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●リニア、賛成でも反対でもない運動も考えよう

 先日のブログでは、リニア計画に「反対」している住民運動の事例を書きました。
 計画に同意できない以上「反対」は必要です。
 ただし、たいていの場合、反対運動が有効なのは、その地域が一枚岩で事業者と対峙する場合に限ります。逆に言えば、一つの地域で、賛成意見と反対意見が対立すれば、地域が割れる可能性があります。
 たとえ、反対運動の結果、事業中止となっても、その対立が禍根を残せば、近所付き合いが極めて息苦しくなるという、ある意味、環境破壊よりも深刻な問題が発生します。

●『賛成』と『反対』で地獄になった町

 かつて、中部電力が、三重県の漁村、南島町(現・南伊勢町)の芦浜地区に原発建設を計画していた「芦浜原発」。漁業者も住民も当初から大反対運動を展開していましたが、原発賛成派には中電からジャブジャブ金が落ち、櫛の歯が抜けるように原発推進派へと転身する住民も現れました。
 その結果、昨日まで普通に挨拶をしていた反対派住民とは口も利かなくなる。学校の運動会も、自然と反対派と推進派で応援席が分れ、子どもが道で転んでも、どっちの派の子どもかで対応を変える。人が死ねば「反対派が減った」と喜ぶ人間も出る。
 ある高齢者はこう述べたものですーー「わしらはもう人間とは思えんもんになってしもた。人の死ぬのを喜ぶようになったらもう人間とは言えん」。「この村は地獄になってしもた

●賛成でも反対でもない運動を

 この地獄にピリオドを打とうと奮闘したのが、当時、反対派の一人だった30代男性のKさんです。Kさんは、反対という姿勢は保持しながらも、賛成でもない反対でもない運動を展開しました。すなわち
 町外、県外の支援団体、ふつうの住民などを町に集めて、「お祭り」を開催したのです。名付けて「芦浜春祭り」。
 1994年2月、祭りには、ローカルスターや知名度のある歌手(トリは、おおたか静流さん)のコンサート、獲れたばかりの魚の即売会、数々の露店。楽しい一日でした。

芦浜春祭り1 芦浜春祭り2 芦浜春祭り3 ← 浜辺に設置した舞台でのコンサート。左端の赤い和服がおおたか静流さん。魚の即売会も大好評だった。

 この祭りには、町内からも町外からも、反原発住民が数多く集まったのに、ほとんど誰も「原発反対」を言わず、ただイベントを楽しんでいました。イベントの警備には県警も出動していましたが、電力会社と敵対するような「反原発」行動なら住民と対峙する警察も、この日は終始にこやかに警備にあたっていました。
 加えて、反原発住民だけではなく、純粋に、おおたか静流の歌を聞きたい、活きのいい魚を安く買いたい、漁船に乗ってみたいという普通の観光客も多かった。
 こういうイベントのメリットは、なんといっても、町外の住民が自分たちの町や海で楽しむのを目の当たりにすると、「この町は、多くの人に愛されている」との印象を推進派にも自治体にも与えることができることです。

 地域の問題の解決には、「外からの風」は必要ですが、芦浜では、このイベント以外でも常時訪問者を受け入れ、漁船体験や住民との交流を続けました。
 そして、この原発計画は、県民の過半数となる81万2335人もの反対署名を集め(県民の53%、南島町民の86%が原発に反対。南島町も自治体として一貫して反対)、ついには北川正恭知事(当時)が、2000年2月22日の県議会で「計画を白紙に戻す」と反対表明をし、実に36年も経って建設中止が決まったのです。
  イベントだけがその主因とは断言できないものの、住民運動の方向性としては間違っていなかったと思います。

●けっこうある。住民が中止させた巨大事業

 6月28日、長野県中川村でリニアについての講演をしたのですが、その講演資料を作成しているときに、フと、『反対』だけではない運動も紹介してみようと思い立ちました。そこで、これまで自分が直接取材してきたなかで、住民運動が巨大事業を中止、もしくは大幅計画変更させた事例があったかを思い出してみると、けっこうありました。

①上記、芦浜原発
②北海道の千歳川放水路。
 日本海に流れている川を、大洪水時に太平洋に流すというSFのような計画。発生残土もリニアの倍にあたる1億2000万㎥を予測。計画に疑念を呈する住民は、その治水効果をきちんとデータを集約して推進側と対峙した。当ブログのこのページを参照
③徳島県木頭村の細川内ダム。
全国初の「ダム阻止条例」で国の計画であるダム計画を中止。見返りとして公共事業を減らされたが、「ダムや公共事業に頼らない」地域つくりをめざし、特産の柚子や大豆などの加工食品を扱う株式会社「きとうむら」設立を発案。全国の「脱ダム」に賛同する人たちから株の購入資金が寄せられ、「きとうむら」は村民の頑張りで順調に運営。ダムに頼らない地域つくりが成功している。
④愛知万博 
当初の開催予定地が豊かな里山だったため、市民団体が反対。そして動植物の綿密な調査、日本野鳥の会の猛禽類の発見、国際博覧会協会を通じての外圧による反対で、里山は守られた。
⑤徳島県の吉野川河口堰。

 これらを巡る住民運動には、いくつかのキーワードがあります。

★科学的データの集積を武器にする。
 ただ「反対」を叫ぶだけではなく、たとえば、ダムならば治水の効果を数字で出して、その有効性を問う。放水路であれば、その勾配から、洪水時に流れる水量と効果の整合性など、相手に異論を言わせない数字を集めた。数字は作為的でない限り、これほど客観的なデータはない。
 いつかはまだ言えませんが、市民団体「リニア新幹線沿線住民ネットワーク」がそのうち、国土交通省を相手取っての「リニア事業認可取り消し」を求める裁判を起こします。今現在、環境影響評価書の不備を徹底的に洗い出している・・ということだけは書いておきます。

★反対を声高に言わない。
 これは、特に吉野川河口堰での住民運動がそうでした。吉野川の河口近くに、建設省(当時)が利水対策として河口堰設置を計画。だが、江戸時代に設置された古い堰が既に利水機能を果たしていることで、市民団体は、徹底した科学的データを集め、河口堰なしでも大丈夫との結果を示す。同時に、地域住民や地域外住民を集めて、キャンプ、釣り大会、川泳ぎなどのイベントに精を出し、「ここはみんなの大切な場所」との認知を広める。「反対」を言わずに「疑問」を呈する。すると、「川は楽しい場所だよね」との共感が広がり、「河口堰計画って変だよね」との疑念も共有され、頼みもしないのに、あちこちの地域で河口堰計画を見直すための署名運動が始まった。
  それが2000年の住民投票で河口堰が否定される結果につながった。
  もちろん、運動を推進してきた人たちの心のなかでは「計画反対」でした。だがそれを前面に出したら、誰もついてこないので、楽しみながら運動をすることで、その気持ちを自然と共有していたということです。
 これはリーダーの姫野雅義さん(故人)の人柄によるところも大きかったと思います。

吉野川の第十堰 吉野川の住民運動のリーダー姫野雅義さん←270年ほど前の江戸時代に作られた吉野川第十堰。これが長年、浄水効果、治水効果を果たしてきた。徳島市民の愛する場所。住民運動リーダーの姫野さんは住民投票の数年後に亡くなったが、誰をも受け入れる柔らかさをもっていた。


●リニアでも可能では?

 いわゆるNPO的な市民団体は反対を言ってもいいでしょう。また、地域に根差した組織(町会や自治会)であっても、地域がまとまっている場所では、反対運動は貫いてほしいと思います。

 ただ一方で、反対と賛成が混在する地域社会では、互いのぶつかり合いを避けているばかりに、結局、賛成でもなければ反対でもないという姿勢に終始し、ただ事業が進むのを指をくわえてみている地域があるのも事実です。
 リニアで賛成でも反対でもない運動…。
 6月28日の講演の1週間前の21日、リニア計画沿線の周辺に住むアーティストたち10人がリニア計画への思いを歌ったCD「夢のリニア超特急」が販売されました。

森田さん+CD←森田さんとCD「夢のリニア超特急」  予約はこちら

 プロデュースした森田修史さんが、私の講演にも訪れていたので、講演の最後にCDを作成するまでの経緯などを話してもらったのですが、CDで歌っている10人の歌手、いや、それに限らず他の歌手でもいいのですが、それこそ芦浜のように、アーティストたちが集い、露店や山の幸、特産品が並ぶイベントができないものか…と思い浮かびました。
 「日本でもっとも美しい村」連合に加盟している中川村や大鹿村でなら可能ではないのか? (と勝手に思っています)

中川村風景←中川村。美しい。

 それならば、リニアに疑問を呈するコアな住民だけではなく、普通の村のおじさん、おばさんたちもいろいろな準備や当日のお役目で活躍できるし、リニアに関心のある村内外の住民もイベントをただ楽しむことで朗らかな交流をもつことができる。その結果、「ここは守るべき、皆に愛されている場所」との印象をより強く、一般住民にも自治体にも与えることもできるでしょう。
 それで即、自治体のリニア計画への判断が変わるとは断言しませんが、私たちがリニア計画に疑念を呈するのは、単に、リニア計画の不合理性を問うているのではなく、故郷の山や川、動物や鳥や魚たち、美しい田畑やたおやかな住民同士の日常の何気ない交流を守りたいと思っているからです。反対と同時にその思いこそも表出すべきです。
 講演に参加してくれた数人は「コンサートはいい案だ」「やりたいですね」と声をかけてくれましたが、案外動くかもです。




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