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樫田秀樹

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●仮放免されて1年経っても繰り返す自殺企図。傷は癒えない…
 3月24日、トルコ国籍のクルド人、デニズさんが精神病院に入院した。
 家族が、というよりも、「このままでは、またいつ自殺をするかわからない」と、自ら望んでの入院だった。

 3月9日、デニズさんは、自分でも意識しないうちに約100錠もの精神安定剤を一気に飲んだ。自分の中にいるもう一人の自分からの死の誘いがあったようだ。
 仮放免されてから、これで3度目の自殺未遂だ。

●長期収容が心身を引き裂いた
 デニズさんは約10年前に日本人女性と結婚しているが、オーバーステイであったことで、東京入管(東京都港区)や牛久入管(茨城県牛久市)に何度も収容されている。特に2016年6月からの収容は長く、延べ3年8カ月にも及んだ。
 ここで「延べ」と書いたのは、何度か仮放免もされているからだ。だがその内容は残酷だった。

 2016年頃から、全国の入管の収容施設では「無期収容」が始まる。それまで、半年から1年くらいで仮放免されていた事例が多かったのに、「無期」が急増した。
 収容施設の中で「仮放免申請」を出す。だがその結果が返ってくるのは3~4か月後。だいたいが不許可。その理由は一切告げられない。そして被収容者はまた仮放免申請を出す。だが数か月後に理由なき不許可の繰り返し。

 自分たちはいったいいつ出られるのか。
 この絶望感から、多くの被収容者が精神のバランスを崩していた。

 牛久入管では、窓に黒いテープが貼られ、外の景色も見えない。家族とすら1回30分しか面会できない。病気になっても受診には平均で2週間もかかる。外出もできない。インターネットも使えない。何よりも、自分たちがいつ仮放免されるのかの情報が一切与えられない。

 そこを突破しようと、牛久入管で始まったのが、集団ハンストだ。仮放免されるまでは水も飲まないハンストが始まったのは2019年5月ころから。初めは一人で始めたハンストが7月には100人にまで膨れた。

 誰もがみるみる体重を10キロ以上も減らした。倒れる。血を吐く。それでも続けた。

 さすがに入管は仮放免を認めた。だが、その期間わずか2週間だ。
 入管の言い分は「痩せた体を健康にしてもらうのが仮放免の目的。2週間経って体重が戻れば、ここに戻すだけ」。

 デニズさんもハンストに参加。そして2019年8月、たった2週間の仮放免を得るが、再収容。再びハンストを続け、10月、再びの仮放免を得るが、またも2週間。そして再々収容されてしまう。

 自分たちがどれだけ頑張っても、結局は、ここから出られないのか。

泣くデニズさん←2019年8月。2週間の仮放免で記者会見を開催。だが、あと数日で収容されることを思うと、恐ろしくなり、絶望感に襲われ、デニズさんは泣いた。

 再々収容のあとから、デニズさんの心身に変調が見られた。
 顔から笑顔が消え、時に目がボーとしているかと思えば、時に攻撃的になる。自分で歩けず、車いすで面会室に現れたこともある。
 それまでもデニズさんは幾度か自殺未遂を繰り返してきたが、その回数は増えた。

●「また自殺します」

 あるときは私に「昨日、アルミ缶を引き裂いて、その切り口で手首を切りました。でも死ねなかった。でもまた自殺します。遺書も書いた。あなたにも送ります」との電話を入れてきた。

 待って。とにかく僕が行くのを待ってと電話を切り、2日後に面会に行くと、自殺未遂で疲弊していたデニズさんは「懲罰房」に入れられたと語った。入管の制度上、心身が疲れた被収容者を温かく包むことはない。

デニズさんTシャツ2←自殺を図ったときに血で染まったTシャツが、弁護士経由で送られてきた…。

 デニズさんは言った。
「もう判らない。自分で判らないうちに手首を切っていた。数年前の自殺未遂は、自分で『やろう』と思ったけど、自分でも怖い」

 2020年2月ころ、デニズさんの自殺未遂は周囲が目が離せなくなる。わずか2週間ほどの間に、約10回も繰り返したのだ。ビニールを飲む、首をくくる、手首を切る。
 どれも「自分でわからないうちにやってしまう」

デニズさん、自殺のイラスト←同じ被収容者のペニャさんが、職員から聞き取って描いた”首吊りをしたデニズさん”

 2020年3月。デニズさんはようやく普通の仮放免をされた。

200324デニズさん+妻→出迎えた妻Aさんと固い抱擁を交わした。

 そして、すぐに、精神科や眼科など、牛久入管ではしてもらわかった丁寧な診察のためにいくつもの病院を回った。その結果、精神科では、拘禁反応、PTSD、抑うつ状態、幻聴、幻視、悪夢が確認され、必要な薬剤が処方された。

ゆい診断書←これは2019年10月の2週間の仮放免中に出された診断書。このように、収容に耐えられない精神状態であっても、入管はデニズさんを再々収容した。

 デニズさんが100錠もの精神安定剤をもっていたのは、これが理由だ。

●仮放免されても自殺企図
 だが、仮放免から半年後の2020年9月、私は仙台市で取材中だったが、デニズさんから電話があった。

「また自殺未遂してしまいました。知らないうちに病院にいました」

 このときもアルミ缶を割いてのリストカットだったと記憶している。

 もう一人の自分が死にいざなう。そのとき、デニズさんの意識は現世界を離れる。気づいたら、倒れている自分がいる。

 そして3月9日。
 この日、デニズさんと妻のAさんは、午前1時頃に就寝。『明日は一緒に出掛けようね』と穏やかに過ごしていた。
 だが、午前3時頃、デニズさんが、ある男性Bさんに「話したいことがある」と電話しているのをAさんは聞いていたが、そのまま寝てしまった。
 このときデニズさんはBさんに「自殺する」との電話をしていたようだ。

 そして3時間後の午前6時頃、突然、警察署の警察官が訪ねてきてAさんに「ご主人は今xx病院にいます」と告げた。

 え! 3時間前まで一緒にいたのに。

 後日、私はAさんと話したが、こういうことだった。

 デニズさんが100錠もの薬を飲んだのは家の中ではなく、午前3時の後、一人でフラフラと自宅近くの公園にまで出かけ、そこで死の声に誘われるまま、一気に薬を飲んだのだ。
 だが、飲んではみたものの、苦しくなり、すぐ隣にある病院にまでヨロヨロとたどり着いた。

 Aさんにとってショックだったのは、仮放免後の自殺未遂は多少のお酒が入った後の行為だったのに対して、今回は、アルコールなしで起こした行動だったこと。
 それも、愛する自分のそばではなく、真夜中の寒い誰もいない公園で、自殺を図ったこと。

 これを想像しただけで、私は泣きそうになる。
 いったいどんな気持ちでデニズさんは大量の薬をのんだのか。仮放免されて1年。それでも、入管の影はどこまでもつきまとう。

 ただし、今回の自殺未遂を経て、デニズさんは「自分はこのままでは絶対にいつか死ぬ」と、自ら入院を願い出た。3月中旬に入院が決まったとき、Aさんによれば、それは「ほっとした顔」になったそうだ。

●支援が始まる
 3月24日の入院初日の夜、デニズさんから電話がかかってきた。案外元気そうだった。
「とりあえず、2週間、ここに入院することにしました。電話? スマホは持ち込みOK。いつでも電話して。職員さんたちも優しいからよかった…」

 入院が2週間で終わるのか、それとも1カ月に伸びるのかはわからないが、一つだけ強調したいのは、デニズさんは入籍しているとはいえ、仮放免という身分では「健康保険に入れない」ので、医療費が10割負担だということだ。

 1日3万円。
 2週間で42万円。
 もし1カ月なら100万円弱になる。

 Aさんは、この額に「デニズより早く、私が死んでしまいますね」と冗談めくが、内心はとても不安に違いない。今、関係者が入院費のカンパなどを呼びかける様だ。詳細が決まればまた周知したい。

←入管問題に長年関わる織田朝日さんの最新刊。4コマ漫画を軸に入管問題を判り易く伝えている。

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