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●出来レースだったのか。初めから、リニア実験線=将来の営業本線の一部だった。

 山梨県でリニアの走行実験が始まったのは1997年4月から。
 そして、国土交通省の「交通政策審議会」の「鉄道小委員会」で、中央新幹線が「リニア方式」かつ「南アルプスを貫くCルート」と決まったのは2011年5月です。
 つまり、手続き上は、JR東海が東京から大阪まで走らせると計画した「中央新幹線」は、2011年5月で初めて、従来の新幹線ではなく「リニア方式」で建設すると決まったのです。
 実際、1999年に、私がJR東海広報部に電話取材したときに、広報部の職員はこう言ったのです。
「実験線はあくまでもリニア技術の完成を目指す路線です。これが、将来のリニア営業本線を兼ねるのかは一切決まっていません」
 つまり、JR東海も、外向けには「実験線は実験線に過ぎない」と表明していたということです。
 
 ところが、これらの決定や表明がカモフラージュだったのかと思わせる著書に出会いました。
 著者はずばり、葛西敬之・JR東海会長(当時)。書名は「国鉄改革の真実」(中央公論新書)。
 
 1987年12月に、葛西氏らJR関係者はドイツのトランスラピッド(ドイツのリニア)の実験線を見学し、超電導磁気浮上式リニアモーターカーの実験線を、他社ではなくJR東海が自力で建設する構想をもつに至ります。
 そして、本にはこんなことが書かれています。

東京-名古屋間のどこかに、将来実用線の一部となるモデル線をJR東海の負担で先行建設し、そこで実用化実験を行うというのがアイデアの核心だった。(中略)この着想を岡田宏鉄建公団副総裁(後に総裁)、林航空局長に相談し賛同を得た上で、その概要を着任早々の吉田耕三国鉄改革推進部長に提起したのが一九八八(昭和六三)年の六月過ぎのことだった。国の資金を当てにしないで中央新幹線の山梨県部分、二〇キロが実験線として建設される。それは全線着工の突破口になる。

 葛西氏は、1988年時点で、山梨県に「将来の実用線の一部となる」実験線を建設すると発案したわけです。

「鉄建公団は、当時の自民党の有力者で、特に運輸省、建設省に大きな影響力を持っていた金丸信代議士に対して以前から中央新幹線のメリットを説いていた。(中略)予想通り鉄建公団を通じて金丸氏を本気にさせ、事態は急展開した。
 金丸氏の要請を受けて、一九八八年七月二五日に、運輸省首脳が金丸、三塚両代議士と会談し、①近い将来輸送力が不足する東海道新幹線の代替交通機関として、二一世紀初頭にリニアを実用化しなければならない、②そのためには本格的な実験線を早期に建設する必要があり、一年後、すなわち一九八九年秋にはその位置決定を行う、③それまでの間、JR東海など民間会社は鉄道総研の協力を得て建設に必要な調査を行う、④国家プロジェクトとしての財源フレームが決定されるまでの間、暫定的にJR東海等が実験線の一部を先行的に建設することを検討する、など四点の約束をした。」

 1980年代は全国約20の自治体がリニア実験線の誘致をしていたはずです。しかし、それら誘致合戦を尻目に、既に山梨県に実験線が建設されることが決まっていたということです。

「運輸省は一九八八年一〇月に(中略)「超電導磁気浮上式鉄道検討委貞会」を発足、必要な実験項目、実験線の備えるべき条件と仕様、実験線建設の適地などの審議が開始され、翌一九八九(平成元)年八月七日に、実験線の建設地は山梨県に決定された。当然のことながら、将来、実用線として活用できるということが決め手となった

 だが、表向きは、「将来の実用線になる」との表明はしなかったのは前述の通りです。
 なぜなら、それを認めてしまうと、国の事業認可前に、実質的には実用線の工事をすることになってしまうと受け取られかねないからです。
 
(中略)

「将来中央新幹線が建設された暁には、JR東海が東海道新幹線と一元経営することを運輸省も含めた四者《あとはJR西日本とJR東日本》で確認することだった。中央新幹線が開業すれば東海道新幹線の旅客の五〇%以上が中央新幹線に転移する。(中略)中央新幹線の経営権については八九年三月に四者間で確認メモが交わされた。」

(中略)

「一九八九年七月一四日一〇時、(運輸省の)吉田国鉄改革推進部長から名古屋のJR束海本社に電話の問い合わせがあった。①超電導磁気浮上式鉄道の開発については一九九〇年度予算要求に盛り込むことにする。ついては実験線の基盤設備はJR東海所有とし、建設費約一五〇〇億円を負担してもらいたい(中略)という打診であった。
 予算要求の枠組みはおおむね予期していた通りだった。ただし実験線の建設費を負担する条件として、JR東海が中央新幹線の経営主体であること、および超電導磁気浮上式鉄道の開発の主体はJR東海であることを明確にしてもらわなければならない旨、とりあえず応答し、細部は直接会って詰めることにした。七月二七日に運輸省に国鉄改革推進総括審議官と国鉄改革推進部長を訪ねたとき、省側から山梨実験線の予算要求概要(運輸省フレーム)を提示された。
 実験線の延長は約四〇キロ。その基盤施設の建設費約一五〇〇億円は、いずれ実用線の一部として活用できるのでJR東海の負担。これは将来JR東海が経営主体になることを意味する。 実験終了後に取り払う電気設備など実験設備および試験費約一七〇〇億円のうち約四〇〇億円を国庫補助金とし、五〇〇億円を開銀借り入れによるJR総研の一般財源負担、約六〇〇億円をJR東海の特別負担とする。つまり、総経費約三二〇〇億円のうち約二〇〇〇億円強をJR束海が負担するというフレームであった。(中略)
 そこで、JR東海から運輸省に対しては、①実験線は二〇キロあれば十分。したがって、まず二〇キロ分の予算要求を行い、残る二〇キロは将来また要求することにすべきである、②基盤施設の建設費を全てJR束海が負担するのは将来JR束潅が中央新幹線の経営主体とをるからであり、その際には実用線の一部として活用できるからである旨を運輸省に公式確認してもらう必要がある、③実験の主体はJR総研だけではなく、JR東海も共同主体であることを明確にする必要がある、の三点を前提条件として整理するよう申し入れた。
 これに対する総括審議官の返答は、実験線の延長については四〇キロ一括で要求し、施工は二段階に分ける方がよい。JR東海が中央新幹線の経営主体となることの公式確認は当然である。しかし、全国新幹線鉄道整備法による経営主体の指定は現段階では無理なのでその方法について工夫をする必要がある。国庫補助金を受けられるのはJR総研だけなので、表面的にはJR総研を立てるほかないが、実態として実験開発の共同主体となることを明確化すればよいではないかという趣旨で、私としてはこれを諒として別れた。」

(中略)

「一九九〇(平成二)年度の運輸省予算に計上されたリニア山梨実験線の建設計画の中で、将来中央新幹線の路盤に用いることができる汎用性のある部分の建設など一九六五億円は、全てJR東海の特別負担となっている。
 一九九〇年六月一五日、その理由について国鉄改革推進総括審議官とJR東海社長の間で公文書確認が行われ、①首都圏と近畿圏の二大都市圏を結ぶ旅客流動を担う鉄道は、国鉄改革の分割の考え方により、東海旅客鉄道株式会社の経営責任分野である。②中央新幹線は、東海道新幹線の役割を代替するものであり、上記の大都市圏を結ぶ旅客流動を担う鉄道に該当する。③中央新幹線をリニアで建設した場合も上記の性格は変わらない。④中央新幹線の営業主体については、全国新幹線鉄道整備法に基づき、整備計画を決定する時点までに運輸大臣が指定することになっているが、中央新幹線は現在の東海道新幹線の輸送力が将来限界に達するので第二の東海道新幹線として建設・運営されることになるものと考えている、という省の考え方が明らかにされた。
 運輸省としては東海道新幹線と中央新幹線はJR東海が一元的に経営するものと考えており、それゆえに一九六五億円をJR東海に負担させることにしたのだという趣旨の確認だった。
 この確認に加えて、前述した中央新幹線の全線にわたる地形、地質調査の大臣指示がJR東海と鉄建公団の両者に出された結果、JR東海が中央新幹線の経営主体となることを運輸省が表裏両面から保証した形になった。この両面セットは整備計画策定の大臣命令が出せない段階で、JR東海が中央新幹線の営業主体であることを明確化するために運輸省が考えた絶妙の手法だった。この表裏一体をなす運輸省の確認行為以降、一元経営に対する異論は完全に聞かれなくなった。」

●地権者たちには隠さずに話していた

 前述の通り、JR東海がリニア中央新幹線の建設主体と営業主体に指名されたのは2011年5月ですが、すでに1990年頃にはその骨格が出来上がっていたということです。

 推進側がそれを隠さずに説明したのが、実験線建設予定地で土地をもっていた人びとに対してです。
 それらの人々は、「実験線は将来大阪にまで走るから」との説明を受け、土地を手放しました。
 以下、拙著「悪夢の超特急 リニア中央新幹線」から、その一人の声を紹介します。

「もろ手を挙げてリニアに賛成した住民などいませんよ。ましてや土地だって手放したいはずがありません。ところが山梨県に誘致が決まってからというもの、JR東海、JR総研、鉄建公団(現在の独立行政法人・鉄道建設・運輸施設整備支援機構)、そして県職員のお百度が始まりました。土地を売ってくださいって。そこで私たちも、まずはリニアの勉強を始めてみたんです。宮崎の実験線も視察に行きました。ええ、この地区だけでも何十回も勉強会や話し合いを持ちました。土地は手放したくない。でも、そうしてしまったのは、結局は、JRや県が訴える『国家的プロジェクトにどうぞご協力ください』『国土の新たな大動脈の構築に土地が必要なんです』といった言葉でした。私たちは『国のために』と泣く泣く土地を手放したんです」
――国家プロジェクトとの説明を受けていたのですか?
「そうです。そういう言葉の入った契約書はないですが、言葉では受けていました」
「国のプロジェクトだから、近い将来、国費が投入されて名古屋や大阪まで建設されると信じていたのですね?」
「そうです。だから、もしリニアが走らなかったら、私たちはただだまされたことになります。JR東海、JR総研、鉄建公団など、この問題に火をつけた人たちには頭をこすりつけるなり、責任とってもらいますよ! 土地だけの問題ではないんです。土地を売るまでに、この地区のみんながいったい何十回話し合いを持ち、どれだけ精神を削ってきたことか。土地を壊しておきながら……」

 この数日後に、JR東海広報部に確認したのが、前述の「実験線はあくまでもリニア技術の完成を目指す路線です。これが、将来のリニア営業本線を兼ねるのかは一切決まっていません」との言葉です。これはあくまでも世間向けの言葉だった。

 葛西氏の本を読んで初めて確信がもてました。
 今に至る動きは、すでに1990年前後に用意されていたことが。すでに、国とJR東海とで、実験線が将来の実用線を兼ねることが半ば決まっていたことが。

 つまり、実験線での試験費1700億円のうち国費が400億円使われていますが、これは実質的には、リニア実用線への国費投入と同義であると私は考えます。

 ただ、この本のなかで書かれていないのが、実用線の建設費を誰が負担するかということです。
 1999年の私の取材時においては、JR東海側は「これは国費で建設すべき」と、つまり、建設費の3分の2を国が、3分の1を自治体が負担する整備新幹線として建設してほしい意向をもっていたのに、運輸省は「これは民間プロジェクト。中央新幹線は新幹線の基本計画路線ですが、国としてはまず、建設が決まっている、北海道や九州新幹線などの5つの整備新幹線への着工が優先。それを飛び越えての、中央新幹線への国費投入はありません」とビタ一文金を出す気がないようでした。

 実用線の建設費については話し合われていなかったのか? それとも、運輸省の人事が変わったことで、中央新幹線への考え方も変わったのか? 現時点では分かりません。 一つだけ言えるのは、葛西会長がしびれをきらして、2007年に「整備新幹線への格上げを待っていられない。リニア中央新幹線は自費で建設する」と決めたことです。

 それにしても、ある意味、よくここまで、裏話ともいうべき事実を書いてくれたものです。

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