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●医師紹介会社

何千人もの健康診断をしてきたニセ医師が逮捕されました。このニセ医師は医療専門学校で講義もしていたというのだから、病院も学校も気づかずにいたことになります。

 今回の記事で気になるのは、このニセ医師が「医師紹介会社」から病院に送り込まれたとの事実です。

 医師紹介会社。ひらたくいえば、医師専門の人材派遣業です。ただし、医師の「派遣」は禁止されているので「紹介」となるのです。

 最初から批判がましいことを書くのは気が引けますが、この仕事にはなかなかおいしい部分があります。

 会社にもよりますが、一人の医師を病院に送り込むと、その医師の年棒の2割を紹介料として病院から得ることができます。

 たとえば、年収1500万円ならば、300万円。

 この仕事は医療界におけるニッチ的な位置を占めています。その需要が増えたのが2004年以降。

 2004年に何があったのか?


●新研修医制度が招いた医師不足

 この年、医療界では「新研修医制度」が始まりました。従来、研修医は自分の大学の医局に入局して研修を受けたものですが、この年から、自分で研修先の病院を自由に選べることになったのです。

 その結果起こったことは、大学病院での医師不足。すると、大学病院は、その穴を埋めようと、各地の病院に派遣していた医局の医師たちを呼び戻しました。そこで今度は、日本各地の病院で医師不足が深刻になったということです。

 それ以後、地方の病院は、独自に医師を探さねばならなくなりました。

 このニーズに応えるべく、雨後の筍のごとく増えたのが医師紹介会社です。

 この仕事は、やや大げさに書けば、電話とパソコンだけあれば誰でも始められる仕事です。要は、異動したい医師、医師を求める病院の双方をデータを登録し、互いの条件が合えば紹介するだけです。とはいえ、後述するように、病院の理念と医師の理念とがぴったり合うようなマッチングをするには、紹介会社にも高い理念と情報網が必要なので、その意味では、始められるが、誰でも続けられる仕事ではありません。

 実際、高い理念をもって紹介しなければ、とんでもない医師が病院に赴くことになり、また、その逆で、まじめな医師がとんでもない労働条件の病院に赴くことになるなどの悪しき事例も発生しているのです。


●悪しき事例

 悪しき事例は、理念のない、儲けんかな主義の紹介会社が引き起こします。

 私が取材したなかで耳にしたのは、紹介された医師が「体の動かないヨボヨボの高齢者だった」、はたまた、「あっちの病院はこれけ出すんだけどなあ」と年収の釣り上げばかりをほのめかした、さらには、医師自身が病院に対して「1億5000万円の借金を肩代わりしてくれるなら行きますよ」とトンデモ条件を突きつける、極めつけは、赴任した医師がじつは、週に半分は人工透析が必要な患者であったこと。
 また、まじめな医師が赴任した病院は徹夜勤務が月に10回以上もある殺人的な労働環境・・といった笑うに笑えない事例も報告されています。

 こんな事例もあります。

 紹介会社と医師とが、転職候補の病院との面談の直前で初めて、病院の正面玄関で名刺交換をした。

 さらには、

 一人の医師を、あえて、半年ごとに転職させる紹介会社も存在する…。理由は簡単で、年に2回の紹介料を入手できるからです。


●良き事例

 これら事例を正面から批判するのは、老舗の医師紹介会社「メディカル・プリンシプル」の中村敬彦(よしひこ)社長です。

「やってはいけないことです。なぜなら、病院は何年もかけて、医師の採用コストを償却するのです。短期間で担当医がいなくなれば患者も困るのです」

 実際、同社は、

「平均5回は医師と面談し、納得のできるマッチングを目指します」

 というように、質の高い医療の実現に努めていますが、同社には、以下のような実績があります。
 オーストラリアで修行した心臓外科医。自分の理想を実現するためのハート(心臓)センターを立ち上げられる病院ならば行ってみたいと同社に相談。実際、同社は、医師と何度も丁寧に面接し、各地の病院とも交渉をした結果、ある病院にハートセンターを立ち上げることに成功し、当然、その医師の転職を実現したのです。単なるマッチングではできない仕事です。

 さらに同社は、マッチングにとどまらず、育児中の女医へのベビーシッター派遣や医療過誤に備えた保険の整備などのサービスも用意し、06年には1万3500件と日本最大の紹介実績を作っています。
 
 中村社長が言うには、かつて、医師紹介業は医療関係者から『不浄』と見られていたそうです。

 というのは、かつて医局を離れる医師には2種類いて、

★一つが、医局のヒエラルキーを脱して、海外や他院で技術を磨こうとする、高い志で道を切り拓く良きアウトロー。
★もう一つが、志もなければ技術もない、医局でも疎まれる悪しきアウトロー。

 この悪しきアウトローの転職を仲介する悪しき紹介会社も実在し、私も、北海道北部の小さな町でその医師の自宅を見たことがありますが、盲腸も手術できないのに、その自治体から受け取る年収は8000万円! つまり、2割の報酬で計算すれば、紹介会社には1600万円が落ちたことになります。

 これら悪しきアウトローは、ただ医師免許があるというだけで、医師不足に悩む自治体の病院に潜り込んでいくわけです。

 ただ、今回の事件は、医師免許すらもない人間を医師として病院に送り込んだわけです。 


●良きアウトローを支える

 中村社長のポリシーは、良きアウトローを精一杯支えること。

「医師は高収入と言われるでしょ。正確には、良心的な医師は患者のために忙しい現場に踏みとどまり、年収は安いんです。その逆に、志の低い医師ほど年収は高くなるんです」

 医局で頑張る医師にこそ進みたい道を提供し、正当な報酬を保証したい。それが日本の医療を良くすると信じているのです。

 ただ、インターネットで検索すれば無数に出てくる医師紹介会社のなかで、どれくらいの業者がメディカル・プリンシス社のように高い理念で活動しているかはまったくわかりません。

 これだけ紹介業が増えるのは、たとえば、医師の転職には雇用契約書の交付が義務づけられていないことがあげられます(メディカル・プリンシス社は作成する)。つまり、口頭契約もOKだからトラブル後の罰則もない。だから、やろうと思えばやりたい放題ができるわけです。

 ただ、今回の事件が起きた背景の一つには、やはり、全国的な医師不足があることは否めません。

 つまり、今後も、ニセ医師が、理念なき医師紹介会社に登録されれば、そのまま、どこかの病院にもぐりこめる可能性は・・あります。

 私が気になるのは、今回のニセ医師を紹介した会社がどういう処置を受けるかです。

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2012/09/27 23:40 医療 TB(0) コメント(0)
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