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樫田秀樹

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●石垣島に自衛隊が配備される 
 
10月26日から28日まで沖縄県石垣島(石垣市)に滞在。島に配備予定の自衛隊基地についての取材だ。
これは某月刊誌に書く予定なので、詳細はここでは書けないので、以下概要だけ。

★★防衛省は、石垣島で600人規模の自衛隊警備部隊を配置予定。面積は46ha。実際に基地の工事は始まった。

●この計画における問題点は、
★住民にすれば、ほぼ寝耳に水の計画。
  2016年11月に防衛大臣が中山市長に陸上自衛隊基地の配備を要請。市長は、住民の忙しい年末年始を越した年明けに「住民のご意見を聞きたい」と表明したことで、住民は、年明けの面会を想定したのに、その年末に市長は突然「基地受け入れ」を表明した

★「なぜあの場所なのか?」
 候補地は7か所あるはずだったのに、建設予定地とされたのは、沖縄一の高峰であり聖地であり水源地である「於茂登岳」の麓だった。配備に賛成する住民も反対する住民も抱いた疑問は「なぜよりによって於茂登岳なのか」ということだ。これについての市や防衛局からの説明らしい説明はない。

石垣島 建設中の自衛隊基地←建設中の自衛隊基地。元々は石垣市の一市会議員(与党)の所有するゴルフ場だった。なぜそこに決まったのかは謎のまま。
  石垣島 自衛隊基地+於茂登岳+内原議員←一番高い山が聖地「於茂登岳」。その前にあるのが「前岳」。前岳の右端にある茶色い地面が、上記「建設中の自衛隊基地」。内原市議が案内してくれた。事業面積は46haだから、そのうち「前岳」にも開発の手が及ぶ。

★周辺地域は戦後の苦労の開墾地
 特に、於茂登岳周辺の4つの集落の住民の多くは、沖縄本島で米軍基地(嘉手納飛行場など)の建設により立ち退かされた人たち、戦前から住んでいた台湾人などであり、戦後、彼らに当てがわれたのが、マラリア蚊の巣窟である原生林だった。そこを人力だけで開墾してパイン畑にしてきた歴史があるだけに、住民の土地への愛着、農業を可能にした水への感謝は他の地域には負けない。その場所での弾薬庫などを含む基地建設に「水(川と地下水)の汚染」や「枯渇」を住民は怖れる。

石垣島 於茂登集落の開墾の碑←於茂登集落に建てられた「開墾の碑」。戦後、多くの人が苦労した。
石垣島 於茂登御主神←於茂登岳からの水を祭る「於茂登御主神」が滝の向こう側にある。
石垣島 島田長政さん1←島田長政さん(75)の父は台湾人。石垣にパイナップルを持ち込み、大きな産業にした。マラリア蚊の巣窟の原生林を苦労の末に開墾。今はマンゴー農家としてもファンが多くの固定客をもつ。台湾人は戦前、戦中、戦後は石垣では差別の対象だった。

★自衛隊反対の運動ではなく、住民の声を届ける運動が始まる
 今回の取材で出会った人たちの中には「自衛隊容認」派もいる。だが、そういう人も「なぜあの整地に」との疑問を抱く。最大の問題が、情報が住民に共有されないままでモノゴトが進むこと。まずは住民がこの問題をどうとらえているのかを明確にする必要があるのではないのか。
 この状況を変えようと、多くの住民が立ち上がった。彼らが目指したのは、この計画に対する賛否を問う「住民投票」の実施だ。市の「自治基本条例」では「有権者の4分の1以上の署名があれば、市長は住民投票を実施しなければならない」との義務規定がある。

石垣島 自衛隊基地反対の旗1←自衛隊基地反対の旗
石垣島 自衛隊基地反対の旗2

★運動の代表者は20代
 その住民投票を実施するための署名活動の代表に就任したのが20代の金城龍太郎さんだ。同じく20代女性の宮良さんもそのサポートに入った。お二人は「若者が中心になったということを強調されるのは違うと思う」と語るが、現在の日本で、自身の住む地域で起きている環境問題や社会問題に立ち上がる若者は極めて少ない以上、やはり取材者としてはそこは一つのモデルとして取り上げたい。

石垣島 金城さん一家の農作業←金城さん一家は無農薬・有機栽培のマンゴー農家。右が龍太郎さん。この場所には300メートルほど近くの建設現場からの岩を砕く音が絶えない。
石垣島 金城さん+宮良さん←金城さん(右)と宮良さん

★4分の1を超える約4割の署名が集まったのに、住民投票は実施されなかった。
 署名運動では、有権者の4分の1(25%)を大きく超える約40%もの署名が集まった。これで市長は住民投票実施の義務を負った…はずだった。
 ところが、市議会(議長を除く21議員)は住民による投票条例の請求を反対多数で否決。市長は「議会が否決したので」と住民投票の実施を拒否。これに署名運動を展開してきた住民は驚く。

★「自治基本条例」を廃案にせよ
 さらに住民が驚いたのが、与党が、その「自治基本条例」を廃案にせよとの発議を行ったことだ、これは、さすがに与党のなかにも良心派がいたのか、10:11の僅差で否決された。

★裁判に提訴。そして敗訴。
 住民有志は、「市に住民投票を命じることを求める」裁判を提訴。だが、負ける材料がないのに、地裁は訴えを「却下」した。門前払いである。住民は控訴。裁判日程はまだ決まっていない。

★環境アセス逃れ?
 この基地建設が始まったのは2019年3月だが、翌4月には沖縄県で「沖縄県環境影響評価条例」が施行された。
 本来であれば環境アセスを受けなければならなかった当該事業は、3月着工ということで、ギリギリ環境アセスを免れたのだ。もし環境アセスをすると、調査には2,3年かかる。さらに、水源地の開発だけに、水資源への影響の予測も出るはずだ。だが直前の着工に、住民は「アセス逃れだ」と批判する。

★今、闘いの舞台は高裁に移された。そして、一部住民有志は「市長リコール」も考えているようだが、コロナ禍においてその準備は滞っている。

玉城デニー知事はいったい何をしているのか? 
 知事はこの問題に対して「住民の声を聴かないのは遺憾だ」程度の表明はするが、それだけだ。推進するならする、しないならしないで、県行政として具体的にこの事業とどう対峙するのかの方向性が何も見えない。

★一般国民もどう考えているのか?
 私たちは、辺野古や高江といった沖縄「本島」の「米軍基地」問題には高い関心を示す。ところが、「離島」の「自衛隊」事案ともなると、途端に関心の度合いは薄まる。
 これまで沖縄の八重山諸島では、続けざまに宮古島、与那国島で自衛隊基地が配備されてきた。与那国島では住民投票を巡り地域が二つに割れた(石垣ではまだ地域が割れていないのは幸いなことだ)。
 要は、米軍基地であれ自衛隊基地であれ、その周辺住民がどれだけの苦悩を強いられているかだ。
 聖地、そして水源地である於茂登山周辺地域の4つの集落は全住民が反対の意思を示している。辺野古や高江に関心を向ける私たちは、同じくらいの関心を向けるべきだと考える。
 2泊3日の取材はやはり短かった。また行かねば。

←八重山諸島における台湾人の苦難を記録した貴重な文献。私は、石垣島で台湾人が苦労して開墾していたい事実を全く知らなかった。

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2020/10/30 09:37 戦争 TB(0) コメント(0)
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1都6県にまたがるリニア問題を一人で取材することは自分で選んだ道でありますが、それも多くの方から取材費カンパというご支援をいただいたからです。とはいえ、2022年末にその資金プールがついに底をつき、東京都や神奈川県以外の遠方への取材を控えざるを得なくなってしまいました。今一度、ご支援を賜りたくここにそのお願いをする次第です。ご支援者には、今年には発行予定のリニア単行本を謹呈させていただきます。私の銀行口座は「みずほ銀行・虎ノ門支店・普通口座・1502881」です。また100円からのご寄付が可能なhttps://ofuse.me/koara89/letter もご利用ください。私と面識のない方は、お礼をしたいので、ご支援の際に、できればお名前を連絡先を教えていただければ幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。  樫田拝
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