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 8月6日は広島への原爆投下の日。
 本日の広島での式典で広島市長は、核兵器を「絶対悪」と言い切りました。その通りです。
 しかし、そうは思っていないのが、アメリカの国民の多くであり、アジアの国民の一部です。
 
 前者は、原爆が第二次大戦を終結させたと評価し、後者は日本の侵略から解放されたとの意味合いで。

 1996年8月。
 私は、アメリカのニューメキシコ州とアリゾナ州を取材していました。
 ウラン鉱山で働いていたアメリカ先住民にガンによる死者が相次いでいることを調べるためです。

 そのことは本日は書きませんが、この取材旅行で印象深かったのが、ニューメキシコ州の州都アルバカーキ市にある「原子力博物館」を訪れたときのことです。同州は、世界初の原爆実験を行なった場所。そういう背景のある博物館は驚きっぱなしでした。
 ここは入場料無料、写真撮影も自由。


 まず、博物館入り口の手前の壁には、原爆を投下した爆撃機「エノラゲイ」の乗務員の肖像画が飾られています。彼らは間違いなくアメリカではヒーローなのです.

エノラゲイ


 ついで、入り口のドアを開けて、展示室に入ると、最初に目に飛び込んでくるのは、広島に落とした原爆「リトルボーイ」と長崎に落とした原爆「ファットマン」の実物大の模型。

原爆模型


 その近くの壁には、原爆投下の翌日の新聞が展示されてあり、「ATOM BOMB ROCKS JAPS」(原爆、ジャップを激震)との一面見出しが。

原爆新聞


 他にも、さまざまな;核兵器の実物大模型が置かれていて、退役軍人らしき人が、訪問する若者たちに、核がいかに平和に寄与したかを説明しています。

 衝撃を受けたのは、売店です。
 そこでは原爆Tシャツや原爆キャンデーが売られているのです。
「お一ついかが?」と女性店員はニッコリ。

原爆キャンデー

原爆Tシャツ


 そして、その前年の1995年、日本政府の抗議で発売中止になったはずの原爆切手も売られていました。でも、よく見ると、額面を抜いてある「切手もどき」=「記念シール」でした。
 こう印字されていますーー「August 1945 Atomic bombs end WWⅡ」(1945年夏、原爆は第二次大戦を終結させた)

原爆切手もどき

 その「切ってもどき」にはこういう説明書きも添えられていました。

history-denied

 これの意味するのは「(前略) 日本政府の抗議とクリントン大統領の干渉により、郵政省は不本意ながら、原爆使用による第二次大戦の迅速な終結を記念した切手の発行計画を中止した。皮肉にも、ホワイトハウスがこの声明を出したのは94年の12月7日という、日本の真珠湾攻撃からちょうど53年たった日だ。この記念シールは発行停止となった切手の代わりに作られ、戦争犠牲者に名誉をたむけるものである」


 売店では、客はそれら「みやげ」を自分のセンスに合わせて買い求め、女性店員は絶えずほほえみを返す。私は、初めて実感として、日本人がもつ核への意識と、アメリカ人のそれとの違いを思い知らされました。

 双方の意識の溝を埋めるには、どうしたらいいのか? それには、原爆の下でうめき苦しんだ人々の声をただ伝え続けるしかないと思いました。

 ただ、私はそこで、もう一つの視点も忘れてはならないと思いました。
 それは、アメリカでは、原爆投下により終戦が早まったことで、何十万人もの米兵の命が救われたと信じられています。そして、「救われた」と捉えているのはアジアの人々も同様です。原爆は、自分たちを日本の侵略から救ってくれたと捉えている人がいるのです。

 日本が加害行為を働いたのは事実です。これ抜きに、被害ばかりを強調しても、特に戦争での被害を忘れられないアジアの高齢者からは「自分たちのことは語らないのか」と思われかねません。
 被害も、同時に加害行為も胸に刻んでこそ、戦争の悲惨さはより強く伝えられるのだと思います。


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2013/08/06 21:09 戦争 TB(0) コメント(1)
コメント
No title
面白かった。
2013/08/19 01:13  URL [ 編集 ]















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