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●行政訴訟へ

 10月30日、東京の参議院議員会館で、リニア中央新幹線の事業認可取り消しを求める行政訴訟を公表する「訴訟スタート院内集会」が開催されました。

 50人程度の小さな部屋ですが、その割にはマスコミ各社が取材に訪れ、関心の高さがうかがわれました。
 というか、リニアの現場の取材をもっとやってほしいんだけど、まあ、こういう「訴訟」というできごとは、マスコミにすればいわゆる「事件」なので、いかにJR東海という大スポンサーがいようとも、この報道についてはJR東海に「遠慮」する必要がないということなのでしょう。
(とはいえ、私自身は、マスコミ自身の自粛が問題であると思っている)

 集会の司会を担当したのは、リニアの市民運動をけん引してきたとも言える、「リニア新幹線を考える東京・神奈川連絡会」、及びその連絡会も加盟している「リニア新幹線沿線住民ネットワーク」共同代表の天野捷一さん。

 訴訟に関する説明を担当したのは、JR東海が2007年に自費での建設を公表したあとに日本で初めて結成されたリニアと対峙する市民団体「リニア市民・ネット」代表の河村晃生さんと、訴訟弁護団の中心的存在となる関島保雄弁護士。ともに68歳。

訴訟スタート院内集会


 訴訟に至る経緯は、簡単に説明すれば、昨年12月に国交省に提出した5048通もの異議申立書に対して、何度も「いつ裁定が下るのか」と質問すれども、いつも「審査中です」との回答が返ってこないまま1年近くも経とうとしている現状に、前々から一つの可能性として考えていた訴訟を決定した・・ということです。

 リニア事業が実験線周辺で招いてきた環境破壊、丁寧ではない住民への説明、杜撰なアセス、今後予想される諸所の問題などについては、本ブログでは幾度も書いてきたのでここでは書きません。

 何が、本訴訟で争われるのか。

 JR東海の事業推進のやり方については、各地で共通して評価されているのは「不誠実」ということです。
 しかしながら、JR東海が違法行為をしてきたのかと問われれば、そうとも言えないと考える人は少なくありません。

 つまり、本訴訟においては、
●違法性がないのであれば、何について争うのか?
●違法性があれば、どの法律に抵触しているのか?

 を私は知りたいと思っていました。

 関島弁護士が明らかにしたのは

「国交省の事業認可は『瑕疵のある認可』だ。違法性を問う」

 ということです。

 では、どの法律に抵触するのか。大雑把には以下の二つです。

1.環境影響評価法(アセス法)
2.鉄道事業法や全国新幹線鉄道整備法(全幹法)

 まず、JR東海の作成した「環境影響評価書」は杜撰であり、それに基づいた事業認可である以上、アセス法の違反をつく。
 加えて、鉄道事業法に描かれている安全対策(保守設備、工事中の安全等々)や災害防止などがリニア計画では描かれていない。国民経済の発展や地域振興を目的とした全国新幹線鉄道整備法にも違反する。

 との説明ですが(急いでのメモだったので正確でないかもしれません)、この先、どういう戦略でいくのかは注視したいところです。

 この後、会場から何人かが発言をしましたが、突然、私に発言が振られました。おいおい、取材者に語らせてはダメだよと思いつつ、断ることもできずに、先日、このブログに書いたことを話しました。すなわち

「某準ゼネコンはリニア事業に参加するつもりはない。ほとんどのゼネコンも慎重に構えている。というのは、品川・名古屋が5兆5000億円であがると思っている事業者はいないからだ。難工事で工期が延びて工費がかさんでも、初めの受注額以上の金はもらえない。となると、国費が投入されればゼネコンは動くかもしれない。私たちは、つい、『JR東海が国に金を出させようとしている』と思いがちだが、じつは、ゼネコンこそが国にそれを働きかけているかもしれないというのが準ゼネコン社員の意見だ。もしゼネコンが国に金を出させたら、JR東海はなんら批判をされることはなく、より事業がやりやすくなる。(取材資金のある)マスコミや国会議員こそがこのあたりの調査をしてほしい」

 これを話した後の休憩時間で、ある人に呼び止められました。その方は、先日、学生時代の同窓会で某巨大ゼネコンのOBと会ったとき、こう話されたと言います。

「もしオレが現役だったら、絶対にリニアなんかに参入しないね。会社がつぶれるよ」

 大成建設が南アルプスの山梨県側を受注したことに関しては、そのOBは「泥水をかぶったね」。
 
 本当にこのあたりの取材は膨大な取材経費が掛かるので、マスコミには尽力してほしいと思います。


●記者会見

 その後、記者会見がありましたが、以下、市民団体がまとめてくれています。そのまま転用します。

Q:いつ提訴するのか?
A:来春までをめどに東京地裁に提訴する。そのために原告をできるだけ多く集めて態勢をつくりたい。
Q:原告数のめどは?
A:異議申し立てして6か月を経過したら、同じ目的(工事認可の取り消し)の訴訟を起す場合は、異議申し立て者しか原告になれない(前置主義)ので、異議申し立て者5千人のうち1000人をめどに原告を集めたい。
Q:すでに原告募集を始めたのか、始めているとしたらどの程度反応があるのか?
A:沿線グループの多くは各地の訴訟スタート集会を期して始めるが、東京・神奈川連絡会は先日募集を始めた。すでに50数名の方から原告やサポーターになるとの回答を得て、会費も振り込まれている。中には2万、3万というお金を振り込んでいただいた方もいる。沿線各地も募集した異議申し立て人の2割は原告になってもらうべく努力する。
Q:國を相手にする裁判になるが、JR東海に対しては直接対峙しないのか?
A:國を相手の行政訴訟だが、JR東海の極めて情報開示がなく、杜撰な環境アセスを国が認めたことを争うので、裁判の過程でJR東海のリニア事業の欠陥や住民無視の姿勢を明らかにすることになる。

<本日の取材、記者会見出席社>
朝日新聞(本社社会部、名古屋報道センター)
毎日新聞(科学環境部)
読売新聞(甲府支局)
共同通信(本社社会部)
中日新聞(名古屋社会部)
信濃毎日新聞(東京支社、飯田支局)
山梨日日新聞(報道部)
NHK(甲府支局、カメラクルー)
テレビ信州(松本支社、カメラクルー)
長野朝日放送(報道部、カメラクルー)
しんぶん赤旗(政治部)
週刊新社会
東京民報社
樫田秀樹(フリー)、まさのあつこ(フリー)

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