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●気持ちのいい焼畑

 6月23日、東京都の上野駅近くで開催された「クニ子おばばを囲む会」に行ってきました。
 クニ子おばば=椎葉クニ子さんは、今や日本で、片手で数えるほどになった焼畑農業の63年にも及ぶ実践者です。
 大正13年生まれだから、今年で88歳。私の母と同い年です。
 はるばる宮崎県椎葉村からの上京です。

kuniko


 昨年9月にNHKで、「クニ子おばばと不思議の森」とのタイトルのドキュメンタリー番組で放映されたのですが、私はこの番組を関心深く見ていました。
 というのは、まだこのブログに書いていませんが、私はマレーシア・ボルネオ島サラワク州の熱帯林に住む先住民の村に1989年からこれまで22回通い延べ2年ほどの滞在をしていて、その村も焼畑で生きているからです。

 焼畑と言えば、環境問題をかじったばかりの人は、とかく「環境破壊だ」と言いがちですが、私はまずは「待った」と言います。
 というのは、焼畑には、「いい焼畑」と「悪い焼畑」があるからです。
 悪い焼畑の典型は、たとえば、ハンバーガー用の牛肉のために、無理やり広大な森林に火を放って、焼けた後の裸地に数十万頭の肉牛を入れる「ハンバーガー焼畑」、はたまた、土地なし農民のために、森への移住を促したはいいが、それら土地なし農民は焼畑のノウハウなど知らないため、闇雲に森を燃やして開墾してしまう「移民焼畑」、アブラヤシプランテーションを造成するために燃料をまいて何千ha、何万haという広大な森を焼き払う「プランテーション焼畑」など、目立つだけに、焼畑=悪とのイメージができているようです。
 インドネシアでのプランテーション焼畑は、そのあまりもの煙の量に、遠くはシンガポール空港での飛行機の離発着ができなくなったこともあり、国際的な社会問題・環境問題にまで発展したことがあります。

 だが、私がともに暮らしている先住民が行う焼畑は、大地をいたわりながら、毎年燃やす場所を変え、燃やした土地が10年から20年経って、また豊かな森に戻ったら再び火を入れることを繰り返すという循環的な農業を実践しています。


●共通の叡智

 そして期待をもって視聴した「クニ子おばばと不思議の森」は、まさしく、サラワクで私が体験してきた光景、私が耳にしてきた叡智を思い起こさせてくれるものでした。テレビでクニ子おばばはこう語っていました。

「焼け灰が肥料になり、薬になって、(土地を)太らせているから、焼畑は」
「焼畑は(火入れ後、何かを収穫できるのは)たった4年だもんね。あとは自然に全部返す」
「私は太陽、お月様、ご先祖様、山の神様に感謝している」
「焼畑を辞めようと思ったことなど一度もない。私たちが守ってきた焼畑農法は、変えることがどうしてもできない農法だものね。森がないと焼畑できんとですよ。これだけはどうすることもできない」

 同じ火入れでも、移民焼畑やプランテーション焼畑と伝統的焼畑の違いは何か?

 簡単に言うと、開墾して火入れをするのは小規模であり、土を作って、土を守る農業だということです。
 サラワクで、私がわかったのは、開墾した土地に火を入れると燃えた木々は灰となって地面を覆います。これが天然の肥料になります。だから堆肥や肥料は買ってこなくてもいい。
 そして、サラワクでは主食が米ですが、種籾をまくときは、表土を守るため絶対に地面を耕さない。事前に男たちが先のとがった棒で穴をポンポン空けていくだけ。この穴に種籾を入れるだけ。

クニ子さんの畑でもソバの種をばら撒きするだけ。土は耕さない。

 火を入れる時期も、一年で最も暑く乾燥している時期でもあり、雨が降ってくる数日前を選んでいます。というのは、乾燥していれば燃えやすく、かつその直後に雨が降ればすぐに芽が出てくるからです。

 かたや、プランテーション焼畑では、大面積を焼いた後は、ブルドーザーやパワーショベルなどの重機で土を掘ったり、崩したり、ならしたりで、表土を破壊するのです。表土がグシャグシャにされると、雨が降ればそれは一気に泥となり川に流入する。

 伝統的焼畑では、特にサラワクは熱帯にあるので、火入れから一年もすれば、その土地は高さ5メートルもある木々で覆われます。その現場を見たときは本当に驚きました。
 そして、その土地は10年、20年と放置され、木の育ち具合で「また焼いても大丈夫」と判断されるのです。

サラワクの焼畑の画像は私のHPをご覧ください。

http://homepage2.nifty.com/kasida/sarawak/framepage2.htm



●「お父さん」

 私はサラワクの村に「お父さん」がいます。
 村に通い始めた頃、「お前を養子にする」と宣言され、本当に息子として扱ってくれました。当時、「お父さん」はおそらく60代半ばだったと思いますが、その体力は20代の若者にも負けないほどで、なおかつ、森のことは何でも知っていました。
 木の名前、草の名前、どこで動物が取れるのか。
 私は「お父さん」とその家族(私にすれば、きょうだいや「お母さん」)とともに開墾作業にも当たりましたが、これはじつにしんどい作業です。山のデコボコした斜面の開墾にはチェンソー以外の機械が入るはずもなく、大半がナタ一本で伐採に挑むのです。
 
 そして、切り倒した木々は数ヶ月をかけて天日で乾燥させ(でないと絶対に燃えない)、火入れのあとはすぐに種まきをするのです

が、日陰を失った場所での作業は顔が茹で上がるほど暑く、おそろしいほどに体力を消耗します。

 しかし

 これが楽しい。大地に打ち付けた自分たちの力を自然は確実に返してくれます。
 しかも共同作業なので、そこで生まれる一体感もたまらなく気持ちいい。
 私は89年、サラワクの第一回訪問を終えて帰国したあと、知人たちに向けて「今までで一番人間らしい生活を経験した」と書いたものです。「平凡だけど、いつ死んでもいい幸せな毎日」。それが焼畑の村から学んだことでした。


●「お父さん」の死

 「お父さん」もクニ子さんと同じで、村からほとんど一歩も外に出たことがありません。

 「お父さん」は2年前に亡くなります。死因は老衰です。
 街に住む子どもたちに会いに来たときに体調を崩し、即入院したのですが、チューブにつながれることに子どもたちが反発。
「先生、父は病気じゃないんです。ただの『老い』です」
 と自主退院させ、末娘の自宅での療養が始まりました。

 私は、亡くなる2ヶ月ほど前に会いに行くことができたのですが、お父さんはすでにいわゆる植物状態でした。
 
 しかし、そうなる前に、お父さんは、子どもたちにこう訴えていたそうです。「街は俺のいる場所じゃない。俺をすぐに森に帰してくれ!」

 私はこの言葉を聞いたとき、お父さんは、長男だから仕方なく森で過ごしていたのではなく、本当に森が好きだったのだと改めて字関したものです。
 陸稲を育てる焼畑に比べたら、水田ははるかに体力的に楽な農業です。そして、焼畑は非効率的です。だが、焼畑の民は、収穫が効率的か非効率的かでは考えておらず、ただ楽しいから焼畑を実践しているのです。


●クニ子おばばを囲む会

 さて、23日の「クニ子おばばを囲む会」はじつに面白いものでした。
 テレビでのクニ子さんは、どちらかというと、穏やかさが強調された雰囲気で放映されていましたが、目の前のクニ子さんは、とてもウイットに富んでいて、司会者の仲介が入らねば話が止まらず、話すたびに「ハハハ!」と笑う、また質問への答もどんどん横道にそれるのですが、その話自体が面白いので、抱腹絶倒の繰り返しでありました。

 会場での問答の一部を以下に紹介します。

Q:(30代女性)農家に嫁ぎます。でも、右も左も分からない。何かアドバイスありますか?
A:田んぼには田んぼのしきたり。山には山のしきたり、焼畑には焼畑のしきたりがあります。アドバイスなんてできませんよ。この世は、農業なきゃ生きていけん。皇室の次に偉いのが百姓です。今の人は食べ物をすぐに捨てる。食べ物は、誰かが一所懸命作っています。食べ物に苦労する人は一生苦労しますよ。

司会者:本日は、クニ子さんの6人の子どものうち2人が来ています。その一人、3女のマチコさんは、産婆さんなしに産んでいます。
A:昔、山で一人で出産して、へその緒も自分で切って、産んだ子をまいかけにくるんで、抱いて山から降りたという話を聞いとったのが「勝ち」でした。今はロボット時代。でも、昔の人の話は理に叶っています。自然に感謝しています。

Q:今日はいいお茶(参加者にはクニ子おばば特性の「よもぎ茶」がプレゼントされた)をもらいました。
A:椎葉には眼科がありません。なんとなく街で舌が荒れて、医者にも行ったが治らん。でも、自分のヨモギ茶を飲んだら治りました。ハハハ!


 88歳。なんとパワフルなんでしょう。

 クニ子さんの焼畑は、去年からは息子さん夫妻が中心となり営まれているようですが、ご家族は、その名も「民宿焼畑」(1泊2食付7500円)を経営していて、料理の食材はほとんどが焼畑で取れたもの。
 これは一度は行ってみたいと考えております。

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2012/06/27 10:11 焼畑 TB(1) コメント(0)
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まとめtyaiました【クニ子おばばの焼畑】
●気持ちのいい焼畑 6月23日、東京都の上野駅近くで開催された「クニ子おばばを囲む会」に行ってきました。 クニ子おばば=椎葉クニ子さんは、今や日本で、片手で数え
2012/06/27 16:19 まとめwoネタ速neo
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