リニア、単行本のお知らせ

●単行本が出ます
　
　リニア中央新幹線についての単行本が出版されます。

　旬報社という出版社から9月18日に発売予定です。タイトルは

「悪夢の超特急　リニア中央新幹線」



　ストレートすぎるとのご意見もありましょうが、タイトルで売れ行きもまた左右されるので、ここは編集部のご意向に任せました。


●出版停止から半年間

　思い返せば、半年前の3月上旬、私がリニアについて書いた単行本は、その来週にも書店に並ぶはずでした。
　ところが、出版社から「説明したいことが…」との連絡を受け、会社に赴くと、初めは出版が遅れるとの説明でした。
　出版社の上部組織である某大学が、タイトルに違和感があると出版社に伝えてきたのです。ですので、初めは、タイトルだけ変えての出版かなと思っていましたが、その後、本を読んだ大学側が「この本の意図が大学の意図と同じと思われるのは困る」とまさかの出版停止を決めたのです。

　ここでよく、「それはＪＲ東海からの圧力か？」とのご質問も受けますが、そうではないと思います。ＪＲ東海も私のような小物を相手にするほど暇ではありません。むしろ、大学側がＪＲ東海に「配慮」したのでしょう。自粛というやつかもしれません。

　3月以来、いろいろな出版社にこの本の出版をお願いしましたが、ことごとく断られました。
「誰か一人を主人公にするノンフィクションなら売れるのだが…」
「うちのカラーに合わない」
「まだ世に周知されていない問題だから、売れ行きが読めない」

　もちろん、私の筆力の問題もあると思います。世に周知されていなくても、私に一気に読ませる筆力があればすぐにでも再出版先は見つかったかもしれません。

　3月に出版したかったのは、3月下旬に知事意見書が出される前にと思ったからです。
　しかし、それを逸したあとは、6月の環境省の意見書までには、7月の国交省の意見書提出までには、8月のＪＲ東海の補正評価書提出までには・・と願いつつも、現実とならず、とうとう10月の着工が見えてきた7月下旬、やっと運がやってきました。
　
　知人に相談すると、旧知の出版社、つまり旬報社を紹介してもらい、3月出版予定だった原稿を見せると、翌日に社長自ら「ウチで出版します」との連絡があったのです。
　それまでは「預からせてください」と返事に２，３週間はかかるのが通例だったため、嬉しいよりも驚いたものです。

　本はルポルタージュで書いています。
　私は偶然にも１９９９年にリニアのことを取材していますが、そのことも含め、リニアを巡り関係者たちがどう動いてきたかを浅く広く描いてみました。
　リニア関連の市民団体が読めば、おそらく物足りないことでしょう。ただ、私はリニアのことをよく知らない一般住民を意識して書いてみた次第です。

　本書で一番強調したかったのは、リニア計画に賛成派がいても反対派がいてもいい。だが、両者が膝を突き合せて話し合ったことはほとんどただの一度もない。私が望むのは、賛成派、反対派、慎重派、有識者、自治体、一般住民、ＪＲ東海が一堂に会しての徹底討論の開催の積み重ねです。
　それをすることで、迷走を続けるリニア計画は妥協点を見いだせると思うのです。

　ａｍａｚｏｎの以下のサイトで予約も始まっているようです。お財布に余裕のある方は、是非ともご一考くださいませ。

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