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●どうしたんだ! 神奈川県の環境影響評価審査会!

 神奈川県で、県内の公共事業における環境問題を審議するために常設されているのが、有識者からなる「環境影響評価審査会」です。

 ここは当然、リニアのことも扱っていて、その10月28日の審議のことは本ブログでも書いたように、JR東海に対して「これでは審議のしようがない」「矛盾する表現だ」と批判する発言ばかりでした。
 そのブログはこちらで読めます。

 それゆえに、11月25日に開催された審査会を傍聴したところ、結果は「がっかり」するものでした。

 いったいどうしてしまったんでしょう。

 10人以上いる委員の多くが、借りてきた猫のようにおとなしくなっていたのです。

 もちろん、「JR東海の計画は文句なし!」などとは言っていません。それなりの疑問を呈し、意見も述べています。だが、以前のような「これでは審査のしようがない」といった本質的な問題を誰も口にしなくなっていのたです。

 たとえば、リニアの車両基地ができることでの生態系への影響については、M委員は、「車両基地を造ることで、ウグイ、カジカカエルなどをビオトープで守るのは無理。これらは幼生時に濁りに弱い。濃い濁りも困るが、薄い濁りでも長時間続くのも困る。だから(設置する)沈砂池の使い方を間違えるとダメ」と批判モードで始まったと思ったら、最後は、「(やるからには)沈砂池から水をろ過して外に出すこと。雨が降っているからといって、沈砂池から流すと(濁りで)どうしようもなくなる」と、なんだか、「難しいけど、こうやれば運営できないことはない」との方法を教えているようでした。

 JR東海の出してきた、埋蔵文化財の改変については、面積の100%に影響を受ける文化財もあったことから、Y委員は「関係機関と調整して保全をしてほしい。丁寧なデータを出して欲しい」というように、「それを避けるべき」との意見は言いませんでした。

  唯一、前回と同じような強い調子で本質的な発言をしたのは、この日、欠席をしたF委員です。
 県の事務局がF委員からのメッセージを読み上げました。

「事業の回答内容について、知事意見に誠実に対応する意思が見られない」

 つまり、本質的な質問や意見を出しているかいないかで見れば、今回の審査会は、F委員のメッセージ以外はどれももどかしいものでした。

 審査会が終わり、会場の外に出た後は、誰もが口々に「ああ、がっかりした」とつぶやいたものです。

 しかしながら、おそらくは、M委員は「私が話す保全内容はハードルが高いので、JR東海には無理な注文に違いない」と思っているかもしれません。Y委員も、その表情からは「これでいいのか」といった計画への不可思議さが覘いていました。

 だが、何かがあったのです。
 
 10月28日の審査会とは同じ委員なのにまったく別の雰囲気。何があったのか。


●なぜ県がJR東海の代弁をする?

 さらに、この審査会で、傍聴した人が「あれ?」と思ったのが、質問にJR東海が回答すべきところを県の事務局が回答することが何度もあったことです。すぐ隣にJR東海の職員たちがいるのにです。

 傍聴していたTさんが、翌日、これを県側に質問状を送りこれを問い質しました。以下、その質問と回答です(抜粋)。

●質問(2)
 「資料2-2」の表紙には、「東海旅客鉄道株式会社」(以下、JR東海)と書かれているにもかかわらず、審査会中は事務局(県職員)が、その資料の内容である、 委員からの質問と、それに対する事業者からの回答を読み上げていた。
 JR東海が作成した資料(内容は前回の審査会で出た質問に対する事業者からの回答書)は、JR東海が作成したものであり、事務局は一切関知していない資料であるはずである。
 本来ならば、資料の作成者であり、委員からの質問を受け、それに対する回答を作成した事業者であるJR東海が資料についての説明をすべきであると考えるが、その資料の内容を事務局が読み上げたのはなぜか。

▲回答
 審査会では、原則として、図書が提出された第1回目の審査は、事業者から図書の内容について説明を聴くため、事業者の出席を求めていますが、2回目以降は、提出された図書を基に審査を進めることから、事業者は出席せず、事務局が審査資料の説明等を行っています。そこで、今回も事務局が資料の読み上げを行いました。
 しかしながら、今回のリニア中央新幹線については、大規模な事業であり、また、「磁界」や「微気圧波」といった特殊な環境影響評価項目が含まれるため、事業者が直接、審査委員の質問や意見を聴き、回答することで審査が円滑に進むよう、出席を求めたものです。

 

 いかがでしょう。これはまったくおかしな回答です。「JR東海が直接回答することで審査が円滑に進むよう、出席を求めた」と回答しているのに、やはり回答は県事務局が行っている。不可思議です。
 今回の審査会を傍聴した人は誰がも、「県とJR東海は互いに独立している組織なのに、あれはおかしい」と思ったのも無理はありません。


 
●質問3.審査会事務局の立ち位置について
 JR東海からの回答を事務局が読み上げることにより、事務局の立ち位置が非常に曖昧になった。
 本来、事務局はどちらにも寄らない、中立の立場であるべきだと考えるが、今回の審査会において、事務局が事業者からの回答を読み上げたことにより、事務局の立ち位置が事業者寄りであるのではないかと思わざるを得ない。
  審査会事務局の立ち位置はどのようなもので、事務局の役割は何なのか、回答されたい。

▲回答 審査会の事務局として、審査会資料の調製、会計などの役割を担っています。


 木で鼻をくくったような・・という表現がありますが、その典型のような回答です。

 ともあれ、私も次回も傍聴してみます。というのは、出席するとしたらF委員の言動が気になるし(F委員は、10月28日のことを書いた前回のブログでは「方法書の知事意見についてあまりにも答えない準備書は、私は初めて見た」と発言した人です)、やはり、他の委員たちの良心を信じて、何かしらの進展を期待したいからです。
 


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