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リニア、来なかったJR東海

 9月12日。東京の参議院議員会館で「自然環境保護とリニア建設は両立できる」と銘打った院内集会が開催されました。主催者は、福島みずほ社民党議員。

 私がこの集会に行こうと思ったのは、出席者が環境省と国土交通省の職員の他にJR東海も参加予定と聞いていたからです。
 
 ところが、JR東海は欠席。そこにいた多くの人ががっかりしたのは言うまでもありません。

 これまで、市民団体との直接交渉を拒んできたJR東海。
 私のおぼえている限り、2012年10月に、「7 Generation Walk」という団体との直接交渉にJR東海東京本社が応じたのだけが唯一の例外です(ただし人数は5人に限られたので、環境保全事務所に行くのとあまり相違がない)。

 一方的な説明会だけがJR東海と住民とが接する機会でした。
 そのJR東海が出席する! しかも不特定多数の市民の前に。
 でも、来なかった。
 福島議員の秘書は「次回は必ず呼びます」と力を入れていました。

 今年7月、JR東海の環境影響評価書への意見書に対して国土交通大臣が出した意見書では「地域住民等に対し丁寧に説明すること」をJR東海に求めています。
 これは、丁寧な言葉でわかりやすくというだけを示すのではなく、住民の要望に応じて何度でも直接話し合うこと・・といった意味合いであるはずです。次回、本当に実現するのだろうか。先が思いやられます。

 
●環境省と国交省の交渉
 
 今回の交渉では、環境省と国交省への質問も用意されていました。
 ただ、ここではその詳細に触れません。
 というのは、本ブログでも、過去における住民団体と「環境省と国交省」との交渉は記録していますが、そこから大きく外れる内容ではないからです。
 大雑把に言うなら、私見ですが、環境省にはリニア事業は下手すれば取り返しがつかなくなるかもとの怖れがあります。
 
 今回、印象深かったのは、国交省とのやりとりです。
 あくまでも個人的な印象ですが、国交省の役人は「え、そうだったの」といった、初めて知る事実に動揺していたようです。
 
 質問状には以下の質問がありました。

1.環境大臣意見で求められた環境保全措置は、補正評価書で反映されていると考えるか?
2.環境アセス法では、環境保全措置が十分でない場合、事業を認可しないとされている。リニア事業の保全措置が十分でない場合、さらなる補正を求めるのか?

 同じような質問をしたのは、日本自然保護協会の辻村千尋さんです。

「私の主眼としては、現在、補正評価書は縦覧されているが、国交省は、環境大臣の意見を補正しているとの認識なのか? 
 山岳部のトンネル工事にともなう湧水対策には、精度の高い予測が必要。
 しかし、JR東海の補正前の評価書で採用されたのは、1983年に構築されたプログラムを用いた準三次元のシミュレーション。つまり古いプログラム。
 だから、環境大臣の意見も国交大臣の意見も、新しい方法である三次元水収支解析方法でやれと指摘した。ところが、補正後の評価書では、1983年のプログラムのまま。国交省はどうやって新しい方法でやったと確認したのですか? 僕らが見れないところで見ているのですか?」

 この質問に対して、担当者は反論ができず、静かに

ーー事実関係を確認します

 と答えただけでした。

 もう一つ、国交省が黙ってしまったのは、以下のやりとりです。

「欠席したJR東海を国交省はどう思うのか? 監督すべきではないのか」

ーー環境保全事務所はいつも開いております。

「それはそれでいい。問題は、ここに来るべきということ。そう行政指導すべきではないのか」

「環境保全事務所というが、私たちは何回も行っているが、いつも『参加は3人にして』と言われる。私たちが10数人で行ってもです。そして、対応するのは(知識もない)若い事務方。事業者としてそんな態度が許されるのでしょうか?」

 リニアに関する市民運動の世界では知れ渡っていた事実を、国交省は初めて知ったようでした。

ーー我々も、今問題がわかりました。3人しか入れないことも認識しました。JRの説明が丁寧でないことは聞いています。今後、認可後に事業説明会や工事説明会で丁寧に説明しなさいと言います。

 うーん、どこまでJR東海がやれるだろうか? JR東海自身は、方法書や準備書の説明会では懇切丁寧に住民に説明したと公表しているようですが、あれを基準に「丁寧」と言われたのでは「違う」と言わざるを得ません。一人3問に質問を制限し、しかも、3問の質問は一度にしなければならず、ひとたびマイクをもっていかれたら、回答をただ聞くだけで再質問ができない。30分程度延長したら、どんなに質問の手が上がっていてもピタリと閉会する。
 住民が求めているのは、そのような一方的な「ご説明」ではなく「討論」なのです。


●頼りにならない神奈川県企業局水利課!

 さて、この、環境省・国交省交渉は午後2時からでしたが、同じ日の朝10時半から神奈川県庁において市民団体「リニア新幹線を考える相模原連絡会」が、県企業局水利課で交渉を持ちました。

 県では、相模原市の山間部である鳥屋(とや)地区にリニア車両基地ができるのですが、その面積は50ヘクタール。それだけの広大な面積で森林開発がされると、県民の水源である道志川や串川に流量減少を引き起こすのではと予測されています。しかし、JR東海の環境影響評価書には、両河川がどれほどの影響を受けるかの具体的数値が記述されていない。
 
 そこでネットワークでは同課に対していくつかの質問を文書で出していました。
 質問の概要は以下の通りです。

1.車両基地工事で360万㎥もの建設発生土(残土)が発生し、串川の流量減少と水質悪化は避けられない。具体的な影響は?

2.串川の近くでリニア本線のためのトンネル工事、及び基地への引き込み線(回送線)となるトンネル工事で100万㎥の残土が発生する。そのため串川支流の枯渇と串川本流の減少が予想されるが、具体的影響は?

3の1 2013年3月から5月にかけて、相模原市緑区菅井簡易水道組合の水源の井戸の水位が7.9メートル低下し給水制限がされた。菅井自治会は、2キロ上流にある山梨県のリニア実験線でのトンネル工事の影響と報告。簡易水道組合の水源の真下をリニアのトンネルが通るため、自治会は代替の水源確保を要望している。流量の減少について具体的な調査をお願いしたい。

3の2 山梨県の実験線周辺では川や沢の水枯れが頻発しており、相模川(神奈川県の水源)にも深刻な影響が予想される。県当局は相模川の流量減少、水質悪化に影響があると考えるか? 影響があるとすれば回避策は? 山梨県側の相模川水系での水枯れを実態調査しているか?

3の3 道志川は横浜水道に17万トン、県水に20万トンが利用されているが、リニアは直径14メートルの巨大トンネルを道志川沿いに掘削する。流量への影響についての県当局の見解は? 独自調査を行う必要があるか?

4の1 車両基地の工事中の降雨で濁流が串川に流入する恐れがある。県としてJR東海にどのような対策を取らせますか?

4の2 車両基地周辺には下水道がない。しかし、車両基地ではし尿設備の洗浄も行う予定だ。衛生的に問題である。対策は?

4の3 工事の監視をして万一への対策が必要。ご見解は?


 さて、これら質問に対する県の回答は、じつにやる気を感じさせないものでした。

 まず質問1に対する回答は、「JR東海が自主モニタリングをすると回答しております」。

 え?

ーーだから、県は心配をしていないということですか?(連絡会代表の浅賀きみ江さん)

 これに対する回答は、もっと驚きました。

あの、私、この問題に関する担当ではないもので

 他の参加メンバーからは憤りの声。

ーーじゃあ、無駄足じゃないですか! あなた、県の代表として今ここにいるのに。

「連絡会のお気持ちに応えられる課は県にはないと思います(だから、水関連の部署が近いだろうということで参加した)」

 職員(女性)は、その口ぶりから、おそらく真面目に働く人なのでしょう。だがそのやる気のなさに、メンバー数人から不満の声があがったのですが、とりあえずは、「まずは質問に全部答えていただきましょう」ということになりました。

 しかし、その回答は一貫して「JR東海が事後調査すると回答しております」「減水や渇水が認められた地区には、JR東海が応急対策を協議の上実施しています」「県は調査はしていません。JRが事後調査をします」

 といったように、JR東海が評価書で書いたことを口にするだけでした。

 県の言い分はこうです。

「県知事の意見書で『事後調査をやること』と書いてある。それがJR東海の評価書に反映された。そうである以上、こちらはそれを見守るしかない。私たちは環境アセス法で本事業を審査してきた以上、環境アセス法でしか動けない」

 しかし、連絡会が言いたかったのはそういうことではなく、水Ⓚれや水質悪化の可能性があることに、県民の水を預かる立場として心配していないのか、能動的に対策を取ろうとしないのかといったことです。

 私が受けた印象でも、お役所仕事を淡々とまじめにこなす職員です。でも熱意がない。

 JR東海が「事後調査をする」と言っているのは、別に神奈川県に限った話ではありません。リニアが通る1都6県においてそう表明しているのです。しかし、それだけでは不十分だ、心配だと動いているのが静岡県です。

 以前も本ブログに書きましたが、静岡県では「リニア新幹線環境保全連絡会議」が今年4月に立ち上がり、ここには県(知事も含む)、静岡市(市長も含む)、自治会、水利権者、自治体、JR東海が加盟して、話し合いを行っています。7月下旬には、JR東海も参加しての残土捨て場予定地の視察を行い、その日のうちに会議を行っています。
 今のところは、JR東海と静岡県側は、互いにジャブを繰り出している様子で、本格的な丁々発止のやりとりはこれからかと思いますが。
 この連絡会議は元々は、静岡県知事の意見書で「創設すべし」との表明から創設されたものですが、今は環境アセスとは別に動いている組織です。

 つまり、神奈川県はアセス法に縛られて動けないと言いますが、要は、静岡県のようにアセス法に縛られない動きをすればいいのです。だが、この日に目にした職員を見る限り、県民の水を守ろうという使命感は希薄です。

 だが、これら職員のやる気に火をつけるのは、やはり、県民の訴えしかありません。
 環境を守るのは、自治体任せではなく、住民こそが声を出すしかありません。
 それも市民団体の課題かなと思います。


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