年3月くらいかと予想しています」
ーー建設予定地は約5キロですが、それは公有地なのですか? 
「一部、民有地もあります。ですので、着工前には早川町と南アルプス市で地域説明会をやらねばなりません」
ーーそのうえでの土地収用ですね。
「その通りです。地権者には買収をお願いするための交渉も行います」
ーー何人くらいの地権者がいるのでしょう?
「先ほど話した通り、設計中の段階なので、今後、中心線測量などを終えてから確定します」

 JR東海が本当に30億円をすんなり出すのだろうか? 引き続き注視していきたいです。


●声を出せない

  早川町は、子育て世代にはありがたい自治体です。

 なにせ、義務教育での教材費や給食費、修学旅行費もゼロ。医療費(保険診療)も中学生までは無料。

 加えて、 大鹿村と同じく「日本で最も美しい村」連合に加盟しているだけあり、自然を愛するIターン家族も移住するわけです。

 平成の大合併にも応じず、日本でいちばん小さい「町」として地方自治を実現している。

 だが大鹿村と違うのは、大鹿村は、Iターン者やIターン2世らが、リニア計画に異を唱えているのに、早川町ではそういう人はいないこと。リニア計画を面白くないと思っても、たとえばAさんにコソコソ「ダメだよね」というだけ。

 このあたりの「なぜ?」も次回の取材の課題です。

 気になるのは、早川町長の辻一幸氏(75)がおそらく日本記録かもしれませんが、40歳の時から9期連続で町長職に就いていて、前回、2012年10月28日の町長選での投票率はじつに93.68%!
  2013年9月15日の町議会選は92.03%!

 投票率の高いのはもちろんいいことですが、ただ、約94%の投票率なら、相当の動員があったと噂はされております。
 辻町長、今年の秋の町長選で10選を目指すらしいです。

 自由にものを言える雰囲気を有する町なのか否か?

 そういうことで、早川町でリニアに「反対」する少数派の住民に近々会う予定です。雪が降らなければいいのですが。

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