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●何度も指名停止を受けているパシフィック・コンサルタンツ社

 JR東海のリニア中央新幹線計画での、環境影響評価準備書の住民説明会。
 神奈川県川崎市麻生区での説明会で、ある住民が以下の質問を投げかけました。

「リニア計画のアセスを受注したパシフィック・コンサルタンツ社はかつて、緑資源機構が発注した業務において談合を行い、国から指名停止を受けている。なぜ、そのような企業をアセスの調査会社に任命したのかを説明していただきたい」

 JR東海は「専門性が高いから」とだけ回答。

 ともあれ、この企業に関心をもった私は、インターネットで調べられるだけ調べてみました。
 すると、緑資源機構だけではなく、かつて、いや今年ですら、さまざまな事件を引き起こしている会社でありました。

 パシフィック・コンサルタンツ(PC) と
 パシフィック・コンサルタンツ・インターナショナル(PCI) という会社は同列会社です。

 前者が国内の事業を、後者が海外事業を展開していると理解すればいいでしょう。では、以下、調べてみた結果です。



●2008年。緑資源機構談合事件
国土交通省が2008年5月26日、緑資源機構が発注した特定林道調査測量設計業務をめぐり、15社が談合。PCもその11社。
 2008年6月9日から同月23日まで営業停止。


●コスタリカ事件
★2004年9月から2ヶ月間の指名停止。
 JICA(独立行政法人国際協力機構)はコスタリカにおけるODA事業「テンピスケ川中流域農業総合開発計画調査」の一部をPCIに委託。
 そして、PCIは、その事業を外部事業者に委託する(再委託契約)のだが、JICAで定めた再委託契約のルール違反。JICAが定めた支払条件と違う形で支払を行い、かつ、再委託契約をする相手を選んだ経緯がJICAへの報告と異なっていた。
 このため、2ヶ月間の指名停止を受ける。

★2004年12月21日から2005年6月20日まで6ヶ月間の指名停止
 JICAは、その後もPCIへの事情聴取や、各方面から情報を得た結果、新たな不正を見出す。
 再委託契約先の責任者が、再委託契約先になる権限を持っていなかったのだ。
 PCIがJICAに再委託の金額として請求した23万1000ドルのうち、一部しか再委託契約の相手に支払っていなかった。

★2005年6月21日から2006年3月20日まで9ヶ月間の指名停止
 JICAは、PCIの受注事業を調査したところ、「グアテマラ国全国観光開発調査」、「ボスニア・ヘルツェゴビナ国運輸交通マスタープラン調査」、「コスタリカ国沿岸地域観光土地利用計画調査」、「エクアドル国シエラ南部地域生産活性化・貧困削減計画調査」の再委託業務においても、「契約競争参加資格者指名停止等措置細則」に定める措置要件「不正又は不誠実な行為」に抵触する行為が判明した。
 PCIが2000~04年に受注したコスタリカ、グアテマラ、エクアドル、ボスニア・ヘルツェゴビナでのODA事業の受注総額は約11億円。
 JICAの調べでは、再委託先への請求額よりもJICAへの請求額が低い事業が4件判明している。


 ■このコスタリカの案件についての国会での質疑は以下のとおり。

参議院決算委員会 9号 平成17年(2005年)04月25日

 公明党の遠山清彦でございます。
 まず最初に、私は、先ほど谷委員も質問されておりましたけれども、当委員会におきまして私が2月22日に質問いたしましたコスタリカにおける開発コンサルタント会社PCIの不祥事に関連して伺います。
 外務大臣、これ確認で私申し述べたいと思いますけれども、今回の事案は、2400万円の規模の業務をコスタリカの政府の国土地理院に委託をしたんだけれども、600万円だけしか実は振り込まれていなくて、1800万円は使途不明になっていたと。しかも、たった5年前の事業であるにもかかわらず、PCIは会計書類は一切ないということを言っていた事案でございます。さらに、その後、もっと深刻な問題でありますが、PCIの社員が架空のサインを使って、コスタリカの役人に成り済まして領収書を作って500万円を流用したと。
 その結果として、今、指名停止処分を受けているという問題でございます。

 ■会計検査院の調査によれば、PCIがJICAから請け負ったODAの現地調査で、契約額を水増しした現地企業との契約書を提出したり、実在しない企業との契約書を偽造したりするなどの不正が判明している。PCIグループによるこの種の経理処理は、2004年度までの5年間だけでも実に11カ国、30件以上にのぼっている。


●詐欺容疑
★2008年5月17日より9ヶ月間の指名停止
 内閣府・遺棄化学兵器処理担当室が発注する(中国の)遺棄化学兵器処理事業を巡り、それを受注したPCI社が、事業費を約1億2000万円水増しして国に請求していた疑いが強まり、東京地検特捜部は、2007年10月17日から19日まで、PCIグループ企業内で不正な経理処理が行われた疑いがあるとして一斉に家宅捜査に入った。捜索個所も荒木民生元社長の自宅など実に20数か所にも上っている。

 内閣府の資料によると、PCIのグループ会社「遺棄化学兵器処理機構」(港区)は、不正流用が行われたとされる2004~05年度、同事業を計約150億円で受注。このうち計約67億円分の業務を随意契約や一般競争入札で計10社に再委託したが、委託費の約85%に当たる約57億円分は、「総合コンサルティング業務」の名目で、PCIなどの共同企業体に随意契約で委託していた。
 その後、PCIは、業務の一部をグループ会社「パシフィックプログラムマネージメント」(PPM、千代田区)に再委託。そのPPMもさらに下請け会社に発注した形を取っていた。
 PCIのグループは、国から委託された一つの事業で再委託を繰り返し、機構、PCI、PPMの3社がそれぞれ、業務委託料という形で利益を分配。特捜部は、再委託の過程で約1億円が流用されたとみている。

 2008年5月13日、東京地検特捜部は荒木民生元社長ら2名を特別背任(会社法違反)の罪で起訴。多賀正義前社長ら5名が詐欺容疑で逮捕された。
 5月20日、この逮捕で、同社に対し、ODA事業での受注契約の自粛を申し入れた(自粛要請期間は20080年5月20日から9ヶ月間)。
 これを踏まえ、内閣府によって、5月17日より9ヶ月間の指名停止措置が講じられた。


●可児衛生施設利用組合事件
★2013年5月22日から8月21日の3ヶ月の指名停止

 パシフィックコンサルタンツ株式会社岐阜事務所(岐阜県岐阜市元町二丁目9番地403号)が、「ささゆりクリーンパーク」第2期最終処分場整備事業に伴う実施設計等業務の入札書を提出し、落札決定後、誤った金額により入札したことにより契約辞退を届け出たことは、不誠実な行為であり、契約の相手方として不適当である。
(可茂衛生施設利用組合建設工事請負契約に係る指名停止措置要領に準用する可児市建設工事請負契約に係る指名停止要領第2条別表第2第8号「不正又は不誠実な行為」に該当する)。

 これはどういうことかと、私(樫田)は利用組合に電話をしました。こういうことでした。

 ささゆりクリーンパークでの事業で入札を実施。
 その結果、入札だから当然ですが、一番安い見積りを出したPC岐阜事務所が落札。
 ところが、後日、同事務所から「落札額を間違えました。少なすぎました。辞退します」と利用組合に連絡が入ったのです。
 つまり、落札額ではペイしないということです。
 ところが、入札のためにいろいろと準備をしてきて、落札も決まり、契約の準備までしているところでの「契約辞退」に、利用組合では「不正義極まりない」と、PC岐阜事務所を指名停止にしたということです。


●沖縄・辺野古ボーリング調査の契約金額の膨れ上がり
 
 沖縄県民の大半が反対する辺野古での基地建設計画。このボーリング調査を受注していた一つがPC社でした。

 契約金額は、シュワブの地質調査に関しては、
・シュワブの地質調査その1 サンコーコンサルタント㈱沖縄事務所 約9800万円。
・シュワブの地質調査その2 PC沖縄支社 約4800万円。
・シュワブの地質調査その3 PC沖縄支社 約9300万円。
・シュワブの地質調査その4 応用地質㈱沖縄営業所 約5億4000万円。
・シュワブの海象調査    ㈱東京久栄 約6200万円。

         合計 約8億4000万円

 5件の契約期間は、2003年4月1日~2004年3月31日だったが、2004年3月31日と2005年3月31日にそれぞれ履行期間を1年間延期する契約変更を行っている。
 ところが、この5社は、「当該業務委託料では賄えなかった」として、契約金額の8億4000千万円に対し、じつにその3倍以上の28億円余りの超過金額の請求をする。国が応じなかったため、5社は提訴。
 その結果、裁判所の和解勧告で和解となる。

 和解の支払額は
・PC社 11億9735万7500円(当初、受注額の8倍以上!)
・㈱東京久栄 8129万1000円
・応用地質㈱ 8億2933万500円
・サンコーコンサルタント社 1億5120万5250円

 合計 22億5918万4250円 及び それぞれの金額に対する遅延損害金。

 国会でこれを質問した、沖縄選出のテルヤ寛徳議員(社民党)は「8億4000万円が28億に膨れ上がるのは常識的に考えられない」と発言している。




 私は、まだまだ調査不足で、PC社が神奈川県以外でもリニアのアセス調査を受注したのかを知りません。
 ただ、おそらくは、PC社単独ではなく、これを外部発注(再契約)しているかもしれず、その業者名も知りたいところです。
 そして、アセスにおいて、どういう調査を具体的に行ったかも知りたい。

 というより、JR東海こそがそれを具体的に教えてくれるべきです。

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