「自衛官の母」も声を上げる。「今声をあげなければ、息子に何かがあったときに後悔します」

　4月20日、北海道の千歳市に滞在していました。
　ここは今回惜敗した池田みきさんが闘った衆議院北海道5区でもありますが、まさに自衛隊の城下町ともいうべき場所でもあります。
　
　人口約9万５０００人のうち、じつに4分の１が自衛官とその家族に占められています。隣の恵庭市も人口約7万人の約2割が自衛官とその家族。

　両市には、当然、それら家族のための宿舎があちこちに建設されているわけで、今回、ここを、福岡県の富山正樹さんが訪れました。
　富山さんのことは本ブログでも書きましたが、簡単に説明すれば、自衛官の父兄のなかでは「安保法は間違っている」と声を上げている数少ない一人で、毎週、福岡県の小倉駅前や博多の繁華街でスタンディングアピールを行っている人です。

　その富山さんが、いろいろな経緯で今回、千歳市と恵庭市に点在する自衛官宿舎前で同様のアピールを行ったのです。

　すなわち、現在の日本には帰還兵はいないが、毎年戦争を行っているアメリカでは、毎日平均22人の帰還兵が心を病んだ末に自殺をしていること、自衛官は国境警備や今回の熊本地震などへの災害救助にあたるために職業選択をしているのに、契約にもない海外派遣で命を落とすかもしれないこと、自分の息子もその一人になるかもしれないこと等々。

　そして、今回驚いたのが、この自衛隊の城下町である千歳市において「自衛官の母」が同様のアピールを開始したことです。

　20代の息子さんを陸上自衛官にもつ平和子さんが自衛官宿舎前でのスタンディングアピールを始めたのは4月19日。
　まさしく、富山さんが北海道に来る一日前でした。その19日に関係者から「明日、こういう人が来るんだけど」と聞かされ、「じゃあ、是非同行を」と、今回、「自衛官の父」と「自衛官の母」とのコラボでの訴えが実現したのです。

　このことも、近いうちに、週刊誌や月刊誌に書く予定なので、ここで詳しく書くことは許されません・・。

　ただ、平さんの訴えを動画で記録していますので、それのみを公開いたします。

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　ちなみに、富山さんや平さんが何を話しても、ベランダの窓が空く様子がなかなかなく、はたから見たら「効果があるのか？」と思うような光景が続きましたが、夕方、部屋の明かりがつくと、中にいる人の様子が若干わかるようになり、けっこう聞いているんだなと思わせてくれました。
　ベランダで遊んでいる子どもたちに「寒いからもう入りなさい」とでも声をかけていたお母さんはそのまま、寒いのに、窓を閉めることなく、何気に窓のそばで立ち話を聞き、ほかの家でも、カーテンが閉めてあっても、そこに写る影が明らかに窓のそばにいることをうかがわせ、数軒ではわざわざ窓を開けた人もいました（ベランダには出てはきませんが）。この時期、北海道は午後3時半を回るともう寒いです。夕方近くで窓を開けるのはふつうはないことです。
　やはり、自分の夫が戦地に向かうのは承服できないものがあると思っていることか・・？

　この自衛隊の街でたった一人声を上げることはどれほどの勇気を必要とすることでしょう。
　実際、平さんは「見てください。私膝がガクガクなんです」と緊張を隠しませんでした。
　それでも立ち上がった。この思いが、あと一人でも二人でも、連携へとつながることを願ってやみません。

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