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●辺野古のアセスに沈黙した学会

 昨日のブログの続きです。

 原科教授が言うには、「日本の事業でひどかったアセスは辺野古」。

 そこで、取材から帰宅して、ふと思ったのは、では、その辺野古のアセスに対して、「環境アセスメント学会」は何をしたのかということでした。

 調べてみて分かったのは「何もしていない」ということです。

 原科教授の話によると、「辺野古のアセスに対し、学会としては何のアピールも出していない。わずかに学会の有志38人がアセスの即時中止を求める緊急声明を出しただけ」とのこと。

▲2007年9月9日の沖縄タイムスによると

「『辺野古への基地建設を許さない実行委員会』は8日、都内で開かれた環境アセスメント学会の出席者に署名運動を行うなどしてアセスの中止を呼びかけた。同実行委は同日の学会終了後、出席者有志とともにアセスの即時中止を求める緊急声明を発表した。この日集まった38人分の署名を近く沖縄防衛局に送付する。
 アセスに反対する有志として同学会の石川公敏副会長は『法の手続きに則っていない矛盾だらけのアセス。これでは独裁専制国家と言わざるを得ない』と非難した(後略)」

 と報じられています。

 補足すると、有志が出したアピールのタイトルは「辺野古の環境アセス方法書の撤回と違法な環境現況調査の即時中止」。
 提出者は、環境アセスメント学会第6回大会参加者有志(呼びかけ人・桜井国俊・沖縄大学)

 となっています。確かに「有志」です。

 こんな新聞記事もあります。

▲2012年1月28日 朝日新聞digital
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に向けた環境影響評価(アセスメント)で、評価書を検討する2回目の県審査会が27日あった。住民の意見を聴く時間が設けられ、アセスの専門家や自然保護団体のメンバーら10人が「データがきちんと評価されておらず非科学的」などと、評価書の内容や手続きを批判した。
 環境アセスメント学会評議員の桜井国俊・沖縄大教授(環境学)は、滑走路の長さの変更や「ジュゴンへの影響評価の不備」などを指摘。最初の「方法書」に戻って、アセス手続きをやり直すよう求めた。

 ここでも学会としての活動は書かれていません。

 前回のブログでは、原科教授の尽力で、IAIA(国際影響評価学会)が日本政府=環境庁を動かしたことを書きました。そして、じつは、この辺野古のアセスへのアピールも学会で出そうと言い出したのも原科教授です。
 だが、日本の学会は動かなかった。わずかに有志が動いただけです。

●学者集団ではない学会
 いったい、どんな力学が働けば、辺野古の無茶なアセスに歯止めをかけようとのまっとうな提案を、これぞ専門家集団が無下にできるものなのか?
 そこで、そのHPで、学会の理事や評議員などの名簿を見てみると、うお、学者集団ではなかった。いや、正確には学者が多いのですが、そこそこに行政の環境担当者もいれば、環境コンサルタント会社もいる。
 そのコンサル会社にはそれこそ辺野古のアセスを担当した会社もいる(そこはリニアのある県のアセスも担当した)。
 本ブログでもその記事書いたことあります。

 果たして、利害と直結するコンサル会社が理事や評議員として在籍している学会に第三者性は担保されているのでしょうか? 素人の判断ではありますが、はなはだ疑問とするところです。

●リニアへのアピールもない

 そして期待してはいけませんが、調べてみると、やはり学会はリニアのアセスにも何のアピールも出しておりません。
 学会のHPを見ると、いろいろと活動をしているようですが、社会問題に切り込むような提言は見当たりません。。

 これは私の推測ですが、原科教授がなぜか落選し続けても学会の会長に立候補し続けている理由は、いつの日か、組織改革をするおつもりでは・・と思ってしまいます。そこまでは取材をしていないので、断言はしませんが。

 もちろん、学者がまっとうなアピールを出したからといって、今、藤前干潟のように計画中止に追い込めるプロジェクトがあるかどうかは何とも判りませんが、影響力は小さくはないはずです。是非、学会が本来の方向性に向かわんことを。

●原科教授の訴えたいこと

 原科教授との取材の最後に、私が一番訴えたいことはこれだと、IAIAの会長を務めていた2008年に発行した機関誌(2008年10月号)を見せてくれました。

「プロとしての倫理」と題した本文中に、その年に定められたIAIAの「倫理行動規範」が9項目述べられています。
 
 そのうちの5項目目を黄色くマークして、原科教授はこう説明しました。

あらかじめ決められた結論に導くために、分析にバイアスをかけたり、事実の削除や改ざんを求められたときは、いかなるときでも、プロとしてのサービス提供を拒否すること


 しかし、日本では残念ながら、ほとんどのアセスが、あらかじめ決められている結論に合わせるアワセメントであるのが現状です。

 さて、原科教授と書いてきましたが、そういえば、大学名を書いていませんでした。現在、原科教授は千葉県市川市の千葉商科大学で教鞭をとっています。この大学は、リニアの市民運動では重鎮となっている橋山禮治郎教授も在籍している大学でもあります。もちろん、二人は顔見知りで、ときどきリニアについて話をしているそうです。

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2015/03/26 01:00 普天間基地 TB(0) コメント(0)
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