取材しても、記事にできる情報は1割未満。しかし捨てた9割にも、伝えられるべきものがあります。ボツになった企画も数知れず。そんなネタを紹介します。なお、本ブログの文章と写真の無断転載はお断りします。ご利用希望者合はご一報下さい。
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樫田秀樹

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●ボツや延期だらけ

 先日書いた、「被災地で活かされない復興予算の事例」ですが、直後に、テレビと週刊誌に企画が通りました。苦労して調べた甲斐がありました。
 と思ったら、14日の突然の衆議院の解散報道で、その企画は吹き飛びました。
 
 こういった大事件があると、企画がなくなる、もしくは延期されることはよくあるといえばあることなのですが、今回は痛かった。

 具体的数字で言えば、テレビと雑誌を合わせて40万円は入る予定だったからです。
 テレビは12月11日放映予定だったのが、1月11日か2月11日の放映に延期する・・とは言われていますが、ネタが古くなれば、企画そのものがボツになる可能性は低くはありません。

 また、復興予算以外のネタでも一本通っていて、すでに、下書きを終えた原稿もありますが、こちらも解散劇の影響で無期限延期となっています。7万円くらいの原稿料です。

 つまり、合わせて50万円弱の収入のアテが短期間でパーになったのです。

 これが、会社勤めのジャーナリストならば、こういうことがあっても、月給という収入が保証されていますが、私たちフリーランサーは、あくまでも、雑誌に載る、テレビで放映されるなどの報道があって初めて、翌月か翌々月にギャラが入る仕組みです。いわば、完全出来高製です。
 その額が大きいほど、ギャラの支払いが遅れるのはとても痛いものがあります。

 その世界では、けっこう名の知れているジャーナリストでも、そのブログを読んで最近多いなと思うのが、「取材を支援してくれるための支援金のお願い」といったものです。
 つまり、取材経費をカンパしてくださいといったものです。

 これで果たして、どれだけのお金が集まり、取材活動に弾みがつくのかは、私は知りえる立場にありませんが、私がこれをやるかと問われれば少し考えてしまいます。

 まず、「応援団」からカンパは入るが、その支援にどう応えるかを考えてしまいます。せいぜい掲載誌を送るくらいでいいものなのか? また、私自身へのプレッシャーにならないかです。いい意味でのプレッシャーならいいですが、気持ち的に負担感が増えるのなら辞めるほうが賢明です。
 
 とはいえ、金がないことには取材そのものができません。

 実際、原稿料は私の知る限り、ここ30年間は値上げしてくれた編集部などほとんど一箇所もなく、私の知人でもジャーナリストを辞めた人はけっこういます。食えないからです。

 また、テレビではドキュメンタリーの放映枠は減り、雑誌でもルポ掲載のページが減っていることも、フリーランサーを追い詰めています。

 だから、せめて取材経費だけでも賄おうという上記の狙いは間違ってはいません。
 ただ、それには少なくとも、支援をしてくれる人たちと最低限の信頼関係でつながっている必要はあると思います。「もらいなれ」はあってはならないことです。

 週刊誌や月刊誌への記事ならば、出版社によっては、経費を出してくれますが、じっくり取材をして単行本まで考えるテーマならば、どうしても自費による経費の捻出になります。独身ならばともかく、家族がいるとどうしてもその踏ん切りは難しくなります。

 このブログでも何回か書いていますが、私が取材をしている奨学金問題にしても、もっとじっくり取材をしたい。じつは、ある出版社からは単行本として出すことを約束はされていますが、肝心の取材経費がネックとなり、なかなか取材が進まないのも事実です。
 具体的には、「神戸」「福島県」「福岡県」「岐阜県」「宮城県」等々を訪れる必要がありますが、これすべてを回っては、おそらく出版でいただける印税よりも多くの金を使うことになります。つまり赤字です。

 それでも、やろうと思います。なぜなら、マスコミもフリーランサーも、この問題に取り組む人がほとんどいないからです。今の時代を象徴する事象の一つを今残さずに、いつ残せるのかと思いもあります。

 腐っていても前へは進めませんからね。
 やることをやるだけです。

 とはいえ、上記、支援金の要請など、新しい形で読者とつながるフリーランサーのあり方は模索してもいいかなと思っています。

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2012/11/17 01:27 未分類 TB(0) コメント(0)
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