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●遺骨を返還せよ!

 気になる記事が新聞に載りました。
 北海道に住むアイヌ民族が、北海道大学に「保管」されているアイヌ人の人骨「標本」を返還せよと提訴したのです。

 たとえば、毎日新聞には以下の記事が載っています(要約)。

★北海道大学が研究目的でアイヌ民族の墓地から遺骨を掘り起こし保管していることに対し、子孫3人が14日、遺骨の返還と慰謝料900万円の支払いを求める訴訟を札幌地裁に起こした。

 提訴したのは、アイヌ集落(コタン)があった北海道浦河町杵臼(きねうす)地区の出身で、札幌市の小川隆吉さん(77)、同町の城野口ユリさん(79)と76歳の女性。

 訴状によると、同地区では1931〜55年ごろ、当時の北大医学部教授らが集落の墓地から、遺族の承諾なしに、遺骨を掘り起こした。北大の開示資料によると、同地区では「13体以上」を収集したとの記載があるが、少なくとも先祖78人の遺骨が北大に保管されていると主張。

 北大は戦前から医学や人類学の研究目的で、アイヌ民族墓地から計1004体の頭骨を収集したとされる。北海道ウタリ協会(現北海道アイヌ協会)は82年に供養と返還を要請し、北大は84年、医学部の敷地に納骨堂を建てて遺骨を安置したが、返還は旭川市などの35体にとどまっている。

 城野口さんは「母は亡くなる前、先祖の骨を取り戻せないのが情けないと言って泣いた。私たちから言葉も文化も奪った上に、骨まで奪うのか」と怒りをぶつけた。


●友人の北大内の探検

 なぜ、私がこの記事に関心を持ったかというと、私には北海道大学(以下、北大)出身の友人がいるのですが、彼から数年前に聞いた話があまりにも強烈だったからです。

 友人NR君は1958年生まれ。私が1959年3月生まれなので、いわば1958年度生まれの同級生ということになります(私は違う大学ですが)。現在、イラストレーターとして活躍しています。
 NR君は現役で北大に合格。つまり1976年に入学したことになります。

 その年、NR君は北大の構内にとても古い建物があることが気になります。いや、古いことに加え、その建物に誰も出入りしないことが不思議でたまらなくなったのです。しかも、建物の入り口には標識もない。だけど、鍵だけはしっかりとかかっている。

 いったい中に何があるのか? その関心を抑えきれなくなったNR君は、仲間数人に「おい、探検しようぜ」と呼びかけ、それをある夜に実行に移しました。正面玄関は施錠されているので、1階の施錠されていない窓から侵入したのです。
 
 夜であるし、中には明かりなどないので、当然真っ暗。懐中電灯だけを頼りに進みます。
 そのとき、NR君が何かを蹴りました。

「初めは硬いボールなのかなと思った」

 とNR君は振り返ります。ところが、その「ボール」に懐中電灯を当てると、「うわー!」と驚愕の声を上げます。

 人のシャレコウベだったのです。え? レプリカ? なんだ、ここは!

 懐中電灯であたりを照らすと、その恐ろしさにNR君たちは驚愕します。壁一面の棚には、ズラリと「人の顔」や「体の部位」が並んでいる!

 そこにはアイヌ民族の刀や首飾りなどの装飾品もある。

 それを見てNR君たちはやっと理解しました。

「アイヌ人だ。アイヌの人たちが、標本としてここに収集されたんだ」

 NR君が蹴ったシャレコウベは、何かの拍子で、棚から落ちて、首だけが床に転がったのでしょう。

 NR君たちは、とっさに、その場にこれ以上いてはいけないという理性が強く働き、とにかく、走ってその場を去ったようです。

 卒業までNR君がその場を訪れたことはありません。ましてや、今、その建物がどうなっているのかも分かりません。


★北大教授の墓泥棒

 これに関する情報は、インターネットでも入手できます。

 これら人骨を収集したのは、北大の児玉作左衛門教授(1970年没)。
 元々は、医学部教授ですが、そのうち、日本民族とアイヌ民族との脳髄比較研究や頭骨の比較研究などを行うようになり、学者生活の大半をアイヌ研究に費やしたといわれています。

 児玉教授が北大で教鞭をとるのは1929年から。そして、私財を投じて収集したアイヌ関連の史料は「児玉コレク
ション」と呼ばれているのですが、非人道的としか思えないのが、そこに、1004体ものアイヌ民族の人骨を集めていたことです。

 非人道的なのは、その収集の方法です。いや、そもそも、人の骨を研究のためであれ「集める」のはあってはならないことです。もし100歩譲ってそれが許されるとしても、児玉教授は、ときには遺族に無断で(つまり盗掘)、ときには警察を使って遺族を排除しての発掘を行っていたとも伝えられています。
 
 そして1982年、北大学医学部が大量の遺骨を長年にわたって動物実験施設内などに放置していたことが明らかになります。
 つまり、アイヌ民族のご遺骨は動物の骨と一緒に「保管」されていたことになります。
 NR君が探検したのはこの動物実験施設なのか?

 たとえば、以下のサイトを見てください。私はそこに写っている写真をみたとたん、吐きそうになりました。

 http://www.alles.or.jp/~tariq/honehone/kodama.html


 当然のごとく、遺族や北海道ウタリ協会(現・北海道アイヌ協会)は抗議。そして、医学部は、35人分の遺骨だけを遺族に返還します。そして929人分の遺骨については、1984年に構内に新設した「アイヌ納骨堂」に「安置」します。
 
 これはまったく変な話で、なぜ返還しないのか?

 北海道アイヌ協会は、当然のごとく、その返還を求めています。ところが北大側は「学術研究」をたてにそれを拒んでいるのです。

 それが、今回の提訴につながったということです。

 ちなみに、「アイヌ納骨堂」に安置されているご遺骨ですが、これは年に一度のアイヌ民族の「イチャルパ」という慰霊祭をするときだけアイヌ民族の関係者に開放されていますが、そのレポートは以下をご覧ください。
 特定の民族を動物として扱う研究者がいた、そして、まだいることに愕然たる思いを抱くことと思います。

http://www.alles.or.jp/~tariq/report/boneCollector/icharpa020802a.html

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2012/09/17 01:56 人権 TB(0) コメント(1)
コメント
この記事の人骨とは、このリンク先の物と同一?
第19回、北海道大学・アイヌ納骨堂イチャルパ・参加報告
http://www.alles.or.jp/~tariq/report/boneCollector/icharpa020802.html
2013/04/08 19:10 墓嵐はよくない URL [ 編集 ]















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