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●「リニア車両基地絶対反対」

 神奈川県相模原市緑区鳥屋(とや)地区の谷戸集落。
 その自治会館の前にはリニア計画に反対する看板が設置されている。

絶対反対


 鳥屋地区には11の自治会がある。
 JR東海は、ここに最大幅400メートル、長さ2キロにもわたる巨大な車両基地の建設を予定しているが、その建設工事で立ち退きを迫られる世帯のほとんどが谷戸集落に集中している。
 谷戸集落は全45世帯。うち、自治会に加入しているのは36世帯。その多くにとって自宅は終の棲家だ。
 だからこそ、2013年9月に、JR東海の環境影響評価準備書で、ここに車両基地が建設されることを初めて知ったのはまさに「寝耳に水」だった。

 「絶対反対」と表明するのは当然の成り行きなのだろう・・・。と思ったが、内実は多少複雑だ。

 1月下旬、自治会の奈良信会長にお会いして話を聞いた。以下、その概要。ただし、明日2月14日、谷戸においてJR東海の地区説明会が開催される。その説明会の後、自治会としてどういう方針で動くかを具体的に決めるというので、今、私のブログで不用意なことは書けない。差しさわりのない範囲のことだけを書く。


●集落が分断される

 もし、車両基地計画をすんなりと受け入れた場合、谷戸の現実は深刻なものになる。地域分断が起こるのだ。 

 車両基地の正式な測量はまだ行われていないが、今現在で、45世帯のうち少なくとも15世帯が移転確実だという。ただし、今後の正確な測量でその数字は20にも30にも増える可能性もある。

車両基地1JR東海が作成した車両基地予定図。赤い点線が建設よ手の敷地。ただし、まだ測量前なので正確ではない。

 自治会長の自宅はぎりぎり対象外だ。ただし、自宅の10メートルほど北側に高さ30メートルもの壁ができる。

「ここは田舎ですから、家と家との間隔が広い。その距離感がいい。山も空も眺めての生活ができるんです。もし車両基地ができたら、私の自宅はぎりぎりセーフですが、北側の景色がまったく見えなくなる」

奈良会長の自宅近く赤く引いた線が車両基地の南側の壁が通る予定のライン。真正面に見えるのが築4年の奈良自治会長(立っている人)のご自宅。ここに高さ30メートルの壁がそびえる。


 問題は眺望だけではない。

「数十世帯が立退き、数十世帯が壁の近くで残る。そんなみんながバラバラになることを誰も望んでいません」

 だからこそ決めた「絶対反対」だった。

 ただ、この「絶対反対」は人により温度差がある。
 本当に絶対に立ち退かない人。納得のいく条件を示さない限り動かない人。気持ちは反対だが、大好きな自然が失われるのであれば出ていくと決めている人、等々。
 

●たとえばこういう考え。集団移転。

 こう考える人がいる。何十年も一緒に生きてきた人たちと離れたくない。だから、鳥屋地区のどこかに全世帯が移転できることを求めたい。
 つまり、移転対象外の人たちも自治会維持のためにあえてこの土地を離れるとの考えだ。
 ただし、その場合の課題は、その立退きの補償金などを誰が出すかということだ。JR東海も相模原市も間違っても、移転対象外の人たちに補償金の拠出や移転費用の負担をしないのではないのか。ただ全戸移転の場合は、どちらかがその金を工面しなければならないことになる。それも交渉の議題になる。

 特に、車両基地ができることで、基地の北側にはわずか2世帯しか残されないことになる。たった2世帯の集落…。

<i>山の上からの車両基地予定地山の上から車両基地予定地を俯瞰。大雑把に建設予定地の両端を、住民の説明に従って、赤線で引いてみた。左の赤線(北側になる)から北側に住むのはわずかに2軒。この人たちは孤立する。


●たとえばこういう考え。あえてビオトープを移転対象外の家々に造成する。

 鳥屋地区では何もかも具体的に決まっていないが、そのなかでほとんど話題にもなっていないのが、車両基地建設工事で棲息地を追われる動植物のために、JR東海が設置すると表明している2ヘクタールのビオトープだ。
 これを一体どこに設置するのか? 決まっていないのだ。だから、ある人はこう考える。
 移転対象外の家々の敷地に敢えてその2ヘクタールを設置する。つまり、そうすることで、移転対象外の世帯も移転対象となる。

 しかし、それにしても、わずかに2ヘクタールだから、移転対象外の家はまだまだ残る。
 
 
●築4年…

 奈良さんは62歳。ずっとここで生まれ育った。ここが終の棲家だ。だからこそ、4年前に自宅を建て替えた。設計段階で設計事務所と家の間取りをああしよう、こうしようと話し合い、居心地のいい家を建てた。
 そして、2013年4月1日、奈良さんは自治会長に就任したのだが、まさかその年の9月に、谷戸に地域分断が起こる計画に出くわすとは想像もしていなかった。

「リニアは迷惑施設です。もし集団移転するとしたら、私はこのまだ4年しか建っていない自宅を出るのでしょうか。そもそも、立退き対象外となる私のような世帯の自主立退きによる集団移転にJR東海や相模原市はお金をだしてくれるのか。何もわかりません」

 奈良さんがここに残った場合、眺望の半分を失わせる高さ30メートルの壁の直下で暮らすことになり、かつ、谷戸自治会そのものが消滅する可能性もある。
「その場合は、他の自治会に編入するのか・・。なんとも分かりません…」


●みんな、おとなしい。

 奈良さんとの話し合いの詳しい内容はまだ書けないが、看板の「絶対反対」という気持ちは誰もがもっているにしても、絶対反対を示す具体的行動がまだほとんどないのも事実。
 奈良さんはこう語った。

「この地域の人たちは、みんなおとなしいんです。国家事業と聞けば、従わねばと思う人が少なくない」

 また気になるのが、今のリニアを巡る市民運動の課題かもしれないが「JR東海の出す資料に対して、反論や考証できるだけの知識を持ち合わせていないんです」ということ。
 たとえば、JR東海が「排出される二酸化炭素がxxトンです」と説明しても、その数字が果たして多いのか少ないのかも住民にはわからない。

 鳥屋にもっとも近い、リニアの反対運動を展開するのは、鳥屋から車で30分程度行った相模原市にある「リニア新幹線を考える相模原連絡会」だ。ここは何度も鳥屋を訪れ、住民有志と懇談会を開催しているが、まだまだ住民全体がリニアの基本情報を把握するには至っていない。

 また、鳥屋に車両基地ができると言っても、実際に、その問題に敏感なのは谷戸自治会くらいなものだ。
 というのは、立ち退き対象者が出るのは、谷戸以外には他に二つの自治体しかなく、その人数もそれぞれ2,3世帯程度と極めて少ない。
 つまり、鳥屋と一口で言っても、谷戸以外では、車両基地建設問題はヒトゴトなのだ。

鳥屋小学校鳥屋小学校。この裏手で車両基地はぎりぎりで建設される。高さ30メートルだから小学校よりも高い。その直下で子どもたちは学ぶのか? 加えて、集落の狭い道を工事用車両が一日に何百台と通る。子どもたちの交通安全を考えたら、決してヒトゴトではないのだが。

 2013年9月の準備書の公開から1年5か月がたつのに、住民がまだ基本情報を何も知らないままに、説明会だけが淡々と繰り返され手続きが粛々と進む。傍から見てももどかしい。
 2月14日の説明会はどうなるのだろうか。


●他地区の情報を知らない

 東京から名古屋までの計画沿線で立ち上がった10の市民団体が加盟する「リニア新幹線沿線住民ネットワーク」。
 この10団体は概して、リニアの基本情報を熟知しているといっていい。
 だが、その他の地区単位で立ち上がった集まりや、自治会レベルの集まりでは、他の地域でどういう意見が集約され、どういう方針でリニア問題に臨もうとしているかの情報をほとんど知らないと言っても過言ではない。

 たとえば、谷戸自治会では、同じ車両基地建設に深い懸念を抱いている岐阜県中津川市での住民たちの動きをほとんど知らない。

 だからこそ、国家事業には反対しても仕方がないと思ってしまうし、自分たちだけでは無力だと思ってしまう。
 だが、「自分たちだけ」ではない。
 逆に言えば、他の地域でのリニア問題に真剣に取り組んでいる団体の存在を知れば、「仕方がない」ではなく、「自分たちだけではない。何かをしよう」との気持ちが湧いてくるのではと思う。

谷戸中心部←谷戸の中心部。ここが本当に消滅するのだろうか。

 谷戸自治会に加盟する住民たちは深く悩んでいる。県外の住民との情報の交換や、基本知識の習得。これを支援する体制が必要に思えてならない。

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