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 以下、元々、ブログに書くつもりではなく書き留めた文章なので、いつもの「ですます」調ではないですが、ご勘弁を。

●おめでとうを言えない

三浦雄一郎氏が80年歳でエベレストに登頂した。誰しもエベレストに挑戦できるではないが、目的をもって何かをやり遂げることの大切さを教えてくれた行動であった。見習いたい。

とはいえ、私は三浦氏に心の底から「おめでとうございます」と言うことができない。
 果たして、シェルパの人たちはこの快挙をどう思っているかを考えてしまうからだ。

●「ミウラ・ユーイチローを知っているか?」

 1991年か92年だったが、私はネパールをトレッキングした。
 ネパールでは激増するトレッキング観光客のため、トレッキングルート沿いでは宿や食堂も無数に増えている。このため、料理や暖房のために近隣の林という林からは木がなくなり一大環境問題と化していた。
 
 現地のNPOは、木を切る代わりに、燃料として灯油などを普及させる運動に務めていた。あと植林も。
 そこで、その運動の効果のほどを確かめるために歩いて取材をしたのだ。NPOの活動の効果は及第点を与えてもいいと思った。

 だが、私は同時にもう一つの事項に気づいた。
 私のように一人でトレッキングする旅行者も多いが、ポーターや料理人などを従えての「殿様トレッキング」もけっこういたことだ。ある一人の日本人は、総勢5~6人くらいのガイド、ポーターや料理人を従え、それで払う人件費は一日1万円にも満たなかった。

 こういうガイドやポーター、そして料理人などはほとんどすべてシェルパ人だ。

 シェルパといえば、どうしても、今回の三浦氏の登山のようにエベレストなどの高峰での活躍を思い浮かべるが、実際はトレッキングでも活躍している。

 一つには、性格というか身のこなしというか、人当たりがとても柔らかい。仕事もきちんとやる。雇い主を「サーブ」(だんな様)と呼び、上下関係をきちんと守る。そして、なんといっても山に詳しく、山では強靭な能力を発揮する。

 私はそのとき、アンナプルナというネパールの西にある名峰のベースキャンプ(標高4000メートル)を目指して歩いていた。途中で、マレーシアあたりから来た若者たちを連れ立ったシェルパのガイドやポーターと出会った。
 30歳前後と思しきガイドが声をかけてきた。

「日本人か?」
「はい」
「トレッキングか?」
「うん。それに加えて、ここのNPOの活動も見に来た」
「おお、そういう目的で来るやつは珍しい。日本人はたいていは、トレッキング、そして、エベレスト登山だ」
「あなたもエベレストに?」
「いや、俺は行かない。俺の仲間は何度も行っているが」
「日本人の登山客は多いか?」
「そりゃ、多い。毎年のように」

 ここまで話してガイドは黙った。そして数秒後にこう言った。
「登山はまだ目的が分かる。あの頂に立ちたい気持ちは分かる。ただ俺たちは、エクスペディション(探検や冒険活動)は理解できない」
「エクスペディション? たとえば?」
「冬にエベレストに上るとか、スキーで滑るとかだ。ミウラ・ユーイチローを知ってるか?」
「有名だ。1970年にエベレストをスキーで滑ったんだろう」
「そうだ。そのとき俺たちシェルパがそのエクスペディションに参加し、彼を高所にまで導いた。だが、知っているだろう、途中で、氷塊の陥落で、シェルパが6人死んだ。シェルパの遭難死としてはそれまでの最大規模だ。だがミウラはそこでスキーをやめなかった。彼は上に行きスキーで滑った。6人は何のために死んだんだ?」
「6人の遺族は今どうしている?」
「稼ぎ手の男がいなくなったんだ。それなのに、慰謝料も補償金も何もない。細々と暮らしている」

 私の頭からはこのときの会話が今も消えない。
 ガイドは、外国人のために犠牲になるシェルパがいるのに、それに対して、その遺族を支える制度が登山者や冒険家から何も提示されないことに強く憤っていた。


●登頂しても死亡しても光が当てられないシェルパ

 シェルパは命の危険があるとはいえ、生活のために外国人と山に向かう。
 そして、エベレストでは頂上直下まで自らルート工作をして、最後の最後で外国人登山者に「サーブ。どうぞ」と道を譲る。そして栄光はその外国人に当てられ、実質的な登山者であるシェルパ本人には光は当たらない。
 そして、エベレスト登山で亡くなったとしても、やはり光は当たらない。登山者個人もそのチームも「お気の毒に」で終わる。

 私が会ったあのガイドは今、三浦氏の80歳でのエベレスト登山をどう思っているのだろうか?
 それを思うと、どうしても三浦氏に心の底からの「おめでとうございます」は今は言えない。

 もっとも、三浦氏も70歳でのエベレスト登山で、登山途中で遭難死したシェルパの墓前で手を合わせていた報道はあった。だから、その後も遺族のために何かをしてあげているのかもしれない。
 そこも報道してほしかった。それがあれば、お祭り騒ぎの報道だけではなく、エベレストでの光と影の両方を描き出してくれたと思うのだ。


●「私、日本人を憎んでいます」

 私が上記ガイドに会う、数年前だったと思うが、週刊読売だかに、ネパールをトレッキングした日本人女性の旅行記が載っていた。エベレストに近い村で滞在しているとき、他と違って、どうしても自分と話をしようとしない女性がいたので、ある日話しかけてみたら、その女性は「私、日本人を憎んでいます!」と言って戸を閉めた。
 いわゆる、登山未亡人だったのだ。
 夫が死んでも、慰謝料も補償金もなく、親戚からの助けだけで細々と生きている女性。
 日本人女性はその事情を知ると、何の言葉をかけてあげることもできなかった。


●野口健氏の活動「シェルパ基金」
 
 私は野口健氏の活動を評価する。
 野口氏はご存知の通り、7大陸の最高峰にのぼり、かつ、エベレストの清掃登山も行なうなど、山と外国人との関係性から生まれた問題に取り組む人物だ。
 
 野口氏は、上記、登山未亡人や登山孤児の問題に取り組んだ。以下のサイトにその経緯が書かれている。

 http://www.noguchi-ken.com/ACTIONS/syerupa.html

ーー引用、ここからーー

 シェルパとの共存共栄

 シェルパとはヒマラヤの案内人のことです。しかし、毎年遭難や事故にあうシェルパは少なくなく、残された家族への補償や、事故にあったシェルパへの医療やケアは十分ではありません。

 1995年11月10日にネパール・クーンブ地方にて大雪崩による事故が発生しました。日本人13名、ネパール人12名の計25名が亡くなりました。その中に野口が弟のように接していたナティー・シェルパー(当時18歳)が含まれていました。
 日本でもその模様は連日報道されました。しかしどのメディアでもシェルパ族の遭難に関してはほとんど触れられていませんでした。

 野口は急いでヒマラヤに飛び、ナティーの亡骸の前で兄デンディーに会います。デンディーは涙ながらに「私たちは好きで山に登っているのではない。危険を承知で山に登らなければ生活していけないんだ」と訴えたそうです。
 実は野口自身も、毎年多くのシェルパが亡くなっていることについて知りませんでした。

 この事故以来、野口はシェルパ族と登山隊の共存について思索に耽ります。

「シェルパは、登山隊が彼らを必要としなければ生活ができない。逆に登山隊も彼らの協力なしではヒマラヤでは活動できない。しかし自分たちの夢を実現するためにシェルパ達を犠牲にしてはいないか。無理難題を強いてはいないか。シェルパとの共栄共存の道はないのだろうか」
 そして少しずつ「シェルパ基金」の構想がふくらみ、設立にいたりました。
 
 シェルパ基金はシェルパ(他民族も含む)が山で遭難死したり、また下山後に高度障害の後遺症により死亡したシェルパの遺児達の教育費を負担することが主な目的としています。これまで計9名の遺児達に援助を行ってきました。また基金の設立により、広くシェルパの現状を知らしめることも目的としています。
 今後は遺児の教育以外にも、後遺症があるシェルパの復帰訓練、山間部への学校設立などを徐々に活動を広げていきます。



 もし三浦氏もこういった活動に携わっているのであれば、今回の登頂とあわせ、メディアはそれこそを報道してほしかったと思うのだ。

 ←『テンジン―エベレスト登頂とシェルパ英雄伝』。かつて、エベレストを登頂した登山家は「栄光」に包まれた。だがその多くは、ヒマラヤの山岳民族シェルパの献身的協力なしには実現しなかった。もっと言うなら、シェルパこそが、外国人より高い登山能力でもって、頂上直前まで率先して荷運びとルート開拓を行うのだ。今までないがしろにされてきた「シェルパの名誉」を本書は描く。著者の一人は、1953年にヒラリーとともにエベレストを初征服した伝説のシェルパ、テンジン=ノルゲイの孫。
 テンジンの初登頂依頼、エベレスト登山は、「危険な臨時仕事」から「正式な仕事」へと変わり、近年では自らエベレスト遠征隊を組むシェルパは珍しくない。それも含め、エベレストをシェルパの視点で描き直しているのは一見の価値がある。
  猛吹雪のなか、死をも賭して外国人を救出しながら自ら頂上を目指す。本書では多くのシェルパが実名で登場し、そんな偉業が披露される。一方で、著者は外国人登山家を軽視しているのではない。むしろ、山に対するその真摯な情熱に深い敬意を表し、だからこそ、山に根ざした、祖父をはじめとしたシェルパ一族にも光を当てたいと願ったのだ。


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2013/05/25 22:10 未分類 TB(1) コメント(0)
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