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 第1章 難民から学ぶ

お役に立ちたいオレ
 
 マガネイ難民キャンプをあとにすると、高橋さんが「じゃあ、あんたの仕事場になるマグドールに寄っていこう」と口にした。

 マグドール。
 ここで私は、医療・給食プログラムを実践することになるのだが、ここで、少しだけソマリアについての説明をしなければならない。

 1970代末から、隣国エチオピアで政治的、宗教的な弾圧を受けた人々が難民となり、砂漠の国ソマリアに大量流入していた。人口500万人のソマリアにおいて、その数約70万人。これは当時、アフリカ一の難民数だ。そのうちの10万人以上が、ケニアとエチオピアのどちらの国境からも近い町、人口わずか2000人のルーク周辺に居住していた。
 
 ちなみに、エチオピア難民の特徴は、国境を隔てているとはいえ、ソマリア国民と同じ民族のソマリ族であるということだ。つまり、言葉も文化も同一である。
 そして84年末、またしても、エチオピアからの新難民数万人がルークに流れ込んだ。このとき、JVCは宿舎の敷地内に臨時の保護施設を作り、特に重度の栄養失調児を住まわせて、JVCの予算で仕入れて作った給食を与えていた。しかし、何百人いるかわからない栄養失調児や女性のためには、それなりの規模の給食センターや診療所を作る必要がある。JVCは保健プロジェクトを始めることで、この新難民を受け入れることを決めた。私はその担当に抜擢され赴任したのだ。
 
 その新難民キャンプ「マグドール難民キャンプ」は、異様な光景を呈していた。

 先ほどの、当たり屋に遭遇した難民キャンプは、もう十年前後の歴史があるからそれなりの住環境(家屋、トイレ、小さな雑貨屋や市場)が整っていたが、同じ日に訪ねたマグドールは、風が吹けばガラガラと音が聞こえてきそうな石だらけの大地に、お椀を伏せたような直径2メートル前後の半球型の小屋が何千も連なっていた。それらの小屋は、そのへんの木の枝で骨組みを作ったあと、それに、麻袋、ビニールシートの切れ端、布切れ、ありとあらゆるゴミで覆いをしているだけだ。高さは1メートル半足らず。風が吹いただけで、ゴミ小屋の中は砂だらけになり、雨でも降れば多くの人が肺炎を起こすに違いない。

 噂にたがわず暑い。10時を過ぎたばかりで既に40度は超えた。車にエアコンはない。ソマリアに来る直前、私は実家のある北海道にいた。
「僕、マイナス15度からいきなりここに来たんですよ。きついですね」
「あんたも悪いときに来た。ほら、あれが現れたら、ソマリアが一番暑くなるときだ」
 と、高橋さんが運転席から指差す地平線の向こうには、何本もの竜巻が現れている。

 ルークは、かつてギネスブックに「世界一暑い場所」として登録された。特に2月と3月は連日気温が50度超と酷暑を極め、空気は湿度10%未満と乾燥の極みに達し、その異常な熱気が砂漠の地平線のあちこちに生み出した竜巻は、天まで届きそうなその細長い体をゆっくりしたリズムでくねらせて踊り、猛烈な熱風を送り出していた。

 ラクダのだろうかロバのだろうか、熱風が運んでくるその死臭に吸い寄せられるように、翼を広げれば3メートル以上もある何十羽ものハゲコウ(コウノトリの仲間だが頭に毛がない)がギャーギャー鳴きながら、原形を留めない獲物の元に群がり死肉をついばんでいる。おおよそ、心の潤う光景ではない。

 マガネイ(MAGANEY)とドリアンリー(DORIANLEY)難民キャンプの中間地点に難民が移送されたというだけの理由で、それぞれの頭文字からマグドール(MAGDOR)と名づけられた難民キャンプ。その事実は、マグドールがどことなく軽んじられているような印象を匂わるが、実際、新しいキャンプとはいえ、ルーク地区で活動する外国のNGOのいずれもマグドールでは活動していなかった。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)からの食糧配給にしても、難民は隣のマガネイにまで2、3キロ足を運ばねばならない。難民の子どものための学校すらなかった。人々はただ放置されていた。

 だからこそ、外国人の高橋さんと私に関心が集まるのは当然で、あちこちの小屋から人がわらわらと出てきて、あっという間に100人以上は集まった。
「オー、タカーシャ(高橋)ではないか」
 年末からしばらくの間、栄養失調の子どもをJVC宿舎に預けていた人は高橋さんに握手を求めに来た。
 どの人も一様に背筋がスラッと伸びている。男は、私たちが着るのと同じ長袖のシャツに、ズボンか腰巻をまとい、頭にターバンを巻く人もいる。女性は、片方の肩の上でキュッと結んだ、薄い綿のワンピースを身にまとう。顔も両腕も隠さず、胸の形までわかるこの露出度の高さは、砂漠のイスラム地域では極めて異例だ。頭髪だけはスカーフで覆っている。ちなみに、アフリカ三大美女の一つにソマリア人が挙げられているが、確かに、高身長、比率の取れたプロポーション、目筋がキリと際立った細面は特徴的だ。

 と女性に見とれるよりも、50人、100人と、私たちを凝視する群集が増えるにつれ、私は不意に、そして初めて不安に襲われた――「オレが責任者になるのか・・」

 私は今回の赴任がNGO初体験だった。それどころか、社会人経験も、命令に従うだけの一年半を過ごしたにすぎない。
 この5年前の1980年、21歳のときにオートバイでサハラ砂漠周辺を旅したことがある。そのインパクトは強烈だった。ギラギラした太陽と、足裏から大地のエネルギーを吸収し、陽気が服を着て生きているようなエネルギッシュな人々との出会い。帰国後も、いつかはどんな形ででもアフリカに戻りたいとの思いを胸に秘めていた。

 84年、一時帰国していたJVCソマリア代表と出会い、報告会に顔を出し、事務処理を手伝ううちに、そこそこの信頼関係が得られたことから、「ソマリアに行ってくれないか」との話になった。今にして思えば、JVCに限らず、今のNGOなら間違ってもこんな形での現地派遣はありえない。ある程度の期間をインターンとしての経験を積み、きちんとした書類審査や面接を経て、その語学能力、適応力、体力、協調性などを総合的に判断されてからの派遣となる。当時は、ある意味、こんなおおらかな人事が通用していたのだ。

 ともあれ、勢いだけで私はソマリアに来てしまったようなものだった。
 だが一方で、この遅すぎた不安にもなんとか潰されずにすんだのもその勢いであり、善くも悪しくも「難民の役に立つゾ」という「自惚れ」があったからでもある。
 もっとも、この自惚れもやがて音もなく崩れ去るのだが。(その4に続く)

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まとめtyaiました【ソマリアは乾いていた その3】
 第1章 難民から学ぶお役に立ちたいオレ  マガネイ難民キャンプをあとにすると、高橋さんが「じゃあ、あんたの仕事場になるマグドールに寄っていこう」と口にした。 
2012/06/10 17:52 まとめwoネタ速neo
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