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樫田秀樹

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 本業が多忙を極め、ほとんどブログを書く時間がありません。ここ数年の蓄積疲労で、夜は夜で睡魔に勝てずパソコンに向き合う時間がありません。
 現在、ブログにアップしたい記事は6本ほどありますが、なんとかかんとか、一本だけ書きました。
 長野県阿智村のことです。

●外部の人間から見ればよくわからない出来事がありました

 阿智村は、JR東海の想定によると、リニア工事で、同村清内路(せいないじ)地区の国道256号では工事用車両が一日最大920台、同地区の村道でも230台が通行する予定。そこで、今年5月3日、リニア工事で村の生活がどう変わるのを事前に把握するため、村は「リニア工事に関する社会環境影響評価」の実施を決定します。
 この評価をするために5月10日に発足したのが、「社会環境アセスメント委員会」。構成メンバーは研究者3名のほか、住民側は、村内8自治会の代表8名と公募の住民2人、観光業代表1人で、委員長は前村長の岡庭一雄氏、副委員長は愛知大学の鈴木誠教授が就任。
 委員会は、6月18日、会合を開き16歳以上の村民を対象にリニア工事への懸念などについてのアンケート調査をすると決めました。岡庭氏は「 住民の暮らしにどう影響があるのかを、科学的な知見に基づいて明らかにし、村がJRと環境保全協定を締結すれば、最低の犠牲で対応できる」とコメントしています。

 この委員の一人に公募で就任したのが、本ブログでも広報をしましたが、CD「夢のリニア超特急」のプロデュースをした森田修史さんです。森田さんは就任しようと思った理由をこう教えてくれました。

「委員会の具体的行動は、交通量の調査、ダンプが通行する清内路の村道1-20号線、および国道256、153線沿線の住民や事業者に対する聞き取り調査、昼神温泉(南信州で最大の温泉地)のお客様に対するアンケート調査などです。これはリニアに反対するためでなく、ダンプ通行による社会的影響を科学的客観的に明らかにして、JR東海との交渉の材料としようという試みです。もし、阿智をダンプが通らないことになれば万々歳ですが、JR東海に対してなにがしかの抑制を期待できるのと、何が起こっているのか情報をすぐに知りたいという理由、それから委員自体が変な方向に進んでしまわないようにきちんと見ておきたいということで、自分も公募枠に応募して委員になりました」

 その森田さんを驚かせたのは、前記の会合のわずか二日後の6月20日。
 信濃毎日新聞に、

 「清内路の斜坑から出る残土を、横川峠の上清内路側のどこかの谷に捨てる

 という非公開の情報がすっぱ抜かれていたのです。
 これは、その3日前の17日に開催された村のリニア対策委員会で、委員の一人が「県が横川峠が候補地の一つになっていると説明した」と記者に話したのがネタ元です。

 翌日(翌々日?)の村議会では、原利正議員の質問に村長は、「まだ決定ではなく、白紙の段階だ。これから調査をする」と答弁。

 その後、村の公式見解がないので、何とも言えないのですが、もし横川峠に残土を捨てるとなると、ダンプの通行ルートも通行量も大きく変わるので、社会環境アセスは一体何のために? とういうことになってしまいます。すなわち、調査方法や規模や対象などの変更をしなければならなくなる。
 現時点では、委員会は、6月に決めた通りに、調査とアンケート活動に入り、8月いっぱいの調査で9月にまた委員会を開くとの予定です。

 阿智村のある住民はこう語っていました。
「残土捨て場の適地かどうかを調査するのは県だが、それには村と地権者の承諾がいる。ということは、水面下では村長と地権者、そして村の対策委員会が同意しているということか? 村長の言動からは何もわからない」

 前期の通り、アセスメント委員会が開催されたのは6月18日。リニア対策委員会が17日。信濃毎日の報道は20日。つまり、報道が本当だとすれば、17日の時点で村長も知っていたことになります。


●6月20日以降の動き(新聞報道等から)

★6月22日  熊谷村長は議会質問で「残土の置場は具体的になっていない」と回答(『中日新聞』6月23日)。
 上清内路の横川峠付近が残土置場の候補地にあがっている『信濃毎日新聞』の報道について、清内路の原利正議員の質問に、熊谷村長は、
「阿智村リニア対策委員会の中で、県より残土の候補地になり得るかどうかの調査の打診があった、調査してどうなるかは分からない」
と答えたと書いています。原議員は

「村独自のアセスメントの結果が出るまでは JRに対して用地交渉も含めて動いてはいけない」

と求め、村長は、

「皆さんに混乱を与えないよう、(JRとの進め方について)ルールが決まったらお示ししたい 」
と答えています。

また、2014年7月に村民から出されている「村道1-20号を残土運搬に使わないよう」との要望に関しては再確認された。
(残土置場候補地についてはリニア対委で再度審議される)

★6月24日  南信州新聞が「残土置場候補地は横川峠付近」と報道したことについて、熊谷村長は対策委員会で、

「県からあった話は、斜坑に近く、昼神温泉に影響がない場所はどうでしょうかとの話 で、まだ白紙の状態。調査もこれからだ」

と答えた。

★6月25日  阿智村のリニア対策委員会が、村内の残土置場候補地について、県からの調査打診について非公開で検討。
結論は出ず、次回委員会で現地視察を行うことになる(『南信州』27日の報道から)。

★6月27日の『信濃毎日新聞』  報道によると、横川峠付近という具体的な場所は、少なくとも6月17日には村に示されており、25日に図面が示されたそうです。

★7月13日  村のリニア対策委員会は、村から諮問されていた横川峠付近を残土捨て場と見込んだJR東海による環境調査の可否について、候補地は限定せずに村民から公募して決めるという答申案で合意。
 横川峠付近については委員会で不安の声が多かった。また、非公開の対策委員会で候補地選びが進むことに危機感を抱く住民もいることから、委員会は今後は公開と決まった(『信濃毎日新聞』7月15日)。


●住民の意見

「村独自に社会環境アセスを行う一方で、候補地選びが進むことに危機感を抱く。候補地としてほとんど無謀に近いといえる横川峠付近しかないなら、阿智村村内には事実上残土の処分地はないと思う」

「県が横川峠へ棄てろと半分命令してきたわけか? どの自治会かが貧乏くじを引くことがないように祈る。村は、明確に村内に捨て場はないと言えばいい」

「横川峠に残土を捨てる計画は、その場所が不適格だとしても、上清内路付近で他に残土置き場を探すというような趣旨の答弁も、村長はしていました。おそらく、JR東海と県と村で、村で一番経済規模が大きく発言力のある昼神温泉の前だけはダンプを減らすようにすることで、村の反対意見を抑え込む狙いがあるのでは」
 

●横川峠とはどんな場所?
 
 上記、森田さんが実際にそこまで車を走らせたときのことを教えてくれました。

「上清内路側から横川峠を抜けるルートを車で走ってみたが、ここは冬季閉鎖される急坂の上、軽自動車でもすれちがうのが難しい山道。ここのダンプ往復など到底考えられず、また残土を捨てるためだけに道路を拡幅して貴重な自然を大破壊するという考えも到底容認できない。仮にダンプを一方通行とし智里西方面に抜くとなれば、今度は横川の集落や智里西の集落、県道園原インター線にも影響が出てくるので、実際にどのような考えで進めている話なのか、本当に疑問。このことに対しては、元村長で社会環境アセスの委員長である岡庭さんも、反対の意見を表明してくれたので、そこまで変な方向に勢いで行くことは無いとは思いますが、予断を許さない状況です」

 2014年6月、環境大臣はJR東海の環境影響評評価書に対して、「自然度の高い場所」に残土を置くことを避けるよう明記しています。
 住民は、横川峠周辺の自然度がいかに高いかを具体的に件に示していく運動も必要ではないかと個人的には考えております。

←お陰様で第58回「日本ジャーナリスト会議賞」を受賞しました。

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2015/08/09 23:18   [ 編集 ]















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