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樫田秀樹

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 最近、雑誌の締め切りに追われたり、10年ぶりに風邪をひいて寝込んでいたりで、なかなかブログを更新できませんでした。
 本日はまずリニアのことから書きます。

●1月17日の神奈川県環境影響評価審査会
 リニア計画について4回目の審査会となりました。この日の議題はリニアだけ。

 前半はやや淡々と進行していた印象ですが、時間がたつにつれ、各委員から、JR東海に批判の声が飛び交っていました。
 私がもっとも気になる環境問題の一つは、膨大な建設残土がいったいどう処理されるのかということです。

 前回、12月25日での審査会においては、藤倉まなみ委員から

「車両基地の建設においては、約1,140万立米の建設発生土(残土)が発生するが、補足資料の回答で示されたのは『30%にあたる約360万立米を車両基地内で再利用することを想定しています』だけ。JR東海は、建設発生土の90%以上を処分できると主張しているのだから、その根拠を示してほしいとお願いしているのに、、出てきたのは30%の360万立米だけ。あとは『公共事業等で活用してほしい』などと非常に他人任せ」

 と厳しい指摘がなされていましたが、この日も、補足資料にそれに回答するような具体的記述は一切なく、藤倉委員は

「相変わらず具体的根拠が全く示されていない。90%の再利用については県民に明らかにしてほしい」

 と訴え、さらには

「90%の再利用であっても、残る10%でも114万立米と膨大な発生土が排出される。これをどうするのか。次回まで回答を」

 さらに神奈川県民として関心を持ったのは、準備書の一つ手前の方法書(2011年)に対する神奈川県知事の意見書には「JR東海は、方法書で、神奈川県内には発生土を受け入れる処分場は12か所しかないと書いているが、その受け入れ容量の記述がない。受け入れ容量を調査しろ」と書いてあるのに、結局、JR東海はそれを調査していなかった。
 それどころか、こちらからも、その容量を調査しろとの要請に対して、本日の資料でも回答がない。あるのは

「情報提供が可能かを神奈川県の関係機関に検討いただいている」

 という回答だけ。
 
 ここで藤倉医院はビシと釘を刺しました。

「少なくとも、受け入れ容量は御社自らで調べてほしい」

 清宮委員がこれに続きました。

「残土に懸念をもっている。JR東海だけでも相当の量があるのに、外環自動車道の工事でも残土がどんどん出てくる。JR東海は、都県を窓口にすると言うが、それは、JR東海だけでは処分できないと読める。いったいどういう方向性なのか? 他人任せなら工事中止も出てくる。膨大な量を海面埋め立てするのか? このまま回答がないままいっていいのかは難しい」


 これに対するJR東海の回答は以下の通りです。

「建設発生土は、まず、本事業で再利用し、次に他事業で再利用します。県を窓口にしたいと考えています。以上です」

 すぐに藤倉委員が返しました。

藤倉「なぜ受け入れ容量を調べないのですか?」

JR「受け入れ容量については、情報提供が可能かは県に問い合わせているところです」

益永委員長「直接聞かないのですか?」

JR「発生土処分は公式に都県を窓口と言っている。それが基本のやり方です」

益永委員長「先に進む回答がもらえない」

藤倉「これ以上の回答がない…」


 益永委員長はこの後も、JR東海の回答に対して「私としては不満」「この回答は受け入れがたい。まったく十分ではない」を繰り返すのですが、本日、特に書いておきたいのは、審査会に弁護士として参加している宮沢弁護士の発言でした。

宮沢「環境アセス法を調べてみました。事業者が見解書を知事に送付してから(今回の場合は11月25日)120以内(3月25日まで)に、県知事は意見書をだすことになっていますが、アセス法には、

 積雪その他の自然現象により長期間にわたり当該実地の調査が著しく困難であるときは、方法書については120日を超えない範囲内において、準備書については150日を超えない範囲内で延長できるとの例外規定があります(第7条第1項ただし書及び第8条第1項ただし書)。

 いかがでしょうか。120日というのは、アセス法14条7項で定めた「環境汚染のための措置をきちんと記載する」ことがなされた場合です。
 
 この審査会では、環境への影響の回避の具体的な方法は出てこない。『適切に処置します』という言葉に終始している。具体的な記述がない。この審査会の意思として、『いや、これはもう少しきちんとやりたい』というのなら、知事に対し『延長したい』と言うのも十分に可能。

 業者(JR東海)がきちんとした手続きを尽くしていない時に、120日が独り歩きするのはおかしいと思う。



 これに対して、神奈川県環境部長が

「これは政令で120日と定められておりまして、延長できるかどうかは、たとえば現地調査が必要な場合において、大雪などでできなくなった場合を想定している。したがって今回は、今回の審査会はそれには当たらないとし、120日以内の3月25日以内で知事意見を出すようにお願いしております」

宮沢「これはあくまでも解釈の問題。意見を述べるために『必要な材料がない』一つの想定事例として(大雪が)書いている。そういう解釈は十分に成り立つ。
 大前提として、この規定はきちっとした記載があったときにはじめて活きてくる。あまりきれいじゃない手でやっておいて、120日はおかしいでしょう!」

神奈川県環境部長「この審査会は法解釈をする場ではありません事業者は事業者としてベストを尽くして準備書を出した。それに対し、専門家が話し合うのがこの場です。準備書が不完全と言う趣旨であるのは法律上あり得ない」

益永委員長「これについては保留します」


 神奈川県での審査会は2月5日をもって最後となります。
 だが、本当に、こんな不備だらけの準備書でもって2月5日ですべての疑問点が明らかになるなど、誰も思っていません。
 120日が150日になったとしても、審査会があと一回増えるだけなので、どれほど内容がつめられるかは判りませんが、宮沢弁護士はよく言ってくれたと思います。
 あまりきれいじゃない手・・との発言では、会場が思わず笑いに包まれましたが、JR東海は、確かに、残土問題一つとっても、自ら処分場の受け入れ容量を調べることなく、ついには「県を窓口にするのが基本」と結局は何もしないことを明言しました。

 おそらく、他県の審査会も同様なのでしょう…。
 


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