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●6月5日。環境省、意見書を提出

 6月5日、リニア中央新幹線計画について、環境省から国交省への意見書が提出されました。
 環境影響評価書をJR東海が出したのが4月23日。それから45日以内に、すなわち6月8日までに環境省が国交省に意見を出すことになっていたのですが、数日だけ早めに出ました。

 この日は、リニア新幹線沿線住民ネットワークも、環境省に対して「環境保護の立場から、リニア新幹線の早期着工を認めないよう求める要望書」を提出するとともに、15時半から環境省の記者クラブで記者会見も行いました。
 共同代表の天野捷一さんはこう訴えたのです

「私たちの味方はいない。都県はリニアの推進役。私たちがたよるべきは、今、環境省しかいない」

 その環境省は、16時から、マスコミ向けに、意見書のブリーフィングを行いました。

 意見書は、環境省のHPで公開しています。

http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=18248

 ブリーフィングではその概要が駆け足で紹介されました。概要は

(1)前文
・本事業により相当な環境負荷が発生。低炭素・循環・自然共生が統合化された社会に向け、環境保全について十全な措置を行うことが本事業の前提。
・地方公共団体や住民の関与について十全を期すこと。
・国土交通大臣は、適切な環境保全配慮がなされるよう、事業者に対して適切な指導を行うこと。

(2)総論
・土地の改変は必要最小限とし、環境影響の回避・低減に必要な措置、モニタリング、事後調査を適切に実施。
・工事期間が長期にわたることから、状況の変化を踏まえ、評価項目を再検討し、追加的な調査予測及び評価を行い、適切な措置を講じる。

 といったように、基本方針としては、おかしなことは書いていません。


●具体的記述に欠ける

 しかし、「具体的にこうせよ」といった記述が極めて少ない意見書であるとはいえます。

 例えば、南アルプスでは、発生残土が、大井川上流部の河原に6カ所と標高2000メートルの稜線の1カ所に積まれるわけですが、静岡県においては、静岡市の意見書も、静岡県の意見書も、その礎となった各有識者会議の意見書もすべてが、稜線に残土を置くことを回避せよと訴えていました。
 ところが、JR東海の評価書はそれに応えないというゼロ回答。つまり、計画通り河原と稜線に残土を積むとしたのです。これに対して、今回の環境省の意見書は次の表記に留まっています。(概要)


2.6 廃棄物等
(1)発生土
① 発生抑制、現場利用の徹底
 発生量を抑制するよう検討するとともに、できる限り場外搬出量を抑制すること。

② 発生土置場の選定要件
 新たに仮置場の設置場所を選定する場合については、自然植生、湿地、希少な動植物の生息地・生育地、まとまった緑地等、動植物の重要な生息地・生育地や自然度の高い区域、土砂の流出があった場合に近傍河川の汚濁のおそれがある区域等を回避すること。
 また、登山道等のレクリエーション利用の場や施設、住民の生活の場から見えない場所を選定するよう配慮するとともに、設置した際には修景等を行い、自然景観を整備すること。

③ 発生土の運搬
 飛散流出等により周辺環境に影響を及ぼさないよう、必要に応じて流出防止策を実施し、適切に運搬すること。

④ 発生土置場の適切な管理
 発生土置場での発生土の管理について、濁水の発生防止や土砂の流出防止その他周辺環境に影響を及ぼさないよう、発生土置場ごとに、関係地方公共団体と協議し、住民への説明や意見の聴取等の関与の機会を確保した上で管理計画を作成し、適切に管理すること。


 同じく、南アルプスでのトンネル工事で大井川の流量が毎秒最大2トン減るとJR東海は予測していますが、それについての関連表現は、

「地下水位の低下並びに河川流量の減少及びこれに伴い生ずる河川の生態系や水生生物への影響は、重大なものとなるおそれがあり、また、事後的な対応措置は困難である。以下の対策を講じること。

(1)精度の高い予測の実施及び水系への影響の回避
 山岳トンネル部の湧水対策は、工事実施前に、三次元水収支解析を用いてより精度の高い予測を行い、その結果に基づき、地下水位及び河川流量への影響を最小化できるよう水系を回避又は適切な工法及び環境保全措置を講じること。

(3)湧水の適正処理
 トンネル掘削により生じた湧水の排水については、工事計画の策定段階で、具体的に排出場所、排出方法並びに水質、水量及び水温の管理方法等を明らかにした上で、適正に処理すること。また、湧水及び処理後の湧水について沢や河川等の表流水に放流することを検討する際には、水質や水量を検討した上で、専門家等及び関係地方公共団体と協議し、できる限り表流水への影響を回避、低減すべく多地点で放流する計画とすること。 」

 といった表現に留まっています。


●記者たちからの質問

 ブリーフィングのあと、会場のマスコミ記者から質問がありました。ある記者に提供してもらった録音データから。

Q 残土の管理で、地方公共団体や住民の関与をと書いているのは、今までそれが不十分だったからということか?
A JR東海はこれまで100回以上の住民説明会をしている。その内容はつまびらかには知らないが。

Q(朝日新聞) JR東海は年内着工の予定である。環境大臣の意見は、さらにもう一年調査しろとの内容なのか? 年内着工には支障がない内容なのか?
A 環境省は、JR東海のスケジュールに遅れが出るかどうかは気にしない。補正評価書を出す作業にどれくらいかかるかもわからない。スケジュールありきではないと思う。
  今後、47日間、国交省で審査が行われる。その審査がスケジュールに影響を及ぼすのかはわからない。
Q(朝日新聞)  河川の流量でも、渇水期と豊水期のデータのように一年スパンの調査が必要なものは求めていくのか?
A それは、すでに、工事前からやるように言っている。今この瞬間からやれというものではない。

Q(信濃毎日新聞) 明らかに、リニアの施設で改変を求めているものはあるのか?
A 仰っている意味がわからない。
Q ハードな施設のこと。ここは明らかにおかしい、見直してほしいと明確に言っているものがあるかどうかということ。
A 環境に関係のある部分で、湧水ができるだけでない工法をとれとは言っている。リニアだからというよりも、環境影響を生じさせる工事への意見は持っている。
Q ざっと拝見すると、個別の施設には言及していない。もう一点。環境大臣からこれを入れろとの具体的な指示は?
A とても明確。環境保全の観点からしっかり審査をするようにと。厳しくではないが、適正に審査をと。1万8000ページを丁寧に見させていただき、電力、発生土についてやりとりをさせていただいた。

Q(朝日) 温室ガス削減のところで、JR東海が削減計画を明らかにするというのははわかるが、他の業者と連携する…というのがイメージできない。
A そうですね。ただ、様々な連携の仕方がある。

Q(毎日新聞) 発生土置き場で「自然度の高い区域」とはどういったところ?
A いろいろあるが、植生自然度が高いところ、湿地など。生物多様性重要な地域。
Q 今の計画地でそういう場所は?
A 基本的に今現在、発生土置き場は過去に改変されたところと評価書に書かれている。

Q(朝日)モニタリングとかそういう報告はどのタイミングで受けて、それに対してどうこたえる。
A モニタリングに対しての応答はこれから決める。私どもも注視しつつ、
Q 各知事からの意見で、モニタリングでは不十分。事後調査をとの意見が多い。JRは不確実性はないと主張。事後調査の必要性はどう判断した?
A 補正評価書の中に、事後調査が必要なものは盛り込む。
Q どういう項目?
A たくさんある。たとえば?
Q 発生土では何かないですか?
A 発生土は事後調査というよりも、どうしても出てくる発生土は置き場を作る。その管理計画は地方公共団体とやるので、事後調査よりずっと前の計画段階。


Q(朝日) 磁界の問題について触れられていない。
A 磁界については、かねてから実験線の時から指摘があった。トラディショナルの項目ではないので入れなかった。
Q 意見書では触れていないのは、国交省が何か言うはずであろうと?
A はい。私は詳しくないが、図面を見たら基準値以内。
Q なおさら環境大臣からの意見があっていいはず。
A 磁界や電磁波について、業務として取り扱っていない。
Q 評価書が出た段階で各知事が700項目の要望。それでもなおかつ、評価書が不十分で判断できないと言っている。今回の審査にあたり、データが足りずやりにくいことはなかったのか?
A それはない。足りないのは2パターン。私たちが求めるデータがない場合は「データください」と国交省に求める。もう一つは、その項目が決まっていないとき。それが決まっていないと、求めても出てこない。残土置き場は決まっていない。
Q 将来、新たな問題が、環境影響に問題が出てこないか?
A 一般論には答えにくい。管理計画については地方公共団体と適切にやってほしい。
Q アセスが始まり、大規模な事業。そのなかで評価書は45日以内に出さねばならない。それに対していいたいことは? 十分だったか?
A 45日と決まっていることにより、事業者のスケジュール感を決めることは重要。唯一言えるのは、評価書を作成し、追加データをあまねく提供してもらった。それらの人に敬意を表したい。

Q(信濃) 水環境の応急対策・恒久対策で補水という話があったが、工事の出水を河川に戻す?
A はい。
Q 静岡県の残土置き場は、自然度の高い場所に該当する?
A 広い地域が混ざっている。現地に行ったが、二次的な場所だった。登山道からも見えにくいとの報告もらっている。つぶさには見ていないが。
Q そこが自然度高いと判断されたら改めて意見を述べる?
A ケースバイケース。国の意見をもう一度述べる場はこのあと用意されていない。
Q 県知事意見は、作業用トンネルと坑口は11カ所なので、減らせないか? リニア本戦の地上部を地下化できないか? というもの。これは環境省意見からずれるとお考え?
A 非常口、変電所などは数キロおきと決まっている。
Q 逆に言えば、今の非常口では問題として指摘するべきものがない?
A 夜間照明には懸念との意見を出した。


●書かれていないこともある

 あらためて意見書を読んでみると、悪いことが書いているわけではありません。
 基本政策としては極めてまっとうなことが書かれています。もしこの理念を額面通りにJR東海が実施すれば、確かに環境影響は最小限になることでしょう。
 ただし、そこに具体的記述がない以上、リニアを推進したがっている国交省が、その工事開始の延期にもつながりかねない、事前調査の徹底を、JR東海に求めるかです。
 そして、2027年開業にこだわるJR東海もまた、それを遅らせる項目をわざわざ補正評価書に書きこむかです。

 個人的には、今回の意見書では、少なくとも、関係者一同が危険と評価した、標高2000メートルの稜線に残土を積むことについては「回避すべき」と書くべきだったと思います。
 また、一日に最大で1736台もの残土運搬車が通る大鹿村のことに少しでも想像力を働かせれば、たとえば、一日「xx百台までに抑えること」といった具体的記述があってもよかったのかなとも思います。
 ただ、最低限の良心として、環境省は「関係地方公共団体と協議し、住民への説明や意見の聴取等の関与の機会を確保した上で管理計画を作成し、適切に管理すること」と書いたとは思いますが、これが機能することを今は祈るだけです。

 また、今回の意見書では、たとえば、岐阜県のウラン鉱床のことや電磁波のこと、陶芸の聖地でもある岐阜県大萱地区を壊しかねないリニアの地上走行については一文字も書かれていませんでした。この点は実に残念と言わざるをえません。

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