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●岐阜県で1年ぶりの説明会

 5月25日、岐阜県中津川市でほぼ1年ぶりとなる、JR東海によるリニア中央新幹線の説明会が開催されました。

 とはいえ、私は今回は参加していません。
 
 今回は、「リニア新幹線を考える相模原連絡会」の伊藤貴徳さん(27歳)が参加し、その録音データを起こしたものを送っていただきました。

 それを読む限りでは、一年前と何も変わっていないと思わざるを得ませんでした。JR東海は、住民からの質問に、電磁波問題でも水枯れの問題でも「具体的回答」で応えていないのです。
 いや、それよりも、やはりこのようなただ単に質問を受け付けてそれに回答するという形の説明会では、そもそも議論にも検証にもなりません。

 JR東海には、賛成派と反対派、中間派とが同じ場で意見や疑問を徹底してやりとりする、議論の場を設定してほしいと望みます。


●どうなる。ウラン鉱床。

 リニア計画において、岐阜県だからこそもっとも考えなければならない問題のひとつはウラン鉱床の存在です。

 岐阜県東濃地区には、分かっているだけで日本のウラン鉱床の6割もが集中しています。
 ここをリニアが通ります。

 リニアは最小曲半径が8キロ。つまり、ほとんど真っ直ぐにしか走れません。もしトンネル工事の最中にウラン鉱床にぶつかってしまったら、もう回避できないということです。
 そうなると、量の大小はありますが、核物質ウランを含むウラン残土、そして、ウランから発生するラドンガスが環境に漏れることになります。
 
 その問題を巡り、今回の説明会では、JR東海からの説明、そして、会場からの質問とそれに対してのJR東海の回答を聞くことができました。以下、テープ起こしから。



1.JR東海の説明

 ウラン鉱床について説明します。お手元の「ご参考」の2頁をご参照下さい。

 まず花崗岩と自然放射線量の関係について説明します。左の図は花崗岩の分布を、右の図は自然放射線量を示したものです。これら図から分かりますように、一般的花崗岩にはウラン等が含まれやすく花崗岩が分布している地域は自然放射線量が高くなる傾向にあります。

 ご覧のように東濃地域は左の花崗岩の分布図ではピンク色で、右の放射線量では赤色になっており花崗岩が分布し自然放射線量が比較的高いことが分かります。

 東濃地域のウラン鉱床につきましては、独立行政法人・日本原子力研究開発機構いわゆる旧動燃や、専門家から資料収集及びヒヤリングを行いました。旧動燃はこれまでこの地域で約1400本のボーリング調査を行っておりウラン鉱床の位置を把握しております。

 下の図は、東濃地域におけるウラン蓄積箇所のイメージ図です。この図に示す通りウラン鉱床は主としてお椀型に窪んだ花崗岩の上部に堆積した瑞浪層群のうち土岐夾炭類層と花崗岩との境界部分などにみられることがわかっています。

 ウラン鉱床が形成される過程について、ご説明します。まず花崗岩の中に含まれるウランは地表近くの雨水や地下水により酸素と結合し、ウランは酸素と結合しますと動きやすくなりますので、それが瑞浪層群に浸透します。瑞浪層群のうち土岐夾炭類層は有機物を多く含む地層であり、ここに浸透したウランは酸素が奪われて動けなくなりその場所にウランが沈殿しウラン鉱床となります。
 何千万年という歳月を通じてこのように花崗岩上部の土岐夾炭類層との境界部分にウラン鉱床が形成されることが分かっています。対象事業実施区域におけるウラン鉱床の分布につきましては、紫色で示す通り日本原子力研究開発機構からの資料収集及びヒヤリング等により把握しております。ルートの選定に当たりましてはウラン鉱床は回避して計画します。


2.会場からの質問とJR東海の回答


●質問 土岐市 Hさん

 残土のことでお尋ねします。最初におっしゃったようにウラン鉱床があって、それを避けて掘るという話でした。ところが原子力機構が1400本のボーリングしました、そのボーリングのコアですね、コアを野晒しにしていたんです。そうしましたら基準を超える放射線が検出されまして、要するに、ウラン鉱床でなくても微量だと思いますがウランが含まれている可能性がある。そうすると残土をどのように処理するかが問題になると思います。
 掘りながら放射線の計測をなさるのかどうか、直接検査をするのか、(法令を?)ちゃんと順守されるのか伺います。

 もう一点、先ほどの説明で中部電力は2817万キロワットで余裕があるとおっしゃいました、74万キロワットは大変な数字ですので、これで余裕があるといえるのかどうか、真夏になり厚くなるとピーク電力は跳ね上がりますね、そして節電という事になるわけです。そうするとこの電力量というのは原発が再稼働の使用電力量になっているのかをお尋ねしたい。
 これからの電気需要は不透明です、電力の自由化、発送電の分離もありどのようになるのか説明して下さい。
 新潟県の柏崎刈羽原発から送電線を山梨の実験設備に引いている。中越地震の時に刈羽原発は凄い揺れで、あわやというところで収まった、活断層があるといわれており、刈羽原発の再開は見込めないのではないか思いますが、そのこともお答えください。


▲回答 ウラン鉱床につきましては、ルートの絞り込みに関しましてウラン鉱床を回避します。今回ウラン鉱床を回避することから問題は生じないと考えておりますが、掘削に当たりましては念のために線量計などを用いまして、状況を確認して施工してまいります。
 どのように管理していくかという点ですけど、周辺環境や作業環境に問題はないか、鉱山保安法などの関係法令を参考にしながら適切に対処していきたいと考えております。なおトンネル工事では地山を掘削するだけで自然放射線量を高める処理を行わないことから法令の対象となっておりません。


●質問 幸町 Iさん

 ウラン鉱床を回避するということで、動燃のボーリング調査を根拠に地図で示されているわけですけれども、この3km幅でJR東海としてボーリング調査等をしてウランの放射線量やラドンガスの濃度検査をする用意はあるかどうか、お答えください。

 このウラン鉱床はですね、塊としては確かにそうかもしれませんが、花崗岩とその上の堆積岩のところに形成されるわけで、東濃地域は日本最大のウラン鉱床・月吉鉱床があって、それが点在しているところに特徴があると思いますけれど、JR東海としてボーリング調査をする意思ははあるかどうかお答えください。
 

▲回答  環境影響評価の調査を行っていると先ほどから説明しております。その調査には現地調査・文献調査・専門家のヒヤリングとこういったものをまとめて調査という事でございます。
 旧動燃等は国の政策としてウラン資源の探査を目的とした航空機による広域的な調査を踏まえまして、地上におきましては、550m間隔でボーリングを行ったと非常に科学的な形で十分な調査を行っているという事でございますので、信用できるものと私ども考えております。
 いずれにいたしましても、こうして明らかになっておりますウラン鉱床は回避致しますので、ウランに関する問題は生じないと考えております。


 ちなみに、このやりとりでは、日本原子力研究開発機構の名前が出てきますが、先日、東海村で放射能漏れ事故を起こしたばかりなのは記憶に新しいですが、ここが岐阜県瑞浪市で運営しているのが、高レベル放射性廃棄物の地層処分を研究する「浪超深地層研究所」です。
 上記説明会で、1400本のボーリング調査をしたというのは、おそらく、ここのことです。

 昨年夏、私はここに電話をして尋ねたことがあります。
 
「東濃地区でのウラン鉱床の存在はすべて把握しているのですか?」と。

 すると回答は

「おおよそは把握しています。しかし、地面の下のことなので、実際のところは『彫ってみないと分からない』というのが実情です」

 というものでした。

 あまりにも、上記JR東海の説明とは隔たりがあります。

 だから議論と検証は絶対にやるべきだと考えます。
 このまま、すべてがあいまいのまま着工されていいはずがありません。

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