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●ホットライン開設

 本ブログでも告知したように、9月29日、全国5都市(札幌、東京、名古屋、大阪、那覇)で「奨学金ホットライン」が開設されました。

 開設時間の10時~15時に寄せられた電話相談は約60件。

 私は東京での現場に密着していました。東京でホットラインを担当したのは、奨学金問題のパイオニアである労働組合「首都圏なかまユニオン」。ユニオンの事務所には午前中、NHKのカメラが入り、その日の昼12時10分からのスポットニュースとして放映されたこともあり、15時を過ぎても電話は鳴り続け、24件の相談となりました。

 やはり、その相談内容とは、ほとんどが「日本学生支援機構(以下、機構)から借りた奨学金を返せない」との内容です。

 そして特徴的だったのは、電話相談の7~8割が、

 借りた当事者が病気、特に精神疾患を患ったために、生活保護を受けたり、短時間のアルバイトしかできなくなったりで、返そうにも返せなくなった

 というものです。

 通例であれば、たとえば、生活保護を受けるようになると、本人はもう働けなくなるわけで、返還は毎年「猶予」されるはず。ところが、ホットラインに寄せられた相談では、

 機構は、本人の代わりに連帯保証人である親御さんに「返還してください」との連絡を入れたのです。


●年金生活の母親が返せるのか?

 その親御さんとは、年金生活者である68歳の母親です。

 当事者本人は40代。つまり大学入学時に18歳だったときは、この母親も40代と若く連帯保証人を引き受けたのでしょう。

 ともあれ、大学卒業後に奨学金を返し始めてから20年以上がたった。そして、あるときから返せなくなったわけですが、

 元本の残金は135万円

 加えて、残酷なのが、払えなかった期間に積もりに積もった延滞金(ペナルティとして科せられる割賦金の10%《年利》の額)が186万円もあることです。

 ホットラインの場に同席していた弁護士たちは、一様に、「過去10年以前の未払い金には時効が成立する。それを、これまで連絡もせずにいたのに、突然返せというのはおかしい。また、年金生活者に請求するのは酷い」と口にした。

 もし、この母親が、返還を始めたとしても厳しい現実が待っています。

 というのは、機構の制度では、返還金はまず延滞金に充当され、次に利息、その間、元本は減らないのです。加えて、未返還の元本がある限り新たな延滞金がつくので、返還計画次第では、支払いが一生続く
のです。


●いつ支払いが終わるのか?

 たとえば、年金暮らしのこの母親が月に2万円ずつ返すとしましょう。すると、186万円の延滞金の支払いだけでも、186÷2=93ヶ月=7年と9ヶ月もかかるのです。しかし、その7年9ヶ月の間に、元本の残高135万円は1円も減らない。つまり、残高135万円は7年9ヶ月の間、「未払い」ということになるので、これにさらに毎年、新たな延滞金が加算されるのです。

 つまり、返済プランによっては、いつまでたっても延滞金は減らない。つまり、極論すれば「死ぬまで払い続ける」という事態も発生しえます。

 また、延滞金を払い終わったとしても、それでやっと元本の返還に移行するかといえばそうでもなく、有利子の「2種奨学金」だった場合、その利息に返還が充当されます。これも返している間に、残金に新たな利子がつくので、これまたいつまで返せるか分かりません。

 ともあれ、「延滞金」「利息」を返したとしても、「残金」の135万円も月2万円の返済では63ヶ月、つまり5年強もかかることになります。

 つまり、もしこの68歳の母親が本当に返すとすると、月2万円の返済ならば、全ての返済を終わるのは80歳はゆうに超えていると推計できます。

 果たして、これが現実的な、そして熟成した民主主義の国が採るべき解決方法なのでしょうか?


●救済策はあるが

 伴さんはこう語ります。

「機構には、最大5年までの『返還猶予』や、就労不可能となった人たちへの『免除』などの救済策はあるんです。でも、その周知をしてこなかったために苦しむ人が絶えません」(伴さん)
 
 返還猶予は、年収300万円未満の人ならば、延べ5年間は返還を猶予する制度です。

 また、生活保護を受けるなどの人たちは、延べ5年を超えて猶予することが可能です。

 さらに、昨年からは、支払い期間は倍になるが、毎月の支払額が半額になる「減額返還制度」も始まりました(好評です)。

 ところが、機構は、近年まで、「返還猶予」を周知してきませんでした。機構のHPにすら掲載していませんでした。わずかに、機構の「内規」で説明をしていただけです。

 それを発見したのが伴さん。以来、伴さんらがこの件で声を上げたことで、ようやく機構はHPに猶予の件を掲載したり、機構への電話相談でも相談員も「猶予制度がありますよ」と説明することが始まったのです。
 
 もしこの制度が周知されていれば、どれだけ多くの方が少しでも救われていたことか。


●奨学金を借りるべきでしょうか?

 東京でのホットラインは15時を過ぎても電話が鳴り止まなかったのですが、最後にかけてきた方はこういう相談でした。

「進学予定の子どもがいる。でも、莫大な借金となる奨学金を借りるべきなのか?」

 国立か私立か、自宅通学か自宅外通学か、学部の違いによっても異なりますが、4年制大学を卒業すると、500万円前後の奨学金という借金を背負うのはザラです。

 これほどまでに、若者に負債を負わせる先進国は、おそらく、アメリカと日本くらいです。

 日本の学費は、世界一、二の高学費。そのため、奨学金も高額化するのは仕方ないとしても、OECD諸国の多くが返還不要の給付制なのに、学生の3人に1人が利用する機構の奨学金は貸与制。それも、有利子が4分の3を占めています。

 そして今や、大学を出ても、3人に1人が非正規職で働く現実では、月2万円の返還でも難しいのが実情です。
 もちろん、借りたものは返せなきゃと歯を食いしばって返す人もいます。
 だがなかには、前回のブログでも書いた比嘉さんのように、母と妹を扶養するなどの特殊事情を抱える人もいる。

 貸すときは誰にでも貸す。だが、「返せなくなった」人への救済システムが薄い。

「根本的には、やはり給付制奨学金を実現するしかありません」(伴さん)
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2012/10/05 23:28 奨学金 TB(0) コメント(0)
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