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樫田秀樹

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●入管庁のヒアリング
 昨日、「難民問題を考える議員懇談会」が入管庁職員を呼んでのヒアリングが行われ、オブザーバー取材した。
 ZOOMでも参加できたのだが、極力、現場に行くことを選びたい。
 
210226入管庁ヒアリング1

 入管法改正案は、本当に「改正」になるのかは大いに疑問とすべきで、その主な問題点は先日FBで書いたので省略するが、昨日確認できたのは、ざっと以下の通り。

★収容に上限を設定しない。
 「長期収容を解消」するための改正法案だったはずなのに、昨日の入管庁の説明では「収容に上限を設定しない」とのこと。
 その理由について、入管庁は「上限を設定すれば、被収容者が(自主帰還を選ばず)上限まで収容されることに頑張ってしまうから」と説明した。なんだ、それは。

★「再入国には『技能実習生』で」
 入管は、これまでは自主帰国した外国人が日本に再入国するには「5年」待たねばならないと定めていたが、改正法案ではその期間を「1年」に短縮する。だが、「1年」での再入国は「短期滞在」ビザではダメ。では、どういう在留資格で再入国できるのか? この質問に入管庁は「技能実習生で」と回答。何だ、それは。これを批判されると、「あくまでも一つの例として」と言い訳していたが、具体的にはどういう在留資格かを明示しなかった。
 長期滞在ビザで1年後に戻ってくるなんて、あり得ない。
 これを傍聴していたある外国人は「そもそも1年後に戻ってこれるなら、1年間を本国で過ごすということ。そんな安全な国なら、もうとっくに帰っているよ。日本にいたくているんじゃないんだから」と呆れていた。

210226入管庁ヒアリング 片山真人参事官←入管庁の片山真人(まこと)参事官。発音明瞭だが、内容が難しく早口。あらかじめ提出されていた質問に文書回答せずに、口頭回答だけでは理解が難しい。

●長期収容は続く?
 入管庁は、そもそも「長期収容の解消」のために、仮放免したあとに「監理措置」を採ると打ち出している。
 だが、改正法案の54条2項には、仮放免の条件として「健康上、人道上の理由で…」と書かれている。そして、前述のように「収容の上限は設定しない」と断言している以上、この54条2項を見る限りは、健康である限りは長期収容を続ける可能性があるということでは?
(この疑問については、ヒアリングの後で、石川大我議員を通じて入管庁に送られることになっている。回答は後日)

改正案54条2項←54条2項。上段が、改正法案。下段が現行法。改正法案では「健康上」の理由が仮放免の条件になっている。

●「健康上…」とは、体だけではなく、心や精神も含む?
 また、この54条2項に記載された「健康上」との言葉は、体だけではなく、心や精神の健康状態も意味するのか?(これも石川議員経由で回答待ち)
 じつはヒアリング終了後に会議室を離れた入管庁職員に廊下でこの件を直接質問したところ、職員は「私はそれも含むと思う。公式な見解ではないが」と回答。
 そうであるならば、すでに被収容者の多くは睡眠薬に頼り、精神安定剤で不安を紛らわすけど思考が働かない人もいるし、なかには抗うつ剤を服用する人もいる。こうした人々はすでに仮放免の条件を満たしていると考えられる。

210226入管庁ヒアリング2←立っているのが「懇談会」代表の石橋通宏議員。右に座るのが事務局長の石川大我議員。

●拒食(ハンスト)や仮放免での逃亡の背景は何なのか?
 入管庁は、「収容の長期化解消困難」の原因として、被収容者の拒食事案(ハンスト)や仮放免者の逃亡事案の発生を挙げている。
 そもそも、なぜそのような事案が発生するのかの背景を把握しているのか?(これも石川議員経由で回答待ち)
 地獄のような長期収容から逃れたいとの必死の思いがあるからこそのハンストや逃亡だが、今後も長期収容が続く場合には、同じような事案が発生すると予測していないのだろうか?

 ヒアリングを拝見したところ、入管庁職員は、多くのマスコミからの改正法案批判の報道を受けても、自信をもって「これぞ改正」と説明する。
 2月25日には、自民党議員6人もやっと入管問題の勉強会を開催したが、果たして4月から審議入りすると言われるこの改正法案について、自民党員からも疑問の声は上がるだろうか?
 今求められるのは、マスコミのもうひと頑張りと世論の高まり。それしかない。

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