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樫田秀樹

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●デモに180人が参加
 5月30日15時。渋谷駅ハチ公前には、警官によるクルド人男性(ラモさん)への暴行事件に抗議するために約180人の人たちが集まった。主催者の鈴木さんによれば、ほとんどが初めて見る顔だそうだ。ということは…。

ラモさん we need justice ← 警察の威圧行為を受けたラモさん

暴力の写真 ← 警察から暴行を受けている時の写真をもつラモさん

 その何人かに尋ねると「ツイッターでの暴行映像を見て、黙っていられなくて参加しました」、「日本人として恥ずかしい」との回答が殆どだった。数十人が各自で印刷した抗議カードを掲げて、渋谷を歩いた。報道陣もざっと見るだけで、時事通信社、毎日新聞、NHK、東京民報、フリージャーナリストが5,6人がいただろうか。

抗議カード1 抗議カード2 抗議カード6 抗議カード7 
 抗議カード9

 事件の詳細は既に書いたので繰り返さないが、新たに判ったのは以下のこと。
 ラモさんに威圧行為を行ったのは、「警視庁第一自動車警ら隊」。そこが応援要請をして渋谷警察署からパトカー10台+警官約30人がやってきた。
 ラモさんが威圧・暴行を受けている間、友人二人は車の中からその様子をスマホで撮影していた。だが警官がスマホを取り上げ「消せ」と命じた。ところが、画面ロックされたので、警官は持ち主の男性の顔に近づけ『顔認証』でロックを解き映像を消去した。だが、この映像はスマホ本体に加え、クラウドでも保存してあったので、公開することができたのだ。
 また、車の中のすべての荷物がぐしゃぐしゃに荒らされ、路上に放り出された。
 結局、何も怪しいものが出るはずもなく、私服警官が免許証だけ確認すると「もう行っていい」と告げただけで、威圧・暴力行為に及んだ警官たちは謝罪することもなくその場を去った。
 ラモさんは、警官から首をヘッドロックされたり、足を蹴られて地面に座らされ、病院で「首の捻挫、全治1カ月」の診断を受ける。
 現場は自宅のすぐ近く。つまり近所の人たちが見ていた。

ヘッドロック←「こうやってヘッドロックされ、首がねん挫しました」と再現するラモさん

 ラモさんは「何もしていないのに、こんな目に遭ったところを見られて本当に恥ずかしい。私はもう引っ越しを考えています」と訴えた。なお、ラモさんは、5月27日にはこれら警官を刑事告訴で告発。さらに民事裁判で国会賠償請求の手続きもするという。

●以下、デモの写真です。

 デモ1 デモ2 デモ3 デモ4 

 私がこのデモで評価したいのは、この事件をヒトゴトと捉えずに、むしろ「間違っている!」として多くの人が声を上げたことだ。これまで、例えば、入管問題のデモは何度も行われているが、その多くは入管問題に携わってきた人たちであり、一般市民の参加は少なかった。だが今回のデモでは、「黙っていられない」として多くの市民が参加した。これは大きな一歩だ。
 
 180人のデモは「差別警官、懲戒免職!」と訴えながら、渋谷駅周辺を歩き、デモ終了後は有志が(といってもほとんどだが)、渋谷警察署前に移動して「暴力反対!」と抗議の声を上げた。

渋谷警察署への抗議1 渋谷警察署に抗議2 渋谷警察署に抗議4 渋谷警察署に抗議5 渋谷警察署に抗議7

●逮捕される
 この時事件が起きた。警察署前の植え込みで抗議をしていた男性が、そのまま建物(警察署)に入ろうとしたとして「公共施設侵入罪」の現行犯で逮捕されたのだ。
 その男性、以前もヘイトスピーチへのカウンター行動でやはり逮捕されている。
 警察にすれば、もしかしたらデモに参加した人たちを委縮させるために、微罪にもならない微罪で彼を逮捕したのかもしれない。
 その後、急きょ弁護士も駆けつけ、どうやら48時間の拘束を受けることになるとのこと。
 逮捕された本人も落ち着いているらしい。

●クルド人
 クルド人は世界最大の、自分たちの国を持たない民族と言われている。人口約4000万人。
 日本の埼玉県川口市や蕨市では約2000人が居住していると言われるが、私もその何人かには取材をしているが、強く受けた印象としては、とても家族を大切にする、友人を大切にする人たちだ。
 クルド人は、イラク、イラン、シリア、トルコの4か国に分断されて生きているが、一様に差別の対象とされている。実際、反政府デモに参加しただけで警察で拷問を受けた人もいて、その生活に耐えられず、国を出る人が絶えない。
トルコ系クルド人の場合、世界各地で難民として認められているが、日本での難民認定数はゼロ。在留資格のある人もいるが、少なくない数の人たちが「仮放免者」という「就労禁止」の身分に置かれている。
そういう彼らでも生きていけるのは、民族のなかでの助け合いがあるからだ。

ちなみに、ラモさんの場合は、在日15年で「定住者」という在留資格をもち販売業をして暮らしている。
今回のデモでも、彼を一人にしないと多くのクルド人が参加した。そして、彼らはデモに参加した日本人に対して、コンビニまで何往復もしては、水、コーラ、サンドイッチなどを差し入れてくれた。そのサービス精神には感謝するしかなかった。
 デモ主催者の鈴木さんによれば、同様のデモはまた続けるとのこと。
 続報はできるだけ周知したい。

●国会
 今回のデモには、国会議員ではただ一人、立憲民主党の石川大我議員が最初から最後まで参加し、またその後の警察署前行動も視察していた。石川議員は今回の暴力問題を国会で取り上げるとでも終了後に語った。6月第1週は難しいが、その翌週以降で質問するとのことだ。

石川大我議員←石川大我議員

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