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樫田秀樹

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日本政府が実施している「給付制奨学金」があった!

 以前、本ブログで、民間団体、大学、財団などが実施している「給付製奨学金」の一部を紹介しました。
 それを書いたのは、やはり、そういう組織だけではなく、そもそもは、日本政府こそが実施すべき事業だとの思いからです。

 ところが、日本政府が実施する給付制奨学金があったのです。

 朗報! と思いきや、それは海外からの「留学生」に対するものでした。

●「留学生30万人計画」

 これは日本のグローバル戦略の一環として、2020年までに海外からの留学生を30万人受け入れるという計画です。
 2010年時点でその数は14万1000人。

 日本に留学生が来るのはもちろん悪いことではありません。

 驚くのは、日本政府が彼らに拠出する奨学金のその内容です。

 給付制。

 つまり、返還不要の奨学金です。調べてみるとびっくりしました。

★普通の学部留学生の場合(17~21歳)
 ・現地から日本の往復航空券にかかる旅費を支給
 ・宿舎にかかる費用はゼロ
 ・入学検定料、入学金、そして授業料もタダ
 ・毎月の奨学金は12万3000円
 ・日本語教育の1年間と学部の4年間の計5年間にわたる支給だから、738万円が給付されることになる。

★高等専門学校の場合は4年間(日本語教育含む)、専修学校の場合は3年間(同)で同条件。

★日本語研修だけでも1年間、つまり、147万6000円がもらえる。

★さらにびっくりするのが「ヤング・リーダーズ・プログラム」留学生です。
 これは、ビジネス分野で35歳未満、行政・法律・地方行政・医療行政の分野で40歳未満を対象にしていますが、受給資格者は「大卒者」「実務経験のある者」「アジア諸国等の行政官等」で、受け取れる奨学金は

月額「25万5000円」です。支給期間は1年間に限られますが、それでも306万円が丸々渡されるわけです。
 
 これは推測するに、「行政官等」とあるように、現地国で若手エリートとしてすでに働いている人が対象となります。
 文部科学省のHPでは「アジア諸国等の指導者として活躍が期待される行政官、経済人等の若手指導者」と書かれています。
 この人たちが、本職を休職扱いで来るのか、出張扱いでくるのかはわかりませんが、本国からの支援はまったくゼロなのか? 支援があるとすれば、日本政府からの奨学金はそもそも必要なのか? 必要だとしても25万5000円であるべきなのか?

 行政コースと地方行政コースは「政策研究大学院大学」
 医療行政コースは「名古屋大学」
 ビジネスコースは「一橋大学」
 法律コースは「九州大学」

 これら大学の大学院で1年学んで学位を授けるのが目的ということですが、英語の授業とはいえ、日本人の学生が、修士課程に2年、博士課程ならば3年学んで得る学位が1年でとれるのも腑に落ちないところです。

 私がもっとも腑に落ちないのは、やはりこの「25万5000円」です。

 調べてみると、数年前なら、中国、インドネシア、マレイシア、フィリピン、タイ、ミャンマー、カンボジア、モンゴル、カザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、インド、オーストラリア、ハンガリー、チェコ、ルーマニアなどからの留学生がいたそうですが、このなかには月に3万円もあればそれなりに暮らせる国も多々あります。

 もちろん日本の物価は高いから、3万円では生きてはいけない。
 しかし、彼らには、やはりタダの宿舎があてがわれるから、住と食(朝食と夕食があるとすれば)に関しては出費がないはずです。25万5000円は使いきれるのか?


●大切にされない日本の学生

 ただ、私は、この25万5000円、はたまた学部生の12万3000円そのものも否定はしません(腑には落ちませんが)。

 要は、同じ学ぶ身でありながら、なぜ日本の学生がそれとは180度違う環境に置かれているのかということです。

 日本学生支援機構の奨学金には給付制はありません。「貸与制」、つまり、借りたら返す制度です。
 それにしても、学生の4人に3人は「利子」をつけて返します。
 4年生の大学に通ったら、国立か私立か、自宅通いかアパートかにもよりますが、だいたい卒業時には500万円くらいの「借金」となり、それに毎年利子がつき、いろいろな事情で(正社員から非正規社員の仕事に変わったとか)「返せなくなる」と、滞納が3ヶ月続いただけで、金融機関のブラックリストに登録され、それから慌てて返済しても、完済後の5年間もクレジットカードがもてなくなるという現実が待っています。

 滞納が9ヶ月続くと、機構は今、容赦なく、利用者の給与の差し押さえをしたり、はたまた、裁判所に「提訴」します。それも公判は一回だけ。だいたいが機構側の弁護士が用意した「プラン」がそのまま判決になります。
 たとえば、毎月2万円を10数年にわたって払うこと、など。払えるのなら、とっくに払っているっちゅうに。


●なぜ留学生にはこれだけの厚遇を実現しているのか?
 
簡単な理由です。
 これらの予算は項目としては
 
 「政府開発援助外国人留学生給与」や「政府開発援助外国人留学生給与」等  

 に属するから。

 「政府開発援助」、つまり「ODA」です。

 それにしても、予算の出所が違うという理由だけで、同じ大学で、同じ学部で、日本の学生が、仕送りとバイトと奨学金で生計を立て、卒業後も、正社員を除けば返済に多大な苦労を強いられている現実を思えば、日本人学生があまりにも粗末に扱われているようにしか思えません。

 さらに、

●学生支援機構にもある「給付制奨学金」
 日本学生支援機構には「給付制」奨学金がないと書きましたが、じつはあります。
 それは、やはり、外国からの私費留学生です。その制度は「私費外国人留学生学習奨励費」。
 
 大学院生で月6万5000円。学部生、短期大学生、高専などで月4万8000円。期間は1年間となっています。

 う~ん。


●数的データ

 そこで、これらデータを整理すると・・
 この計画の対象になっている留学生は、2011年度で13万8000人。うち75%が中国と韓国からの留学生。
 
 11年度予算によると

・国費留学生には197億円(10,656人)
・私費留学生には72億円(11,046人)
・短期留学生(3~12ヶ月)には13億円(ただし、日本人学生の海外派遣も含む)
・ショートステイ(3ヶ月未満)には11億円(同上)
・等々

 で年間予算は293億円

 これに、さらに

・宿舎の確保に10億円


。さらに、さらに、文科省が、大学の入学金や授業料を負担してくれるのだから、まさに至れり尽くせり。

 もちろん、日本で学んだこれら留学生が、将来は日本との架け橋になるなり、本国でその経験を活かすなりで頑張ってはほしいとは思う。だからこの制度自体を否定はしません(とはいいつつ、留学生の75%もが中国と韓国だけに偏っていることへの疑問はあります)。
 
 そして、これらの制度は、本来は日本の学生にも適用されるべきです。 
 足元にいる若者を大切にしない国って何なんだ・・。

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2012/09/08 22:40 奨学金 TB(0) コメント(0)
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