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●「今後は折込みが難しいです」 --リニア問題を伝える会報の折込拒否ーー

 岐阜県中津川市に「東濃リニアを考える会」という市民団体があります。
 事務長の原重雄さんは、元JR東海の職員でもあり、労働組合「JR東海労働組合」のOBでもあります。同組合は、JR東海に4つある労働組合のなかでも最小ですが、物申す労組でもあります。

 さて、会は、2011年6月から会報「東濃リニア通信」を発行しています。
 これは現在、12号まで発行されていて、できるだけ多くの人に読んでもらいたいとの趣旨で、地元では70%のシェアを占める中日新聞に折り込まれて購読されています。

 通常、市民団体には1000人も会員がいれば大きいほうですが、その地域で2万5000部の新聞に折込めば、数万人に読んでもらえることになるので、周知行動としては無視できないほど大きなものになります。

 ところが、この会報の新聞折込みが今、続けられないかもしれません。
 以下、原さんのブログ、及び本人からの話を整理してみました。

http://blog.goo.ne.jp/ookute3435/d/20130623



 中津川市にある「(株)中日岐阜サービスセンター東濃支店」に会報を持ちこんで、しかるべき料金を支払えば、中津川市と恵那市の新聞販売店に会報を配送してくれまる。原さんたちはこれを利用して、中津川市と恵那市で70%のシェアをもつ中日新聞(それぞれ2万5000部と9000部)に会報を折り込んでいます。
 ただし条件があります。中津川市、恵那市と旧恵那郡の地域では、中日新聞を扱う販売店が「中日新聞販売店会」を結成していて、商業広告以外の折込を依頼する場合は、この販売店会の代表に事前に「折込検討依頼書」を提出し許可を得なければならないのです。
 
「東濃リニア通信NO12」を6月24日に折込んでもらうため、原さんたちは、6月11日に「折込依頼書」を提出。19日の夕方に、ファクスが届き、取り込みが許可されたことを確認しました。ところが、21日に、販売店の代表から電話がありました。

「今回は折込みを許可したが、中日新聞からの要請があり今後は難しいかもしれない。商業公告以外の折込みを受けているのは中津川市内だけで、他の地域ではない」

 私はこれを聞いたとき、ちょっと信じられませんでした。
 というのは、中日新聞や東京新聞はマスコミのなかでもジャーナリズムの正義を貫いている数少ないメディアの一つだと思うからです。

 ともあれ、原さんは知人に頼んだり、自身でも動いて調べてみました。果たして、販売店会議に出席した新聞販売店の複数の人間から以下の言質を得たのです。

「JR東海から中日新聞本社に、リニア関連の折込みを止めさせるようにとの圧力がかかっている」

 この件について、原さんはブログで書いています。

「日本を代表する大新聞社でも、大企業や大スポンサーの都合の悪いことは、伝えてもらえないという話は聞いたことがありますが、身近に実際に起きるとは思いもよりませんでした。事実だとすれば、その権力をもって、田舎で真実を伝えようとする小さな情報に圧力をかけるという事は、あってはならないことだと思いますし、憤りを覚えます」

 近いうちに、東濃リニアの会は「東濃リニア通信NO13」を作成します。これは果たして折込みができるでしょうか? 注視したいです。


●眼前で起こったJR東海の小さな阻止行動

 じつは、似たようなことが、2013年7月24日、JR東海による神奈川県川崎市での説明会でも起きました。
 説明会開始前の30分間を利用して、市民団体「リニア新幹線を考える東京・神奈川連絡会」のメンバー数人が、会報「ここが問題! リニア新幹線」号外のビラまきをしていました。配ったビラは、会場の椅子の数に合わせた約八百枚。

 そこへ、JR東海の若い職員2人がやってきて、こう要請したのです。

「ビラまきはおやめください」

「何言ってんの。違法行為じゃないでしょ」
 と連絡会のメンバーは無視して配布を続けます。

 確かにそうです。違法行為ではありません。
 私は職員に「JR東海の社員ですか?」と尋ねてみました。

「はい」
「ビラまきは違法じゃありません。なぜ、中止を訴えられるのですか?」
「お願いとしてです…」

 とても小さな声。
 そして、職員たちは、ビラまきを続ける市民たちを前に気弱そうに立ち尽くしているだけでした。

 これは、この若い職員たちの発意で起こした行動ではありません。当然ながら、上司から「君たち、あのビラまき止めてきなさい」との命令を受けていたに違いありません。
 つまり、その命令をした社員は決して市民の前には現れません。

 JR東海はいったい何を怖れているのでしょうか。
 情報を周知する。みんなが知る。そして議論が起きる。それは、リニアという巨大事業を推進する過程において、JR東海にも住民にも望ましい状況だと私は捉えています。

 JR東海は自らは具体的情報をほとんど提示しません。かつ、市民団体のリニアについての情報発信を阻害しようとする。
 情報を一般市民が知ることが怖いのでしょうか? 

 関係者の多くは今でも、「一度は、説明会ではなく、賛成派も反対派も徹底討論をする公開討論会の開催を」と望んでいます。
 このままだとそれが実現することなく、JR東海は実現に向けた最後の手続きである「環境影響評価準備書」の縦覧を始めてしまうことになります。

 JR東海はそれほどあくどい会社だと私は思いません。
 ただ社内の一部の強い力学でもって、会社全体がリニアに傾いていますが、良心的な社員は多いと思います。一人でも二人でも「市民と対談しましょう」と声をあげてくれる人が出てくることを祈るばかりです。



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