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樫田秀樹

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 毎週金曜日の官邸前集会に集まる数万人もの人々の怒りは本物です。

 ただ、あの怒りの渦を見ても、相手が腹の中でアカンベーをしているとしたら、やりきれない話です。実際、東京電力の社員にはまだボーナスが出ているし、減給したといっても世間一般並みの給与も保証されています。東電が支払う賠償金にしたって、もとをただせば税金です。
 あれだけの事故を起こしながら、誰一人責任を問われることのない東電。
 
 今、この状況に「こんなやり方がある」と取り組む人がいます。


●大富さんの絵画展

 10月12日、JR川崎駅で用が済み帰ろうとしたら、近くのビルの入り口に「大富亮 絵画展 原発にNOと言う2」なる紙が張ってありました。

 大富亮? あの大富さんって絵を描いていたっけ? 同姓同名かな?
 会場に出向いてみると、果たして、私の知人の大富さんでした。

大富さん


●チェチェン共和国。寺沢潤世さん。

 ロシア共和国のなかにあって、徹底した虐殺と弾圧を受け続けているチェチェン共和国。

 2000年時点で、ロシアの進攻により、100万人の人口のうち15万人が戦死。35万人が難民化。300ある村の250が壊滅…。これだけの問題が、ほとんど外部に知られることなく進行していたのです。

 それを世に知らしめてくれたのが、チェチェンで単身活動していた、日本人僧侶の寺沢潤世さんでした。

 寺沢さんは、モスクワで知り合ったチェチェン青年が急逝したのに伴い、ご遺体と一緒にチェチェンを訪れたのが最初の訪問だったのですが、そのとき、村全体でご遺体を懇ろに葬り、さらには、その青年の家族がイスラム教徒であるのに、仏教徒の自分を家族として受け入れたことに深い感銘を受け、以後、チェチェン紛争の解決に尽力することになります。

 そして、進攻していた側のロシア軍でも、兵士の多くは突然徴兵されたロシア人の若者が多く、モスクワを中心に「息子を返せ!」と訴える母親たちが『ロシア兵士母親の会』を訴えていました。

 さらに、自分たちが多数虐殺されていながら、チェチェン人は、ロシア兵のなかでも、「殺人は嫌だ」と脱走した若者たちをかくまうという気高い精神を有していたのです。

 寺沢さんは、ロシアで育てていた弟子たちと「ロシア兵士母親の会」とともに、「平和更新」を実施します。
 これは平和を祈りながら、ただ歩くという行動です。途中、どんなに暴力が待ち受けていても、徹底して非暴力を貫くことを原則にしています。

 私は寺沢さんから、以下の話を聞いています。

「チェチェンに入って2つ目の町サマシキの手前でロシア軍が道を塞いでいました。私は母親たちに『口論や兆発をしないよう』と諭し地面に座らせ、9時間粘ってやっと通ることができました。サマシキでは、涙ながらに『戦争を終わらせる人たちが来てくれた!』と何キロもの列で歓迎され、町中に砂塵が巻きあがるほどでした」

 そして、平和更新はとうとう95年、チェチェンの首都、グロズヌイに到着。このとき、惨殺された一家7人の遺体を、抗議のために市の中心にまで運ぼうとした民衆とロシア軍とが一触即発の状態に。

 このとき民衆から「先頭を歩いてほしい」と頼まれたのが寺沢さんでした。みるみる大群衆が集まり、ただ静かに歩き続けるだけで、ロシア軍のバリケードも突破し、大統領官邸前広場に到達した時は、広場は5万人の人で埋まり、『チェチェンに自由を! 独立を!』の声に溢れていたといいます。

 だが、寺沢さんは後日逮捕されます。頭から袋をかぶせられ、目隠しと手かせをされ、強制収用所では壁に頭をぶつけられ殴られ、冷たい床に這いつくばらされ、蹴られたのです。

 怖くなかったのですか? 

 こう尋ねると、寺沢さんは、

「ただ死を覚悟しました」

 幸いにも、チェチェンでは誰もが知る人物の逮捕だったため、大きく報道されたためか、1週間後に釈放されるのですが、寺沢さんが心を痛めたのが、同じように強制収容所に連行された1500人以上は還らなかったとの事実です。ある情報では、穴蔵に押し込められ猛犬を放されるなどの拷問で半数以上が死んだと伝えられています。

 この寺沢さんが2000年に来日します。
 そのときに東京で宿泊をしていたのが、大富さんがスタッフをしていた市民団体「市民平和基金」でした。

 紛争が激化する一方のチェチェンでは、その後、寺沢さんはもちろんのこと、大富さんも入国することができなくなっていたのですが、それでも大富さんは、可能な限りのデータを集め、チェチェンに関する何冊もの本を出版するのです。

●電気代不払いで抗議しよう!

 大富さんは、私も始めて知ったのですが、じつは大学で絵を専攻していたとのことで、脱原発の気持ちをこめて今回の絵画展を実施したのでした。
 会場に展示してあった数十枚の絵に交じり、ある一角には、大富さんの東電への挑戦の経緯がつづられていました。

 それが「電気代不払いで抗議しよう!」です。

 なぜなら、東電が太っているのは私たちが電気代を払っているからです。

 とはいえ、本当に不払いをするわけではありません。だが、東電の腹の痛むことをする。どういうことか?
 以下、大富さん作成の資料から引用します。

①自動引き落としをやめて、「振込用紙払い」にする。
 電気の領収証に書いてある番号に電話し、「振込用紙での支払いに変えてください」と言えば、すぐに変更できます。

②コンビニでギリギリ払いか郵便局で不払い!
 変更すると、東電専用の振込用紙が毎月届きます。期限ギリギリにコンビニで全額振り込むか、さらに一歩進めて、郵便局で金額を減額して支払いましょう。ATMの金額確認画面で「訂正」を選べば、抗議のための1円不払いができます。郵便局の窓口でも訂正できます。 ⇒ 集金の不安定化、売掛金の増大によって圧力をかける。
 不払い分には延滞利息(1日0.03%)がつきますが、1円不払いなら利息はゼロ。

③この振込用紙で抗議の不払い!(手数料は東電負担!)
 不払いすると、東電から「支払いのお願い」が来ます。そこで、下の〒振込用紙を切り取り、「原発反対」「値上げ反対」など、あなたの意見を目いっぱい書き込んで、残りを郵便局の窓口で払いましょう! ⇒ 専用用紙ではないので、東電の経理の手間が増える。1円のため120円の振り込み手数料が東電負担に!
 電力会社の社員が、直接集金に来る場合もあります。その場であなたの意見を伝えたり、原発や値上げについて質問し、回答してもらった後で払うこともできます。 ⇒ 対応のための人件費増によって圧力をかける。

振込み用紙

 このビラは以下のサイトでも配布しています。

http://tinyurl.com/fubarairbira

 さらに、大富さんのチラシはこう続けられています。


★日常生活の仲から抗議の声を 一人ひとりの力が世の中を変える!

 東伝の営業利益の9割は、一般家庭からの電気代です。たった1円でも、多くの利用者が毎月不払いすれば、送金手数料、督促人件費などが多額に上り、東電の経営に影響を与えることができます。また、電気代の中には原発推進のための「電源開発促進税」も上乗せされています(標準家庭で月110円)。こんな料金を素直に払うわけにはいきません。デモに行かれない人も、これなら自宅で毎月、抗議のデモンストレーションができます。
 市民による電気代不払い運動には、1920年代からの長い歴史があり、値下げに成功した例もあります。また1970年代には、当時参議院議員だった市川房江さんらが東電に対して電気代1円不払い運動を展開し、自民党への企業としての政治献金を中止させた実績もあります。
 世界最大の電力会社である東電が柏崎狩場、福島第二の全原発の再稼動を断念すれば、世界に大きな影響を与えるでしょう。不払いで再稼動を阻止しましょう!


●大富さんの事例

 大富さんは、以下のような「1円払い」運動を実施しています。

 今年の8月、大富さんの電気代は、途中の引越し(?)だかで567円だったのですが、大富さんは、この567円を1円ずつ、すなわち567回に分けて払い込んだのです。
 すると、上記の説明どおり、東電は振込用紙1枚につき120円を負担するので

 567x120 = 6万8040円

 の自腹を切ることになります。

 もし、1万円の電気代をこれに当てはめれば、東電は120万円を負担することになります。

振込用紙2 ← 大富さんと567枚の振込用紙

振込用紙1

 もっとも、9月分の電気代もこれでやろうと試みたところ、東電から手が回っていたのか、郵便局で「今回は受け付けられない」と言われたそうです。さらに違う手を考えている大富さんですが、もし、これを多くの人がいっせいにやれば、確かに東電には「痛い」作戦であるはずです。

 この「「電気代不払いプロジェクト」の
★ブログは http://d.hatena.ne.jp/toudenfubarai/
★メールアドレスは toudenfubarai@gmail.com
★ツイッターアカウントは @fubarai

官邸前行動も確かに何かしらの影響力をもっていますが、大富さんの闘いは、地方在住の人でもできる運動です。このように一人ひとりがそれぞれの運動を多様に展開することが、世の中を変える原動力なると信じたいです。

チェチェンで何が起こっているのかチェチェンで何が起こっているのか
(2004/03)
林 克明、大富 亮 他

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著書の1人、大富氏はこの執筆時点でチェチェンに行ったことがない。同国が厳しい入国制限をしていたからだ。だが、チェチェンから、ときにはチェチェンを支援するロシアから来日する人たちのお世話をし、その話に傾聴し、徹底的に資料を読みこなすことで、世界のほとんどの人が知らなかったチェチェンでのロシアによる虐殺や破壊行為を目の当たりにしてくれた。闇に埋もれそうだった歴史をきちんと残してくれたという意味で貴重な1冊だ。


天に轟け 地に潤せ天に轟け 地に潤せ
(1996/03)
寺沢 潤世

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絶対にブレない宗教人。それが寺沢潤世さんだ。一年のほとんどの時間を、海外の紛争地で托鉢をしながら歩き続け、ときにはアポなしで国連の組織にも現れる。絶対に無理だといわれていた、ベルリンの壁の崩壊前の東ヨーロッパも単身で歩き通した。人間はいかに生きるのか、なぜ平和が必要なのか。少年時代からの自身の葛藤も描きつつ、まっすぐに歩き続けてきた僧侶の半生にはただ教えられる。


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2012/10/14 23:50 福島原発 TB(1) コメント(0)
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1都6県にまたがるリニア問題を一人で取材することは自分で選んだ道でありますが、それも多くの方から取材費カンパというご支援をいただいたからです。とはいえ、2022年末にその資金プールがついに底をつき、東京都や神奈川県以外の遠方への取材を控えざるを得なくなってしまいました。今一度、ご支援を賜りたくここにそのお願いをする次第です。ご支援者には、今年には発行予定のリニア単行本を謹呈させていただきます。私の銀行口座は「みずほ銀行・虎ノ門支店・普通口座・1502881」です。また100円からのご寄付が可能なhttps://ofuse.me/koara89/letter もご利用ください。私と面識のない方は、お礼をしたいので、ご支援の際に、できればお名前を連絡先を教えていただければ幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。  樫田拝
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