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 本日、入院している母を見舞ってきました。病院到着時に何気にロビーのテレビを見ると、NHKの番組「土スタ」にEXILEのAKIRAが出ていました。司会のアナウンサーがAKIRAを紹介します。

「初めての芝居は『あたっくNo.1』でした』と。

あたっくNo.1。

 この名前がNHKで登場するのはもしかしたら初めてかもしれません。もちろん、バレーボール漫画の「アタックNo.1」ではありません。あたっくNo.1での「あたっく」とは「攻撃」を意味します。つまり、あたっくNo.1とは「第一の攻撃」のことです。

 これだけでは何のことかわかりませんね。

 1941年(昭和16年)12月8日に開戦した太平洋戦争においては、真珠湾攻撃での空襲でその火蓋が切られたと歴史認識している方が多いようですが、じつは、その数時間前に、海底からの爆撃が行われていたのです。これこそが、第一の攻撃でした。

 当日、真珠湾付近を、日本海軍の30隻の潜水艦が陣取り、そのうちの、伊16号、伊18号、伊20号、伊22号、伊24号の5隻の潜水艦から、12月8日、2人乗りのミニ潜水艦=「特殊潜航艇」が出動したのです。

 しかし攻撃は仕掛けたものの、なんら成果らしき成果を挙げることはなかったのですが、捕虜になった一人を除き、9人の若者たちはその後、太平洋戦争での初めての「軍神」としてまつられることになります。
 もちろん、「死を賭して、敵艦を沈めた」とのウソの大本営発表があったからです。
 
 そして、この伊18号には100人以上の乗組員が搭乗していましたが、機関兵として、私の伯父(母の兄)の樫田勝衛(かつもり)がいたのです。

 伊18号は、広島県呉市で作られましたが、神奈川県の横須賀市を母港として何度か出動をしています。そして、1943年2月11日、ソロモン沖で米軍により沈められ伯父は戦死します。享年25。
 しかし、その最後の出動前に伯父が下宿先に残してきた日記がありました。戦死後、伯父が残したすべての荷物が北海道の実家に送られたのですが、そのなかにこの日記もあったのです。
 その日記で、当時の母たちは、家族も知らなかった、軍の機密行動を知ることになります。

 そして、終戦から50年以上も経ち、伯父の日記をモチーフに、真珠湾攻撃の特殊潜航艇で命を落とす若者たちのストーリーを脚本にしたのが、脚本家である私の弟(樫田正剛)です。

 これは、事実とフィクションとが半分ずつの芝居ですが、2001年が初演。その後、繰り返し上演されるうちに、いつしか弟と信頼関係のできていたEXILEのAKIRAも2006年に参加することになります。
 その後、当時はEXILEの弟分だった「J SOUL BROTHERS」(今はEXILE)もこの舞台を務めることになったりで、弟の作品ではおそらく最も多く再演されている舞台です。

 ちなみに、私も伯父の日記を読み、伊18号から特殊潜航艇で発進し帰らぬ人となった軍人の家族を訪ねたりで、一本の記事を書いています。よければ下記をお読みください。

http://homepage2.nifty.com/kasida/social-matter/frame-katumori1.htm

 弟が舞台を、私は記事を。その事実に喜んだのは母でした。
 私は戦争経験のある人たちに話を何度と聞いておりますが、彼らが一番嫌うのが、戦友たちを「犬死した」と言われることです。確かに、無念の死もあったことでしょう。ですが、私が痛感したのは、本当の犬死とは、私たちが戦死した人たちを忘れ去ることだということです。

 忘れません、覚えていますよ。その事実だけで、死者はいつまでも心に生きます。
 伯父の日記(コピーですが)は、今もときどき読んでいます。

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2011/06/11 22:46 戦争 TB(0) コメント(0)
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