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樫田秀樹

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●「ボランティアをさせてくれ!」

 翌朝、給食センターに着いた私は信じられぬ光景を目にした。見知らぬ6人の難民男性が給食センターをほうきで掃除していたのだ。床にはもうゴミ一つ落ちていなかった。全員が40代から50代。

 彼らは私のもとに近づき、挨拶を交したあと言った。
「今日から、私たちにここの手伝いをさせてほしい。先日のような事件を起こさないため、ここマグドールに住んでいる者として責任を果たしたい」

 もちろん、金のためではないという。私は、「じゃ、とりあえず今日一日やってもらいましょう」とその申し出を快く引き受けた。

 その後も、彼らは実にてきぱきと働いてくれた。給食の配膳、健康なのに給食泥棒に侵入してくる子どもへの注意、何より助かったのが、給食センターや診療所の受付に並ぶ群集の整列である。当時、マグドールから雇っていた有給労働者も5人いたが、彼らの働きぶりはその5人に勝るとも劣ることのないほど優秀なものだった。昨日まで私たちを悩ませ続けてきた「満員電車」状態は嘘のように霧散したのだ。

「いやあ、真面目な人たちだなあ。誰なんだろう?」

 こう問うとアオキに笑われた。

「何だ、カシダ。知らないのか。マグドールのセクションリーダーたちじゃないか」

 え? 耳を疑った。マグドールは、難民の出身別に6つのセクションに分けられているのだが(のち8つになる)、そのセクションリーダーたちだというのだ。

 数秒後、私はすべてを理解した。そして自分を恥じた。いったい今まで何をしていたんだろう。なぜこの人たちと手を結ぶことをしなかったのだろう。

 私は自惚れていた。

 健康関連のプロジェクトだから、地元には歓迎されるに違いないと。労働者と仲良くなっただけで、もう信頼関係を勝ち得たととんでもない勘違いをしていたのだ。リーダーが来てくれたのは、ひとえに、前日の話し合いがあったからに他ならない。あれが、私たちから地元への初めての公式の挨拶だったのだ。その手続きを踏んだと見たから、リーダーたちはやっと混乱を収めるためにやってきてくれた。


●農業プロジェクトでもおなじことがあった

 この一件をこの日の夕方に高橋さんに話すと、

「そうか。じつは、農業プロジェクトのオレたちも同じ失敗をやったんだ」

 と次のことを話してくれた。

 JVCがソマリアにやってきたのは1983年。

 このとき、初期のメンバーは開墾した砂漠に、ソマリアに二本しかない恒常河川の一つ、ジュバ川から揚水ポンプで水を汲み上げて農地を作っていたが、農業プロジェクトの初期メンバー(高橋さんではない)が、地元関係者との話し合っていると、その場に我が物顔で入ってくる老人がいた。邪魔だと思い出て行ってもらったところ、翌日、人垣がJVCの車の難民キャンプへの進入を拒んだ。

 その老人もやはり難民キャンプのまとめ役だったのだという。
 
 仁義を欠いたことで、初期メンバーは難民キャンプでそっぽを向かれることになる。

 すぐさま、初期メンバーはそのリーダーと改めての話し合いをもった。つまり、ヤギ数頭をつぶして宴席を設けてリーダーを招待し、丁寧に挨拶を交し、自己紹介をし、農業プロジェクトの目的と意義を説明した。
 そこで初めて、JVCの農業プロジェクトは稼動したといえる。

 考えてみれば、農業プロジェクトの初期メンバーにしても、私にしても、20代という若さで、砂漠のイスラム圏というほとんど経験もない場所でのプロジェクトの責任者になった。何も知らなくて当然と言ってしまえばそれまでだが、それにしても基本中の基本がなかった。

 おそらく、現在の世界各地で活動するNPOでは、笑い話にされるできごとだった。
 
 
●ボイコットせよ! ――リーダーの力―― 

 サボることなくせっせと働くリーダーたちを眺め、私は、アオキにつぶやいていた。
「すごいなあ、これこそ本当のボランティアだな」
「ああ。この人たちは自分でちゃんと管理できるんだな」

 私はこの経験で、ソマリアで何かコトを起こすときは、きちんと地元の権威者に話を通すことの大切さを知った。
 この6人の影響力は無視できないものだった。数日後、それを再び見せつけられる出来事が起きた。
 その日、朝現場に到着しても、給食センターにもクリニックにも、いつもの人波がない。待っているのはほんの数人だけ。

「おっかしいなあ」

 そこへ、「話がある」と6人のリーダーがやってきた。センターから数十メートル離れた土の上、石を座布団代わりに輪になって座ると、リーダーの一人が口を開いた。

「実は、診療所のCHWの一人の態度が悪いと住民に不評である。私が見てもそう思う。そこで、昨夜この6人で話し合い、その態度があらたまない限り、JVCをボイコットすることにした」

 なんという影響力か。マグドールにはざっと5000人以上の難民がいる。
 とはいえ、看過できない現実もある。私たちはこう伝えた。

「実は私たちもそう思っていました。そのCHWには態度を改めるよう説得するので、今日のところは、病人や栄養を必要としている子どもや女性のために人々を呼んでくれませんか?」

 こう話すと、6人は納得したように、それぞれのセクションへと散った。すると10分も経たぬうちに、いつものように何百人もの人たちがわらわらと集まってきたのだ。

 このできごと以来、6人のリーダーは、私たちとマグドール住民をつなぐ大切なパイプとして活躍するようになる。例えば、給食センターに3日連続して受給対象となる子どもが来ない場合がある。この場合、他の充分な食料原を得たか、家族ごとマグドールを去ったか、子どもが死んだかなどいろいろなパターンが推測される。だが、子どもの名前だけでは、同じような小屋が並ぶマグドールでは捜索不可能だ。

 しかし、登録書に記載されているセクション名をてがかりに、そこのリーダーと歩けば、目指す家族を容易に探し出せるのである。また、歩いて来所できない衰弱患者への訪問看護にもリーダーたちは欠かせない存在となっていくのである。
 私は、自分の地域のために自らが手本のように働く彼らを見ることに関心を寄せるようになっていく。
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まとめtyaiました【ソマリアは乾いていた その6(仁義)】
●「ボランティアをさせてくれ!」 翌朝、給食センターに着いた私は信じられぬ光景を目にした。見知らぬ6人の難民男性が給食センターをほうきで掃除していたのだ。床には
2012/07/08 20:41 まとめwoネタ速neo
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 リニア中央新幹線の取材範囲は、東京都から愛知県までと広範囲で、多大な取材経費を要することから、数十組もいる会うべき人たち・組織の多くに会えないでいます。また、リニアに関する記事を書こうにも、ほとんどの雑誌はJR東海が広告主であるため、記事を掲載できず、取材するほどに資金力が落ちる状態が続いています。今後は、再び単行本の発行を目指しますが、私のリニア中央新幹線に関する取材へのご寄付をお願いできないでしょうか?  カンパをしてくださった方には ★ブログに記事を掲載する際のお知らせ。 ★雑誌に記事を載せる場合の、掲載誌送付。 ★単行本を出した際の、一冊謹呈。  など、せめてもの特典を用意いたします。  なお、いただいたカンパは以下の用途に限定します。 ★取材地までの往復交通費。 ★取材地での宿泊費。 ★リニア中央新幹線に係る資料代。  食費は自己負担としますが、使用明細は公開します。  ご協力いただける方は以下の口座への入金をお願いいたします。  みずほ銀行・虎ノ門支店・普通・1502881 カシダヒデキ  ご入金に際し、ご住所や連絡先などを教えていただけたら助かります。どうぞよろしくお願いいたします。
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スペースシャトルの宇宙食にもなった。保存期間は3年。しっとりおいしい奇跡の缶詰。24缶セットもある。
共通番号の危険な使われ方
今年10月に全国民に通知され、来年1月から運用が始まるマイナンバーという名の国民背番号制度。その危険性を日本一解かり易く解説した書。著者の一人の白石孝さんは全国での講演と国会議員へのアドバイスと飛び回っている。
マグネシウム文明論
日本にも100%自給できるエネルギー源がある。海に溶けているマグネシウムだ。海水からローテクでマグネシウムを取り出し、リチウムイオン電池の10倍ももつマグネシウム電池を使えば、スマホは一か月もつし、電気自動車も1000キロ走る。公害を起こさないリサイクルシステムも矢部氏は考えている。脱原発派は必見だ。