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 私はあまり意識していないのですが、本ブログのソマリアの記事が一部の読者にはよく読まれているようです。

 この際だ。

 昔書いた文章を公開しようと思います。それは、2年間に及んだソマリアでの生活を、帰国してから20年以上も経ってから書きまとめた記録です。

 当初は、本にでも・・と考えていましたが、読み返せば読み返すほど、そのレベルではないと悟りました。かといって、このまま机の肥やしにするのも惜しい・・。ということで、駄文でありますが、公開します。

 ただし、原稿用紙換算で200枚くらいはあるので、一度に公開はできません。チビリチビリと、ところどころを手直ししながら公開いたします。末永くお付き合いくださいませ。

 もちろん、従来書いている、社会問題や環境問題も同時に続けていきます。





序章

 ソマリア奥地の難民キャンプ。
 また子どもが死んだ。つい昨日だったという。
 だが、母親は「あの子? 死んじゃったぁ」と実にさばさばしている。
 またかと思う。
 初めは、食欲をなくすほどに衰弱しきった子どもたちに積極的に食べ物を与えようとしない母親たちを、ある意味では励まし、ある意味では怒り、幼い命に火を灯し続けることを促していた。だが無駄だった。死はあまりにも日常的だった。

 あるときは、16歳の少女が自動車に轢かれて死んだ。故意ではなかったにせよ、私は運転手のソマリア人を責めた。反省せよと。だが、彼は反省しなかった。それどころかこう言ったのだ――「あの女の子はあの日、アラーの神の思し召しで私の運転する車の前に現れる運命だったのだ。インシャーラ(神の思し召すままに)」
 運転手の男は、地元警察にたった一泊拘束されただけ。事件は、はねた男が属する氏族の長とはねられた女の子の属する氏族の長との話し合いで、日本円にして約5万円が遺族に支払われるだけで決着がついたのだ。はねた男は、反省もしていないから当然、遺族に謝りにいくこともしない。さらに驚いたのが、そういう無反省の男を非難した私たち日本人を周りのソマリア人が逆に非難するのである。
「彼は警察でも氏族社会でも裁きを受け、もうすべてが終わった。日本人がこれ以上非難するのはおかしい」
あの地、東アフリカのソマリアでは、私たちこそ異端の存在だった。

 ソマリアは、私の価値観という価値観を見事にひっくり返してくれた。
「死」は決して悪いものではない。ソマリア人は信じている。生前の行いがよければ、アラーの神の元で、緑溢れる楽園で老いることなく永遠の安寧を送るのだと。だから、なぜ生きる見込みのない子どもをお前たちはそんなに生かそうと必死になるのか、なぜ死者が蘇るでもないのに、既に制裁を受けた者をお前たちは責めるのかと逆に問い質された。

 死生観の違いだけではない。私が苦しんだもう一つは、私たち「金持ち」日本人から取れるだけ取ろうと、あらゆるウソと詭弁と演技を総動員してぶったくりに奔走する難民たちとの闘争である。絶えず「俺たちは貧しい難民なのだ。トラックを無償で提供せよ。お前には俺たちを救う義務がある」などと堂々と主張する難民たち。その「特権階級」意識との対峙では、どうしても譲ることのできない価値観同士のぶつかり合いで生まれた亀裂のなかで私はもがき、ときに怒りと憤懣に身を焦がし、精神をずたずたにされた。

 本稿は、私が、1985年から、日本のNGO(非政府組織)の一員としてソマリアに2年間滞在していたときの記録だ。その日々は、貧しき難民と心を通わせて光ある明日を作り上げるという、世間がイメージする「ボランティア奮闘記」とはほど遠い毎日だった。「難民がかわいそう」だなんていったい誰が言ったのか。かわいそうなのは、難民に絞れるだけ搾り取られているオレたちではないか。特に滞在の後半、そんなことを毎日ぼやいていた。どんなに泣いても訴えても、その思いが相手には届かない高い壁がそびえ立つ世界。もう二度と住むことはないだろう。

 だが、帰国後から今に至るまで、世界で起こっている悲惨な戦争や紛争の背景を知るにつれ、私はこう思うに至った――あのぶったくりに奔走した難民たちも「正義と援助」の被害者であったのだ。
 ソマリアの隣国エチオピアから70万人以上とも言われる難民流入の背景には、まさしく大国の論理があった。エチオピアのオガデン地方には、ソマリアに住むのと同じソマリ人が住んでいる。77年、エチオピア革命の混乱に乗じて、ソマリアはオガデン奪回のために軍を侵攻させたが、エチオピア支援のソ連とキューバの軍事力に駆逐され、以来、エチオピア政府の弾圧を受けてきたオガデン地方のソマリ人は故郷を捨ててソマリアを目指した。1980年にアメリカがソマリアに軍港を設置するに至ると、ソマリアは東西冷戦構造に巻き込まれていき、大量の武器が流通するようになった。
 
 私はソマリアで2つの難民キャンプを担当した。初めの一つは、着の身着のままでオガデンから逃れてきたばかりの人々の難民キャンプ。だが、必要最低限の支援を除けば、彼らこそ私たちの援助を必要としなかった。あの灼熱の下の劣悪な環境で、自分たちでやるべきことを自分たちで話し合い、力を合わせて活動していた。じつに美しい現実だった。

 二つ目は、もうソマリアに10年ほど住み続けている人々の難民キャンプだったが、一つ目とはまったく逆だった。ちょっと努力すればできる些細なことでも、すべて私たちに押し付けてきた。彼らは、国際援助機関やNGOなどから寄せられる援助に慣れきっていたのだ(援助そのものが悪いのではない。要はその在り方だがそれは後述する)。
 だが、その難民たちも、90年から始まった内戦の煽りを受け、またしても移動を余儀なくされた。一つ目の難民キャンプで見たように、どんな揉め事も話し合いで決めるのがソマリアのルールであった。だが、東西陣営からの武器の大量流入により、その話し合いでの解決は無力となったのだ。彼らがどこに行ったのかを私は知らない。
形がどう違おうと尊ばれるべき人間の世界が、国内政治や国際社会の「正義」で簡単に踏みにじられるこの現実。ソマリアは内戦で国という体裁を無くし今も無政府状態が続いている。私たちとつきあってきたモハメッド、ラシッド、カイロ、その他大勢の人は、その後再び難民としての流浪の旅を続け、今どこにいるのだろう? どこかの難民キャンプで生きていたとしても、「善意あふれる」援助で骨抜きにされていないか?

 25年経った今も、まだ彼らを忘れられないのは、なんといっても「あそこくらい人間が本音で生きている場所もない」と思っているからだ。苦しみながらも、私が多くのことを学んできたのもまた事実である。
 絶望的な状況にあっても、絶望しない人間の心根を。難民となっても決して卑屈になることのない気高さを。全てを自然に委ね、逆らわずに生きる人間の姿を。そして、ときに私を守ってくれた人々。壁の向こうはまったく違った世界であったが、人間の世界であることだけは違いはなかった。
 生死もわからぬ彼らを思い出すたびに、ふつふつとあの日々のことをまとめておかねばとの思いが強まるばかりである。
 なお、本稿はあくまでも私の主観的観察による記録であり、所属していたNGOの活動を伝える公式記録ではないことだけは事前にお断りしておきたい。(その2に続く)

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まとめtyaiました【ソマリアは乾いていた その1(序章)】
 私はあまり意識していないのですが、本ブログのソマリアの記事が一部の読者にはよく読まれているようです。 この際だ。 昔書いた文章を公開しようと思います。それは、
2012/06/09 02:53 まとめwoネタ速neo
リニア取材のカンパのお願い
 リニア中央新幹線の取材範囲は、東京都から愛知県までと広範囲で、多大な取材経費を要することから、数十組もいる会うべき人たち・組織の多くに会えないでいます。また、リニアに関する記事を書こうにも、ほとんどの雑誌はJR東海が広告主であるため、記事を掲載できず、取材するほどに資金力が落ちる状態が続いています。今後は、再び単行本の発行を目指しますが、私のリニア中央新幹線に関する取材へのご寄付をお願いできないでしょうか?  カンパをしてくださった方には ★ブログに記事を掲載する際のお知らせ。 ★雑誌に記事を載せる場合の、掲載誌送付。 ★単行本を出した際の、一冊謹呈。  など、せめてもの特典を用意いたします。  なお、いただいたカンパは以下の用途に限定します。 ★取材地までの往復交通費。 ★取材地での宿泊費。 ★リニア中央新幹線に係る資料代。  食費は自己負担としますが、使用明細は公開します。  ご協力いただける方は以下の口座への入金をお願いいたします。  みずほ銀行・虎ノ門支店・普通・1502881 カシダヒデキ  ご入金に際し、ご住所や連絡先などを教えていただけたら助かります。どうぞよろしくお願いいたします。
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スペースシャトルの宇宙食にもなった。保存期間は3年。しっとりおいしい奇跡の缶詰。24缶セットもある。
共通番号の危険な使われ方
今年10月に全国民に通知され、来年1月から運用が始まるマイナンバーという名の国民背番号制度。その危険性を日本一解かり易く解説した書。著者の一人の白石孝さんは全国での講演と国会議員へのアドバイスと飛び回っている。
マグネシウム文明論
日本にも100%自給できるエネルギー源がある。海に溶けているマグネシウムだ。海水からローテクでマグネシウムを取り出し、リチウムイオン電池の10倍ももつマグネシウム電池を使えば、スマホは一か月もつし、電気自動車も1000キロ走る。公害を起こさないリサイクルシステムも矢部氏は考えている。脱原発派は必見だ。