リニア計画やその補償金に納得できない人たちを退去させるため？と疑われている神奈川県相模原市が計画する「大西大通り線」予定地を歩いてみた。一体、何十世帯が立ち退かされるのか

●なぜわざわざリニアルートの直上に道路計画を設定するのか？
　神奈川県相模原市では、現・ＪＲと京王線の「橋本駅」に隣接するリニア神奈川県駅が建設中。
　リニア中間駅ができるどの自治体（相模原市、山梨県甲府市、長野県飯田市、岐阜県中津川市）もリニア開業に合わせてリニア駅周辺開発計画を推進している。リニアは間違っても２０２７年開業はない。閑古鳥が鳴くだけの結果しか見えないこの周辺開発でいったいどれだけの住民が立ち退くのだろう。
　相模原市で看過できないのは、リニアルートのほぼ直上に合わせたように、道路新設工事を3本も行うことだ。そのなかでも最長なのが約920ｍの「大西大通り線」。
　これは道路拡幅どころではなく、それこそ、既存の家屋を数十軒も立ち退かせての道路新設工事を行う。
　市によれば、その目的は「高速道路の相模原ＩＣからリニア駅までの速達性を強めるため」。
　だが、それは既存の道路でもその役割を果たしている（詳細は割愛。長くなるので）。

●　ここで問題は二つ。
１．相模原市のリニアルートはすべて浅深度（地下４０ｍよりも浅い）。この場合、ＪＲ東海は地上に住む地権者との間に区分地上権（地下空間を事業者が利用できる権利）を設定しなければならない。トンネルが地下何ｍを走るかで、その補償金額は異なる（地上に近いほどに高い）。だが、その設定を拒否する人たちもいる。浅深度でリニア工事やリニア走行がされたら、どれだけの騒音や振動に悩まされるかわからないからだ。

２．しかし、このほぼ直上に道路計画を設定したら、それは都市計画になるので、そこに住む住民は、都市計画が事業認可されると、否が応でも強制収用の対象となり、そこを立ち退くことになる。
　そこに住む住民の一人、Ｔさんは「市はずるい。リニア建設を推進しやすくするために私たちを追い出そうとしている」と怒り心頭だ。
　添付した地図は、緑色がリニアルート、ピンク色に挟まれているのが「大西大通り線」。
　地図につけた番号が写真の順番。ただし、番号の特定する場所はやや大雑把です。
　赤い線や矢印が「大西大通り線」の予定ルート。








　この道路計画、ほんとうにやるのか？　


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