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 常日頃「山を愛する」「川を愛する」と言っている山男や山ガール、そして釣り人たちが、リニア工事により南アルプスの環境が変わることには沈黙を続けています。山雑誌や山岳関連ショップ、山小屋も同様です。

 唯一の例外は、2013年9月10日、静岡県の県山岳連盟、静岡市山岳連盟、県勤労者山岳連盟、日本山岳会静岡支部の4団体が「リニア工事で大井川の流量を低下させないこと、大井川源流や稜線に残土を投棄しないよう、県知事がJR東海に指導するよう求める」との要望書を県に提出したことです。

 これは以前も書いたことですが、沈黙の理由は
★問題の存在を知らない
★リニアができることで南アルプスへのアクセスが良くなるから、逆に歓迎している
★問題点を知ってはいても、深くは捉えていないか、傍観している。

 のどれかです。

●「リニア新幹線を考える登山者の会」の結成
 
しかし今、山岳関係者の中でも、これは問題ではとの声が広まりつつあります。
 
 リニア問題を、単発ではなく、断続的に取材しているフリージャーナリストは、私を入れておそらく3人かと思いますが、その一人、宗像充さんは自身が登山者ということもあり、山岳関連の雑誌にリニアの企画を持ち込んでいます。それが記事になったのは、2、3年前の「岳人」という山岳月刊誌ですが、昨年12月には月刊誌「山と渓谷」では8ページの特集記事を実現しました。これは、ようやく「山と渓谷」誌も動いたということを意味します。

その原稿のなかには、「起ち上がる岳人たち」との小見出しのあとで、こういう文が書かれています。

「山岳ガイドの山田哲也さんも7月に静岡で講演。『奥秩父の雁坂トンネルができたとき、湯川水島谷や完璧に水が枯れた』と警鐘を鳴らす」

 その山田さんは今年4月に「リニア新幹線を考える登山者の会」結成。さらに宗像さんが仕掛け人となり、「登山者の会」は5月20日、東京のモンベル渋谷店において、シンポジウム

「南アルプスは大丈夫? 登山者の立場からリニア新幹線を考える」
 

 が開催しました。
 モンベルとはご存知、世界的な山岳用品販売店です。ここが無料で部屋を貸してくれたのです。

 当日の発言者は、

・志水哲也さん(山岳ガイド、写真家)
・辻村千尋さん(日本自然保護協会)
・前島久美さん(大鹿の100年先を育む会)

 の3人。コーディネーターを山田さんが務めました。


●立ち見! 

私は、19時の開演予定の20分くらい前に会場に着いたのですが、椅子が60脚ある会場では、19時近くになると受付では裁けないほどの人が並び、「40人くらい来ればいいかなあ」との主催者の予想を超えた110人が集まりました。

 お三人の発言については、幸いにも、「リニア新幹線を考える東京・神奈川連絡会」の天野捷一代表がまとめてくれていたので、それを添付します。

amano1amano2amano3

 講演後の質疑応答は以下の通りです。

▲質問1 《前島さんへの質問》
 大鹿村全体で「反対」にいけない雰囲気になっているのはなぜですか?
 リニアが村にもたらす「メリット」はあるのでしょうか?
★回答1  JR東海は、住民説明会での「リニアによるメリットは?」との質問に「答えを持ち合わせていない」と回答しています。村長は「リニア工事で小渋線(村と外部とをつなぐ国道。狭くて、ところどころで車がすれ違えない)が拡張できる」ことがメリットと言っています。確かに「あの道を良くしてもらえればいい」との声は村にはあります。

▲質問2 (辻村さんへの質問)
 地盤が緩い場所でのトンネル工事は技術的に難しいとの議論はある? この計画を止めるための具体的戦略はありますか?
★回答2  リニア工事において最大の土被りは1400メートル。日本では未経験の深さです。でも技術的には作れると言われています。ただし、少なくとも、工事から2,3年たつとJRの資金は尽きます。建設費は高騰しているし、作業員も集まらないだろうし。リニア工事に国費投入をしてほしいという局面があるかと思います。そこで国民が「国費投入はまかりならん!」との声を出せるかです。止めるのは「世論」です。

▲質問3 (前島さんへの質問)
 大鹿村での土地買収は済んでいる? 抵抗している人、迷っている人はいるのか?
★回答3  JR東海が示している番地を示せば、どの土地が誰のものかは狭い村内では一目瞭然。ただ、JR東海が説明するときには、「地権者に迷惑がかかるから公表しない」と言いますが、それが内部分裂の火種になる。変電所のできる予定の養魚池の経営者は70代近いですが、村では「(土地を売れば)あの人たちには金が入る」との雰囲気がどことなく出てきています。村のリニア対策委員会では、個人の問題にしてしまってはまずいから、公開して議論しようとしているのに、対策委員会は非公開なんです。私はだから前回の委員会を退席しましたが(前島さんは委員の一人。後述)、そういう雰囲気が村の中で生まれてしまっている。
★辻村さん これは全幹法(全国新幹線鉄道整備法)に基づく公共事業なので、最終的には土地収用法が使えます。

▲質問4 司会者(山田さん) 静岡からお見えの方がいます。リニアの問題にどう行動されていますか?
★回答4 (竹本幸造さん) 静岡市から来ました。私は静岡県勤労者山岳連盟に属しています。私の地元は大井川ですが、来年還暦なので地元に帰ります。その大井川がリニア工事で減水して自然破壊が進む。何かアクションをと、昨年10月の「全国登山者自然保護集会」(静岡県島田市)を開催しました。大井川で毎秒2トンの減水と言いますが、毎秒2トンは日光の華厳の滝と同じ。JR東海には、自然破壊に対して、地元に説明をするよう申し入れを行っていく。丁寧な説明をとJR東海は口先ではおっしゃっているが、現実的には時間が来たら終わりという説明しかない。JR東海が今後国費を使う問題にしても、私たちもこの問題を国民全体に知らせて動かせる大きな運動にする必要があるように思っています。

▲司会者  釣りのグループが来ています。
★ (渡部さん) 私は「福島県で釣りを楽しむ会」を主催しています。3.11の原発事故のあと、福島県全般だけではなく栃木県も群馬のあちこちで釣りができなくなりました。そのうち、今年2月に開催された「釣りと環境シンポジウム」で初めてリニア問題を知りました。とんでもないと思いました。大井川源流にはヤマトイワナというとても貴重なイワナがいる。それをヤマト渓流会という釣り仲間たちが保存しようと頑張っている。こういうバロメーター的な生き物がいるときは運動がやりやすい。私は、長良川河口堰の反対運動の時も、「全国釣り人の会」を立ち上げたが、あそこにはサツキマスがいた。白神山地のときにはクマゲラでした。私たちは楽しく釣りがしたいとの思いで関わっていきたい。浦さんにも一言。

★浦壮一郎さん 釣り雑誌で、いろいろなダムや公共事業の問題を執筆しています。リニアに関して言えば、残土、大井川の毎秒2トンの減水の問題がありますが、もし水が減れば、新たなダムの問題、つまり「水をためましょう」との話が出かねないかと心配しています。


 ここで、大鹿村の動きについて。
 大鹿村は一昨年だったか、村長が住民の前で「リニアは迷惑」と公言するなど、村民生活が破壊されることへの懸念を表明したのですが、何人かの村民が言う、「村長は、今は、リニア工事に関連して、狭い村の道路を拡幅してくれることだけを期待している」との情報です。
 また、村には、各分野からの代表者が参加する「リニア対策委員会」がありますが、これは「リニア建設の是非を問う場所ではなく、リニア建設を前提にした場」であるとの位置づけです。
 これはおかしい。
 なぜなら、JR東海は「住民の反対の意思を無視してまで着工しない」と明言しているのですが、しかし、その「住民」とは「対策委員会」を想定しているからです。つまり、初めから「建設ありき」の「住民」=「対策委員会」であるなら、着工は約束されていることになってしまいます。しかも、対策委員会にはJR東海も出席している。
 個人的には、誰かが、もしくはどこかの組織が、大多数の住民の意向を逆に村やJR東海に示す必要があるように思います。もしかしたら、これは村のなかでそういう用意がされているかもしれない。そのうち現地で確認してみます。
  また、私自身は、村長はリニアを迷惑と思う気持ちをまだもっていると思うので、もしお会いできれば話を聞いてみたいです。

 さて、その対策委員会に、前島さんも「大鹿村の100年を育む会」の代表として、委員に就任しています。
 しかし、対策委員会の対応は、JR東海なの?と言わしめるほど、秘密主義です。
 録音禁止に加え議事録は非公開(概要のみ公開)なのです。さらに、4月27日の委員会では傍聴そのものが不可。
 前島さんはこれに抗議し委員会を退席しました。
 以下、その記録です。

kumi1kumi2

 ここには明らかに住民に顔を向けていない姿勢が見て取れます。
 JR東海も出席しているのに、その傍聴もできず、議事録も非公開で、手続きだけが進む? 
 ただ、前島さんの話に加え、実際どうであったかの話は、その場にいた関係者もう数人にも確認したいところです。

 一つだけ言えることは、大鹿村の問題は村だけの問題ではなく、リニア沿線全体で考えるべき問題です。つまり、村民だけではなく、外部の人間も関わってもいいのです(もちろん、村を引っ掻き回してはいけない)。
 今回の集会に集まった登山者たちのなかには、大鹿村を起点として南アルプスに上る人たちも多数いました。「登山者の会」が今後どうやって、大鹿村などの住民とつながることができるのか。注目したいです。

 集会後の懇親会でも、さまざまな人がいて面白かった。「山と渓谷」の社員の方も数人来ていて、「これからもリニア問題は取り上げたい」と言ってくれたし、釣り人でもあるしビデオジャーナリストの男性もリニア予定地をどんどん取材+釣りをして、工事前の今、その豊かな自然をとらえておきたいと、ある意味使命感を語ってくれました。
 少しずつ少しずつ、住民運動は前に進みつつあります。
 これを大きなうねりにできるかどうかが課題ですね。
 
 まだ書けることはあるのですが、すでに長文なので、ひとまずここで終わります。

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