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樫田秀樹

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●7 generations walk

 9月22日(月曜日)に、7 generations walkというグループがJR東海・東京本社で「リニア中央新幹線計画の見直しを求める」要請行動を行いました。

 7 generations walk(7世代ウォーク)とは、「7世代先の子供たちの為に生きよ」というアメリカ先住民の教えから名づけられたもので、要は、「7世代先のことまで考えて、今ある環境や文化を大切にしていこう」を歩きながら訴える運動です。

 7 generations walk(以下、7G)は、今回、沖縄の名護市を出発し、一日30キロを歩きながら、原発問題に揺れる土地などを訪ねながら、東京に立ち寄り、最後はそこからUターンして、11月3日、富士山の山麓でゴールとなりました。

 代表は山田俊尚さん。天台宗の僧侶であります。
 まずは、山田さんがなぜ7G運動を始めるかを簡単に説明します。


●アメリカ先住民の教え

 山田さんは1973年生まれの39歳。実家が東京都江戸川区の「最勝寺」という天台宗のお寺で、山田さんも96年、その総本山である比叡山延暦寺で修行を積みました。
 同時に、山田さんは、世界的に有名な和太鼓グループ「GOCOO」(ごくう)のボーカルでもあります。
 99年、東京都の代々木公園で行われたレインボーパレードというイベントでGOCOOは公演を行いますが、これにいたく感銘したのが、アメリカ先住民のカリスマ的リーダーのデニス=バンクスです。

 デニス=バンクス。

 オジブエ族。1937年生まれなので、現在75歳。
 17歳で米国空軍に入隊し、朝鮮戦争当時の日本に約3年間滞在します。
 そのときに赴任した東京都の米軍立川基地で、デニスは「砂川闘争」を目の当たりにします。当時の砂川町の農民の土地を米軍基地拡大のため接収する計画に、農民も市民も大反対しデモを展開していたのですが、日本政府がこれに警官を大動員して暴力的な排除を行っていたのです。
 デニスは、ここで、自分たちアメリカ先住民も白人により土地を奪われてきた歴史をオーバーラップさせるのですが、それよりも衝撃的だったのが、徹底した非暴力で抗議をする闘う仏教徒団体の「日本山妙法寺」の僧侶たちの存在です。
 彼らはトレードマークとも言える団扇太鼓を打ち鳴らし、平和を祈念し、警官から殴る蹴るの暴力を受けてもなおも非暴力でその場にい続けたのです。

 デニスは日本山妙法寺の行動に心がゆすぶられ、アメリカに帰国後は、白人により接収された先住民の聖地であるアルカトラス島やウーンデッドニーを占拠するなどの行動に出て、世界的に有名になるのですが、その後、1978年に、サンフランシスコからワシントンDCまでを歩いて横断する大陸横断平和行進(Longest Walk = ザ・ロンゲスト・ウオーク)を成功させ、同年より「聖なる走り」(Sacred Run = セイクレッド・ラン)も開始します。

 このセイクレッド・ランは日本でも行われ、日本で始めて核開発が行われた岡山県と鳥取県にまたがる人形峠も走っています。
 そして、2008年には“ロンゲストウォーク2”、2011年に“ロンゲストウォーク3”を実施します。

●日本を歩く

 山田さんは、2000年、デニスに先住民居留区に招待されます。
 アメリカ先住民の有名な儀式に「サン・ダンス」があります。これは、4日間、水さえも飲まない断食をしながら、日の出ている日中にひたすら「太陽の踊り」を踊り続けるというもので、山田さんはこの儀式の歌手として呼ばれたのです(のちにサンダンスの踊り手にもなる)。

 以後、ほぼ毎年のように渡米している山田さんは、上記ロンゲストウォーク2(08年)にも参加するのですが、このときにデニスから「日本でもこういった精神的なウォークが必要になる。やってみてはどうか」と打診されたことから、09年に「大阪の箕面の滝」から「東京都の高尾山」まで700キロを歩きます。
 箕面の滝は、トンネル工事の影響で水が枯れ、その後、年3000万円の予算でくみ上げた水を代わりに流しているという滝です。
 そして、高尾山もトンネル工事がされようとしていて、水枯れが心配されていました。
 これが、7Gの第一回目のウォークです。
 
 ちなみに、ウォークは誰が参加してもよく、途中から参加してもいいし、途中で抜けてもかまいません。一日だけの参加でもOK。

 そして翌年の10年にも、春と秋に2回のウォークを実施したのですが、5月25~27日に滞在したのが、リニア中央新幹線が通ると予測されている「大鹿村」でした。
 山田さんはそのときは「変な計画だなあ」とは思っていましたが、政府が計画を承認していなかったこともあり、それほど実感をもっていませんでした。
 ところが、翌年の11年5月、東日本大震災のドサクサにまぎれるように、国交省はこの計画にゴーサインを出します。

 天然の水瓶とも言われる南アルプスに史上初めて長大なトンネルが掘られる。山田さんは絶対にこの計画を止めると決めました。
「ちょっと調べれば、誰がどう見ても変な計画ですから」

●JR東海

 そして今回の7Gウォークは、3月11日に沖縄県名護市をスタート。
 以後の過程はここでは省略しますが、

 9月21日、山田さんたちは、名古屋のJR東海本社の「中央新幹線推進本部環境室」に、計画見直しを求める嘆願書を手渡し、対話を実現します。
 JR東海の説明は、いつもと同じですが、リニアを作る目的は

★今の新幹線が老朽化しているのでメンテナンスが必要
★地震対策

 ということです。これに対して、山田さんたちは、

★それならば、皆で申し合わせて、メンテナンスや地震対策工事の間、新幹線が止まっていても、なんとか皆で工夫してやりくりするように協力します。
★その目的を達成する為ならば、わざわざ自然を破壊してまでリニアを作るだけが方法ではない。
★リニアを作らないで、目的を達成するために私達も協力できる。

 との要請を「心から愛をもって」伝えたとのことです。

 そして1ヵ月後の10月22日、7Gは、リニアの発着駅と計画されている東京の品川駅にやってきます。
 ここには、2010年に大鹿で出会った若者たちも来ていました。

 こういうウォークは、7Gほどの長距離ではないにせよ、一日だけのイベントなどではけっこうありますが、私がちょっとついていけないのは「みんなが一緒に歩いた。世の中が変わるぞ」と思い込んでしまうことです。
 しかし、当たり前の話ですが、どんな願いで歩いたって走ったって、世の中は変わりません。
 変わるのは、そこに行動が伴う場合です。

 7Gはこれをやっているのです。
 歩きながら、住民と対話するのはもちろんですが、各地でイベントを打ち、こうして、相手に対して直接物申していく。

 リニアに反対する人や慎重意見を持つ人は増えていはいますが、ではどれだけ多くの人がJR東海に直接に意見をぶつけているかと言えば、それほど多くはないのが現実です。

 しかも、山田さんは「リニアはこれっきりの活動ではなく、今後もずっと関わっていく」と表明しています。

 と、ここまで書いたところで、私に睡魔が・・。

 この続き(7GとJR東海の話し合い)の概要はまた明日にさせてください。


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